LINEは、多数で幅広いユーザー層、高いアクティブ率、そして100%の到達率を誇るコミュニケーションツールです。しかし、それをマーケティングに活かすには、セグメンテーションをしっかり行い、パーソナライズ配信をすることが鍵になります。そこで今回の記事では、LINEでできるマーケティングの概要やその強み、4つの手法などに関して解説していきます。LINEでのマーケティングを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。LINEでマーケティングができる?LINEのユーザーは、後述するように多数かつ多層で、しかもアクティブ率が高いことが特徴です。それゆえ、他のSNSに比べてリーチ力(そのコンテンツが1年間に到達できる人数を表す指標)が高いので、企業からすると、軽視できないユーザーとのタッチポイントになっています。以下、マーケティングツールとしてのLINEの有効性について見ていきます。LINEでのマーケティングの3つの強みLINEユーザーの特徴を上に3つ述べましたが、それは取りも直さず、LINEで集客するLINEマーケティングの強みでもあります。この3つについて、詳しく見ていきます。LINEでのマーケティングの強み1:ユーザーが多い最新のデータによると、現在LINEの利用者数は8400万人です。日本の人口は1億2593万人(総務省統計局2020年8月1日現在)ですから、その66%以上をカバーしていることになります。したがって、今や生活インフラとなったこのツールを無視しては、コンシューマー系のマーケティング戦略はもはや成り立たないと言えるでしょう。LINEでのマーケティングの強み2:ユーザー層が幅広い前述した総務省統計局の統計によると、日本の男性人口は6128万人、女性人口は6465万人なので、男女比は48.7%対51.3%です。一方、LINEユーザーの男女比は47.5%対52.5%です。したがって、LINEユーザーの性別構成は日本人口に極めて近いと言えます。また、LINEユーザーの年齢層も10~60代と幅広く、その分布も日本の人口分布にほぼ等しくて、都市部でも地方でも偏りがありません。それゆえ、LINEに広告を出せば、全国の老若男女に届きやすくなります。LINEでのマーケティングの強み3:ユーザーのアクティブ率が高いLINEはプライベートなコミュニケーションツールとして普及しため、ユーザーの多くがアクティブで使用しています。実際、LINEの月間アクティブユーザー数(MAU)は、2020年3月末現在で8,400万人を超えます。最低でも月に1回以上利用するユーザーが8,400万人もいるというのは、驚異の数値と言えるでしょう。LINEでのマーケティングの4つの方法LINEがユーザーに対してリーチ力が高いことは冒頭で述べました。それでは、LINEを用いて、どうやってユーザーにリーチ(到達)すればいいのでしょうか。その具体的な方法について以下に見ていきます。LINEでのマーケティング方法1:LINE公式アカウントLINE公式アカウントは、LINEアプリのビジネス版です。誰でも無料でアカウントを開設できますが、法人向けには認証済みアカウントがお勧めです。メールマガジンのように集客や販促に使えて、しかも到達率は100%です。迷惑メールとして弾かれたり、ボックスに埋もれることはありません。LINE公式アカウントを効果的に運用するためには、友だちを増やさなければなりません。そのためには、友だちが欲しい情報を配信することが必須です。また、配信数によって料金が変わるので、費用対効果を考えてそれを決めるべきです。さらに、ブロック率によって配信内容の有益性が測れるので、これにも注意が必要です。LINEでのマーケティング方法2:LINE Ads PlatformLINE広告(旧:LINE Ads Platform)とは、LINEやその提携アプリに広告を表示させるサービスです。LINE公式アカウントと友だち追加のLINE広告を連携させることにより、友だちを容易に獲得することができます。また、LINE内での高い月間利用者数を誇る「タイムライン」とLINE NEWSに加えて、最多で使用される「トークリスト」画面の最上部の枠(Smart Channel)、2,500組以上の公式ブロガーが活躍するLINE BLOG、ダウンロード数2,300万回を超えるLINEマンガなどにLINE広告を配信することも可能です。LINEでのマーケティング方法3:LINE Messaging APILINEのMessaging APIとは、LINEのメッセージ送受信システムと利用企業のシステムをAPI経由でつなげて、LINE公式アカウントからパーソナライズメッセージを配信するためのサービスです。LINEでも、参入企業が増えるほどユーザーは多くの通知を受け取るため、開封率が下がったり、ブロックされる危険性が増します。けれども、Messaging APIを使えば、属性や購買・行動履歴に関する既存のデータベースと連動して、ユーザーごとに最適化したメッセージを配信できるので、より効果的なLINEマーケティングが可能となります。LINEでのマーケティング方法4:スタンプ配信LINE の特徴の1つとして、スタンプという大型の絵文字のようなキャラクターを使ったコミュニケーションがあります。それは感情で会話するような非言語コミュニケーションなので、言葉では表現しづらい感情を伝えたり、簡単に返事をするときに便利です。したがって、スタンプが相手の感情に響けば、一気に認知度が上って、友だち登録数の増加につながります。実際、LINEスタンプには企業の公式アカウントと連動するものがあるので、それをマーケティングに利用して友だちの数を増やしている企業があります。そうすると、その友だちユーザーに企業から情報を発信し、自社システムと連携した1対1のやり取りも可能となるので、自社の製品やサービスの受注確率が高まります。LINEでのマーケティングで得られる3つの効果集客はビジネスの要です。集客できなければ、ビジネスは成り立ちません。そして、変化に敏感でLINEの集客効果に気付いた経営者は、いち早くLINE公式アカウントを使っています。そのLINEマーケティングの効果について見ていきます。LINEでのマーケティングで得られる効果1:ブランド認知マーケティングは、顧客主体のPull型と企業主体のPush型に分けられます。そして、Lineは上述のようにアクティブ率が高く、しかも到達率は100%です。したがって、LINEは基本的にPush型マーケティングに向いているので、それによって企業のブランドや製品・サービスの認知度を上げることができます。しかし、Push型にはセグメントの切り分けがない場合、ユーザーにとっては不要な情報発信をするというデメリットが生じます。それゆえ、Push型を多用すると運用コストが増えるだけでなく、ユーザーが余計な情報をブロックするので、結果的にリーチできるユーザー数を減らします。したがって、現在のLINE公式アカウントには、マス向けの運用ではなく、前述のパーソナライズ化された運用が求められるのです。LINEでのマーケティングで得られる効果2:来店促進・購入促進LINEは、他のSNSと比べて、より商品購入に結びつきやすいと言われています。そして、それによって店舗・ECサイトでの購入を促進するためには、短期と長期の施策を組み合わせたアプローチが有効です。短期の施策とは、キャンペーンセールやクーポン配布を通じて直接的に購入意欲を喚起するものです。一方、長期の施策とは、新商品情報の配信やチャットによるコミュニケーションを通じて、企業と顧客のつながりを強化するものです。LINEでのマーケティングで得られる効果3:顧客データの収集・活用LINEはプライベートな日常に届くので、開封率が高く、すぐに見られるメッセージツールです。それゆえ、LINE公式アカウントをビジネスに使う企業は、LINEユーザーが友だち追加をすれば、見込み客のリストを新規に獲得できるだけでなく、チャットを通じて様々なユーザー情報を収集することができます。しかし、メッセージを一斉配信するだけではすぐに頭打ちになります。LINEユーザーは、自分とは関係がない情報が届くと、ブロックや友達の削除をしやすくなるからです。それゆえ、LINEユーザーを一定条件(住所・年齢・購入履歴など)で分類(セグメント化)して、セグメントに合ったメッセージ送るセグメント配信が不可欠になります。LINEでのマーケティングの5つの活用事例近年、BtoCサービスを展開している企業が、ユーザーとのタッチポイントとしてLINE公式アカウントを活用する事例が増えてきています。ここでは、その中からLINEマーケティングの成功事例を5つ見ていきます。LINEでのマーケティング事例1:コープデリコープデリの公式アカウントには、50件まで入力可能な注文番号による注文、商品検索による注文、過去に注文した商品の中から選ぶ「かんたん1分注文」による注文、eフレンズで「お気に入り」に商品登録してから行う注文があります。これらの注文は、すべてLINE内で完結しているので、ユーザーは気軽に注文することができます。LINEでのマーケティング事例2:AJINOMOTOAJINOMOTOのLINE公式アカウントでは、コンテンツとしてレシピを表示して、その検索ができるようにしています。さらに、食材、調理法、調理時間、季節などで検索結果が絞り込めるため、料理好きのユーザーにとっては便利な機能と言えます。AJINOMOTOは、これによりブロック率を抑えると共に、シーズン毎にオススメの商品を紹介して、購買にもつなげています。LINEでのマーケティング事例3:Cocoonist(コクーニスト)上述のように、有効なLINEマーケティングのためにはパーソナライズ配信が必要で、なおかつ、それを行う企業の顧客データとの連携も重要です。サザビーリーグ社は、自社ブランドの「Cocoonist(コクーニスト)」について、LINEの友だちと同社の顧客データを紐づけるために、店舗にLINEの友だち追加用QRコードを記載したポップを用意しました。こうしてLINE登録に対する心理的負担を減らした結果、LINE会員の登録開始から1か月で10,000人以上の会員登録を獲得し、顧客データとの紐づけにも成功しています。LINEでのマーケティング事例4:TOUCH-AND-GO COFFEETOUCH-AND-GO COFFEEは、事前にコーヒーをLINE公式アカウントで注文し、店舗ですぐにそれを受け取れるサービスを展開しています。コーヒータイプ、甘さ、フレーバーなどを好みに合わせて選択できるので、カスタマイズが可能になっています。また、支払いもLINE内で処理する事前決済なので、同社はLINE公式アカウントを活用して、業務の簡略化と迅速化に成功しています。LINEでのマーケティング事例5:WWFジャパン環境保全団体であるWWFジャパンは、2013年にその公式ソーシャルメディアにLINEを加えました。そして、セグメント配信をするために、友だち追加の際にアンケート形式で「ご関心のあるテーマ」を選べるようにしています。また、LINEの友だち限定でフォトギャラリーを公開するなどして、友だち追加に対するモチベーションも与えています。LINEをマーケティングに活用しよう!LINEは、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムと比較して、拡散力こそ劣るものの、ユーザー数、情報力、伝達力では他のSNSを凌駕しています。しかし、LINEを通じて収集するユーザー情報のセグメンテーションが十分にできていないと、ブロックや友だち削除を招き、せっかくの努力も水の泡になってしまいます。それゆえ、セグメント配信、さらにはパーソナライズ配信がLINEマーケティングの成否を分けると言えるでしょう。そのためには、自社の顧客データとの紐付けも大切です。これら点に注意して、LINEをマーケティングに活用していきましょう。LINEマーケティングでは、正しく戦略や施策を設計しアカウントを利用することで認知度を高めたり、企業の集客や売上をアップすることが可能です。ぜひこの記事でご紹介したLINEマーケティングのメリットを最大化する方法を参考に、LINEマーケティングを行ってみてはいかがでしょうか。LINEマーケティングを実施するには、全て内製で行うだけでなくLINEマーケティングのプロに依頼するのもおすすめです。弊社では、LINEだけでなく統合的なSNSマーケティング/PRのご支援も行っています。無料のオンライン相談を実施していますので、マーケティングに課題を抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。