YouTubeの動画撮影を行っているなかで、なかなか構図がうまく作れない。またカメラショットはどうしたらいいのか分からないという方も多いかと思います。同じ一人の人物を撮影するのでも、顔をアップで映すのか、少し引いてバストアップで映すのか、ぐっと引いて周りの背景も合わせて映すのかによって、見る人の印象って全然違ってきます。そういった、カメラのフレームの中で被写体をどの大きさ・位置・角度で映すのかという構成を「構図」といいます。今回の記事では、YouTubeの動画撮影の際にそのような「構図」や「カメラショット」の基本を解説します。動画におけるクオリティを左右する要素の1つとして、人目をひく美しいビジュアルがありますが、それは基本的なポイントを押さえておけば比較的簡単に達成することが可能です。今回の記事を参考に、YouTube動画撮影時に美しい「構図」と「カメラショット」を実現してください。YouTubeの撮影でよく使われる3つの構図の違いYouTubeの動画は、主に以下の3つの構図で撮影されることが多くなっています。三分割法バランス深度この項目では、それぞれの構図について解説していきます。構図1:三分割法三分割法とは、画面を縦横に三分割したとき、縦の線と横の線が交わる位置に被写体を配置する方法のことです。2本の水平線と2本の垂直線でフレームが、3×3のセクションに分けられた状態を想像してみてください。撮影対象となる要素をこれらの線に沿って、あるいは交差する点の1つに配置するのです。たとえば一人の人物を配置したとき、中央に映すよりも縦と横の線が交わる位置(右もしくは左)に少しずらして映すほうが自然な印象に仕上がります。ただし、三分割法を取り入れるときは厳密に対象を線と線の交点に配置する必要はありません。三分割法には、私たちの目が画像の中心よりも少し離れた物体に引き付けられるという、科学的根拠があります。上述の交差する4点こそが、中心から少し離れた視覚的興味を引く点に当たるのです。(参考情報)三分割法という言葉が初めて登場するのは、John Thomas Smithが1797年に発表した『Remarks on Rural Scenery』です。その他、数学や心理学を応用した写真のルールについては、こちらの記事を参考にしてください。https://www.makeuseof.com/tag/compose-photograph-rules/交点はあくまで目安に考え、縦や横の線を意識する方法もおすすめです。構図2:バランスYouTube動画の場合は、YouTuberなど一人の人物が映り続けることも珍しくありません。この場合は左右のバランスを均等にして、あえて中央に人物を配置する方法もあります。また、登場人物が二人の場合は三分割法を意識せず、左右のバランスや対称性を意識して配置したほうが自然な印象に仕上がるでしょう。構図3:深度画面の被写界深度を意識した撮影方法も印象的な動画作りに役立ちます。被写界深度とは一眼レフカメラで用いられる撮影方法の一種で、レンズの絞り値によって対象物の背景などの映り方が変化するものです。レンズの絞り値(F値)が小さい場合は被写界深度が浅く、メインの人物などに焦点を当てているため、背景はぼやけて映ります。逆に被写界深度が深い(レンズの絞り値が大きい)場合は、メインの人物も背景もくっきりと映り、全体的にクリアな画面になります。人物を目立たせたいときは被写界深度を浅めにして背景をぼやかし、全体の印象を強調したいときは被写界深度を深めにするなど、シーンごとに深度を使い分けてみましょう。構図と組み合わせて個性を出すのに重要な「カメラショット」の違い動画のテーマに関係なく、ひとつの構図で撮影し続けるのは再生数が伸び悩む原因になりかねません。たとえば料理動画を例にあげても、淡々と料理している姿を横から映し続けるチャンネルはつまらないが、時々鍋の中身をアップにしたり出演者のアップが挟まれたりするとメリハリが出ます。このように視聴者が見ていて退屈しないような、個性的な動画を作成するためには、カメラショットを意識することも重要です。カメラショットは、大まかに分けると以下の3種類があります。ワイドショットミディアムショットクローズアップショットこの項目では、各カメラショットの特徴について解説します。カメラショット1:ワイドショットワイドショットは、いわゆる「引き」ショットのことです。人物の全身と背景が入るため、どのような場面・状況なのか分かりやすいです。日本ではロングショットとも呼び、画面ギリギリまで人物の全身をアップさせるとフルショット(フルフィギュア)と呼びます。周囲の状況を伝えたい場合は、背景もしっかりと画面に入るワイドショット(ロングショット)を取り入れましょう。ダイナミックな印象を与えられる一方で、人物の表情やこまかいディテールは伝わりにくいデメリットもあるため、適切に活用することをおすすめします。カメラショット2:ミディアムショットミディアムショット(ミディアムクローズ)は、人物の上半身に寄ったショットのことです。日本ではバストショットとも呼ばれており、手の動きが分かりやすいため商品紹介や料理動画など幅広いジャンルで活用できます。背景ではなく人物や手元に注目を集めたいときにミディアムショットを取り入れましょう。また、場面転換のきっかけとしても利用可能です。たとえば人物が「あのお店は何屋さんでしょう?」と言いながら画面の外を指さす動作を取った場合、ミディアムショットから人物の指さすほうへカメラを動かすと、うまくお店の外観シーンへ場面転換できます。他にも人物が「今日はこの商品を紹介します」とアイテムを手に取った姿をミディアムショットで映した直後に、商品のアップ画像へ場面転換することも可能です。3つのカメラショットの中で最も汎用性が高く、使う機会が多いでしょう。カメラショット3:クローズアップショットクローズアップショットは、肩から上(ほぼ顔部分のみ)をアップにしたショットです。日本でも同様にクローズアップショットと呼び、手は顔の前や横に持ち上げなければ画面に映りません。ミディアムショット以上に人物や手元に注目を集めることができるため、行動やアイテムを強調したいときに活用できます。ちなみに三分割法の構図を取り入れて、人物を中央より横へずらした状態で撮影すると、人物の表情と背景がバランス良く画面に収まります。たとえば市場や観光地を歩くシーンなどで取り入れると、周囲の賑やかな様子をそれとなく伝えつつ、状況を楽しむ人物の表情を印象的に演出することが可能です。淡々とした構図は視聴者に飽きられやすく、再生数が伸び悩みます。しかし素人が無理に構図やカメラショットにこだわりすぎると、必要以上に場面転換や構造の落差を演出しすぎる可能性もあります。場面転換が多すぎる不要なカメラワークは、視聴者に不快な思いを与えるのでやめましょう。慣れないうちはカメラを固定して撮影して、少しずつ構図やカメラショットを取り入れて行いくことをおすすめします。人気YouTuberの動画やテレビ番組を見るとき、カメラワークを意識しながら見ると適切な場面転換の入れ方が分かってくるでしょう。まとめいかがでしたでしょうか。今回は、YouTube動画撮影の際の「構図」や「カメラショット」の基本を解説しました。基本的な「構図」や「カメラショット」を抑えるだけでも大きくYouTube動画のクオリティは変わってきます。既に企業YouTubeアカウントを運用されている方の中には、「撮ってみたけど、なんだかうまくいかない...」といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は今回紹介したポイントを一つずつ確認しながら、改善すべき部分がないか振り返ってみてください。弊社ではYouTubeの動画の撮影や編集だけでなく、企画・分析・投稿・その後の改善まで一貫した業務を代行させて頂くことが可能です。YouTubeに最適な動画の撮影方法が分からない、動画編集のリソースがない・チャンネルの運用方法がわからない・自社の業務とYouTubeの運用や動画制作の並列が難しいなどの困りごとがありましたら、ぜひお問い合わせ窓口より相談ください。その他、YouTubeに役立つ資料も無料公開中です。