マーケティングファネルには、大きく分けて3つの考え方が存在しています。マーケティングファネルのメリットや活用方法について理解を深めましょう。また、この記事では5つのステージをひとつずつご紹介します。ぜひチェックしてみてください。マーケティングファネルの意味ファネルというのは英語でfunnel(漏斗)という意味です。消費者がマーケティングファネルの各段階に進むにつれて、見込み客が脱落し、その数が減少していく傾向があるため、消費者の購買までの工程を人数的に図式化した際、漏斗(ファネル)の形に見えるので、こう呼ばれています。ファネルの種類マーケティングファネルと一言で言っても、実はその中でも大きく分けて3つの考え方が存在します。パーチェスファネル、次にインフルエンスファネル、そしてダブルファネルの3つです。パーチェスファネルとは1つ目のパーチェスファネルは、英語で見てみるとわかりやすいのですが、Purchase(購入、購買)を意味し、消費者が購買するときの流れを図式化したものです。認知・興味・購買意欲・購入のカスタマージャニーを辿るにつれ、徐々にその人数が減少していく様子を逆三角形、すなわち漏斗の形で表したものです。インフルエンスファネルとは2つ目のインフルエンスファネルは、商品を購入したあとの消費者の行動を図式化したものになります。インターネットやスマホの普及により、レビューや星の数などを購買者が書き込むことによって、企業がサービスのフィードバックをもらえたり、他の消費者がそのレビューを考慮して購買を考えたり、購買後の消費者が自ら商品の広告主となりえることが可能になりました。ダブルファネルとはダブルファネルとは、2つのパーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせて、より効果的な結果を生み出そうとした考えを図式化したものです。インターネット普及前の社会では、パーチェスファネルだけがマーケティングファネルの戦術として考慮されてきましたが、インフルエンスファネルも普及してきたことにより、消費者の購買行動の過程に購買後の過程も一緒に組み合わせて見る方法が生まれました。マーケティングファネルのメリットここからは、マーケティングのメリットについて詳しく話していきます。マーケティングファネルはお客様の購買過程を単純化させる効果があります。会社がお客様が何を欲しがっているのか、どれくらい欲しいのかを理解しやすくするというメリットです。その分析の結果、良い商品をより多くの人に届けることができ、自社が顧客を得るためにどのようなキャンペーンをおこなって、商品を売ればいいのか効率化することができます。マーケティングファネルの5つのステージマーケティングファネルは主に5つのステージに分かれています。ここからは、ひとつずつステージを見ていきましょう。ぜひ参考にしてみてください。マーケティングファネル1:課題の発見顧客は世の中で解決しないといけない課題、自分の欲や、本当に必要なものも含め、問題があると認知した瞬間、購買という行為でその課題を解決しようとします。しかし、それを解決する前提にもそれぞれの課題またはニーズの認識をしないといけません。例えば、冷蔵庫が故障した、という課題を解決するために家電製品店でほぼ確実に新品の冷蔵庫の購入を考慮するでしょう。しかし、新しいパソコンが欲しくなったとなると、学業のためにノートパソコンとして必要なのか、家でのデスクトップパソコンとして必要なのか、ブランドも多岐にわたります。このように、扱う製品やサービスが違うだけで考慮しなければいけない選択肢や検討事項が存在することがわかります。マーケティングファネル2:比較対象の意識2つ目のステージは情報検索・比較検討です。課題や自身のニーズを認知することは大前提として、そこから商品の情報を集め、本当にそれが自分のニーズに見合うものなのかじっくり比較、検討しなければいけません。まずどのコンテンツが購買客からニーズとされているかを特定するためにキーワード調査を行う必要があります。そして大量に検索されたニッチな検索ワードを記録し、それらのワードからあらゆるカテゴリーに分類してコンテンツを作成することがこのステージでの第一歩となります。マーケティングファネル3:購入時のフォロー購入の意思決定に至るまで、解決すべき課題の発見と、それをどうやって解決するかを調査し、商品やサービスの比較と検討がなされたあとは、購入の決定ということになります。ここでは購入を決定した購入者に対し、その決定が正しい決断であるということを自信を持って感じてもらうためにフォローを行います。自信のない状態での購入よりも、絶対にこれが必要だ、これなら購入しても後悔しないという内容であるということを知らせることで、より確実に長期的顧客確保につながります。例えば、以前の顧客が成功した事例や、新規顧客が期待できそうなコンテンツやサービスを紹介したりすると、購入時において大きな後押しになります。マーケティングファネル4:購入後の維持ここでの目標は顧客に質の良いコンテンツやサービスで一時的に満足させるのではなく、できるだけ長期的に気に入ってもらえる様に維持することです。質の高いコンテンツを提供し続けることにより、顧客との間に信頼が生まれ、有益な存在であることを知ってもらうことが最終的な長期的利益につながります。見込み客が顧客になると、新しい見込み客への対応を急ぎたくなりますが、新規顧客への対応は放置できません。ロイヤルティを意識することで確実に顧客を確保していくことが大切です。マーケティングファネル5:顧客を顧客以上の存在にこのステージでは、自社の商品やサービスを購入された顧客がそれぞれの友人や家族などに話し、紹介してもらえるようにすることを目標とします。これを現実化させるには前のステージである、購入後の顧客を質の高いコンテンツで満足させ続け、顧客を維持しながら、彼らからフィードバックを集める必要があります。顧客との良い関係性を築き続けることで信頼がうまれます。顧客がファンになることで、再度購入だけでなく商品やサービスをソーシャルメディアを通して家族や友人、また不特定多数の人への大事な広告塔となります。なぜマーケティングファネルは必要?なぜマーケティングファネルがより多くの購買者を獲得するための企業戦術として必要なのかについて説明していきます。ただ単純に広告を増やしたり、商品やサービスの良さを長々と話したところで、消費者の購入の最大化にはつながりません。最悪の場合、消費者への何の効果もないにも関わらず、それに気づかずコストやマンパワーを使い続けてしまう、という結果に陥ってしまいかねません。しかし、しっかりとマーケティングファネルの仕組みを理解し、それに沿って分析していくことで、どの段階で消費者にどう対処するべきか明確にビジュアル化することが可能です。マーケティングファネルの分析こそがマーケターの仕事に必要なスキルだと言っても過言ではないでしょう。マーケティングファネルの活用マーケティングファネルは一見するとシンプルに見えなくもありませんが、ファネルの図式化された通りに沿って初めて考察を始める際、複雑な設定を設けることは避けた方が無難です。情報の掛け合わせを行なっていく過程で、その分の準備も多くなってしまい、最終的に業務量が手に負えなくなる可能性が高くなるからです。マーケティングファネルを利用して、マーケティングファネルをある程度設定した後、さらに各段階の消費者の心理状況の移り変わりにも焦点を当てて見ることが大切です。マーケティングファネルの目安マーケティングファネルを活用する際の目安として、3つのポイントを押さえましょう。1つ目は「顧客がどのように自社を見つけたか」、2つ目は「ステージから次のステージに移行するために必要な情報やコンテンツを考える」、3つ目は「見込みのある顧客が次のステージへ移行した際、どのように移動したかを判断する」です。また、細かく消費者の購買行動を分析しておく必要があります。マーケティングファネルを利用して次のステージに進もう!最後に、購買戦術を練る上で、購買者の行動を分析することは必要不可欠です。時代に合わせて、インフルエンスファネルの様にまた新しいファネルが誕生するかもしれません。マーケティング部門にとって、まずマーケティングファネルを意識することから始めるのが一番の近道だと言えます。