eラーニングとはインターネットを使って学習するシステムです。従来の集合研修と比較してインターネットで学習や管理ができるので、学校や企業研修で活用されています。この記事では、導入するうえで知っておきたいeラーニングのメリットとデメリット、使用方法等を解説します。eラーニングとはなにか?eラーニングとは、インターネット環境を利用して学習をする形態のことをいいます。今まで会議室や研修室に集まって開催していた学習や研修をインターネットを使って行うことで、開催する側にも学習する側にもいろいろなメリットがあります。学習の目的に合ったeラーニングを選択し、効率的に学習を行いましょう。ブレンディッドラーニングとはなにか?ブレンディッドラーニングとは、eラーニングと集合研修とを組み合わせて行う学習方法のことです。eラーニングで各自のペースで学習した後、集合研修でディスカッションすることで学習内容の理解度をさらに深めます。それぞれ個人の学習能力や理解には差があるので、集合研修と平行して学ぶことで相乗効果が得られると、注目されている学習方法です。実習型eラーニングインターネット環境とデバイスの普及により、eラーニングはパソコンで学ぶという形態から、タブレットやスマートフォンで学ぶ形態へと「学び」が多様化しています。そのため、実習の現場で実習を行いながらの学習が可能になったり、決まった場所でなくとも学習できるようになりました。実習型eラーニングは、いつでもどこでも学習することができる学習方法として利用されています。eラーニングまでの3つの過程eラーニングができるまでは、会議室や研修室に集まって行う集合研修が当たり前でした。集合研修は、受講者と講師が同じ場所に集まって開催することから、受講者の出席管理や学習の進捗管理なども煩雑で、時間とコストがかかる点が課題でした。しかし、受講者の理解度にあわせて教育を支援する方法がコンピュータでできないか試行錯誤され、コンピュータ支援教育の開発が世界的に始まりました。1:CD-ROMを使った教材学習コンピュータを使った学習支援のひとつとして、CD-ROMに動画や音声などを入れて教材として提供する学習方法をCBT(Computer Based Training)といいます。CBTは、動画や音声などで作られているため、テキスト教材より理解度が深まります。しかし、学習の状況を管理することができない点や、一度配布すると内容の修正が難しくコストがかかる点などの課題がありました。2:インターネットでの学習教材インターネットの普及により、インターネットを利用した学習教材が普及しました。WBT(Web Based Training)と言われ、WBTによって学習の進捗管理ができるようになり、CD-ROMで配布するコストを抑えることが可能となりました。このようなインターネットを利用して行う学習方法はeラーニングと呼ばれて、教材学習に大きな変化をもたらしました。ビデオ動画での映像学習ビデオ動画での映像学習はテキストを読むだけではわかりづらかったことも、動画により理解しやすくなるというメリットがあります。ビデオ動画はいつでも視聴可能というメリットがある反面、学習計画が立てづらいというデメリットもあります。初期のビデオ動画では撮影のスタジオや編集機材など専門的なものが必要でしたが、現在では小型化されスマートフォンでの撮影や編集もできるまでになりました。モバイル端末での学習iPhoneやAndroidなどのスマートフォンやタブレットのモバイル端末の普及により、モバイルラーニングやmラーニング(m-Learning)が注目されています。モバイル端末は日常的に持ち歩いていることが多いため、いつでもどこでも動画やテキストを見て学習することができます。ITでの双方向でのソーシャルネットワーク学習配信者から学習者への一方向だけではなく、ソーシャルネットワーク(SNS)や掲示板を取れ入れた学習方法により、双方向でコミュニケーションをとれるようになります。このような手法を取り入れることで、学習計画や学習意欲を高めるとされています。3:企業研修での人材教育ビジネス経営を成功させるために新入社員や社員の人材教育をすることは重要なことです。新人研修や昇進のための研修は企業にとっては必要不可欠なコストとされています。社内研修でeラーニングを活用して人材教育をすることで、コストを抑えて高い品質の教育が実現できます。eラーニング導入のポイント4つeラーニングの導入は、学習する側と運用する側の双方にメリットがあります。eラーニングを効率よく活用するためには、学習を管理するためのシステムを取り入れたり、運用するための学習教材を開発することが必要です。ここからはeラーニングを導入するためのポイントについてご紹介します。1:学習を管理するためのシステムを入れるeラーニングの学習を管理するためのシステムは、LMS(Learning Management System)といわれます。LMSはeラーニングで学習している人にコンテンツを配信したり、学習履歴をデータとして管理したりするシステムです。例えば、集合研修やレポート、アンケート、学習情報、資格情報、スキルアップ機能などを管理します。LMSを活用することでより効率的、計画的にスキルアップやキャリアアップをめざすことが可能となります。2:運用するための学習教材を入れる運用するための学習教材は、オーサリングツールという編集用のソフトウェアで作成します。Adobe Captivate(アドビ キャプティベート)を利用することで、プログラミングの知識がなくても容易に教材を作成できます。また、ホームページ作成ソフトHTMLのHTML5や、ホームページのデザインレイアウトを定義するCSSのCSS3を利用することで、さらに有用な教材を作ることができます。3:SCORMと呼ばれる共通標準規格の導入をするSCORMとは、Sharable Content Object Reference Modelの略で、eラーニングとLMSを結びつけるための共通標準規格です。例えば、映像を見るときDVDに保存されている動画はその規格のプレイヤーで再生すると見ることができます。しかしDVD以外の規格のものに動画が保存されていたら、プレイヤーで再生できないため見ることができません。このように、SCORMで規格に合った教材を作ることで、多くの人々に利用してもらうことができます。4:学習者の支援をしてくれるアドバイザーを入れる学習者の支援をしてくれるアドバイザーの存在は欠かせません。eラーニングで学習するとき、個人のモチベーションを維持する必要があります。もしも学習していてわからないことがあったときに、質問や相談することができるアドバイザーがいれば、スムーズに学習することが可能です。そのため学習支援が可能なアドバイザーを準備しましょう。eラーニングの使用方法eラーニングを導入することにより、学習者と提供者の双方にメリットがあることは明白であると言えるでしょう。ここからは具体的に提供する側と学習する側で、どのような使用方法や用途があるのかについてご紹介します。提供する側の人提供する側の立場でeラーニングの使用方法は、学習計画の企画立案や受講者や受講内容の登録、学習管理、教材作成、質問へのフォローアップなどがあります。企業の場合、業務に関する導入や研修を行う目的で使用する場合が多くあります。特に、支店が多い場合や遠隔地との研修が必要になる場合で効率的に活用できるでしょう。学習する側の人学習する側の立場でeラーニングにより学べることは、場所の制約なく動画教材を見たりライブ配信の教材で学習することが可能になります。テストやレポート提出、講師への質問や発表・プレゼンテーションについてもオンラインで可能です。遠隔地の場合は、スキルアップやキャリアアップのために物理的な壁がありましたが、eラーニングにより学習の地域格差が減りつつあります。eラーニングの良い点と悪い点eラーニングと他の学習方法と比べてみると、それぞれに良い点、悪い点があります。eラーニングの導入を検討する際は、これらの点も把握しておくと良いでしょう。eラーニングの良い点と悪い点を提供する側の人と学習する側の人の視点でご紹介します。先生や教育担当者など提供する側の人教育担当者によるeラーニングのメリットは、遠隔授業により1対1の対面授業に近い授業が可能であるということです。そのため学習者の反応がわかりやすく、教材の変更が柔軟にできるようになります。デメリットはライブ配信の場合には専用の機器が必要となり、また講師のスキルも実際の対面授業とは違う工夫が必要となります。学習の進捗が見えづらく、把握のための課題やテストの準備が必要となります。ですが、対象者数や規模が大きくなるほど、コストを抑え効率のよい学習を提供することが可能となります。生徒や社員など学習する側の人一方、学習者側のメリットは、場所の制約なしに受講・学習できることが大きなメリットと言えます。苦手分野を繰り返し学習したり、復習も効率よく行うことができます。デメリットは学習のモチベーションを維持するために、強い意志が必要となることです。対面授業ではわからないことはすぐ質問し、解決することができますが、eラーニングでは別途連絡ツールの使用が必要となり、質問がしづらい状況があります。eラーニング講座が提供している5つの項目eラーニング講座では、企業の人材研修用や個人向けのスキルアップ用など、多くの講座が提供されています。学習管理システムLMSに教材が入っているので、導入するとすぐに学習が始められるというメリットがあります。企業内研修での新人社員向けや管理職向け講座、専門分野別の講座、資格系、趣味系のeラーニングについて詳しく紹介します。1:資格系eラーニング講座資格を取得するためには、認定試験に合格するために勉強しないといけません。今まではテキストや参考書を使って独学で勉強するか資格取得のための学校で学ぶ方法が主流でした。現在は、テキストやスライド、動画、音声などを使って学習するeラーニングが注目されています。eラーニングは自分のペースにあわせて学習することができるので、資格取得の勉強に有効でしょう。2:趣味系eラーニング講座趣味系のeラーニング講座も多く開設されています。<ピアノ講座、エレクトーン講座などの楽器系から、各種語学学習、折り紙や絵画などのアートなど幅広く開設されています。他には、薬膳、野菜、スイーツなどの食べ物に特化した講座もあり、幅広い趣味分野を網羅していると言えます。3:専門分野別のeラーニング講座専門分野別のeラーニング講座としては、ITエンジニア系、アートデザイン系、財務系、営業系、コンプライアンス系があります。ITエンジニア系としては、HTML/CSSやJavaScriptなどのプログラミング言語講座があります。アートデザイン系としては、アニメーション講座やイラストレーション講座の他、IllustratorやPhotoshopなどのソフトの使い方も学べます。財務系では財務入門講座や決算書講座など、営業系ではセールストーク講座やプレゼンテーション講座、コンプライアンス系は知的財産講座やハラスメント防止講座などがあります。4:企業内研修での管理職など向けのeラーニング講座企業内研修での管理職など向けのeラーニング講座には、多くのビジネススキル系の講座があります。チームマネジメント講座やマーケティング講座、人事考査講座、プロジェクトマネジメント講座など、管理職に必要な知識を学ぶ講座が多数あります。5:企業内研修での新人社員向けのeラーニング講座企業内研修での新人社員向けのeラーニング講座には、実用オフィス系とビジネススキル系があります。実用オフィス系としては、MicrosoftのExcelやWord、PowerPointの使い方講座や、文書力トレーニング講座など、仕事で必要な実用的なスキルを学ぶ講座が多数あります。またビジネススキル系では、ビジネスマナー講座やロジカルシンキング講座、スピーチ講座など、ビジネスに役立つスキルを学ぶ講座が用意されています。eラーニングとは何かを理解して取り入れるeラーニングは、インターネットを利用して学習するシステムです。従来の集合研修と比べるとインターネットで動画による学習ができるので、場所や時間の制約なく学校や企業研修などで活用されています。ラーニングを導入するときは、メリットとデメリットを考慮して目的にあわせて活用することが大切です。eラーニングで学びの幅を広げ、スキルアップを目指しましょう。