近年、企業のマーケティング活動で動画広告を活用する企業が増えています。電通が2024年2月に発表した「2023年 日本の広告費」では、ビデオ(動画)広告の媒体費は、前年から約16%増加して、6,860億円に到達したことが明らかになっています。これは、リスティング広告やディスプレイ広告などインターネット広告媒体費の全体の約26%になります。このことからも、動画広告がより身近で強力なマーケティング手法になりつつあることが分かります。そんな動画広告の中でも、最も注目を浴びているのがYouTube広告です。国内だけでも月間7,000万人以上のアクティブユーザーを抱え、出稿することでブランドや商品の認知力アップに大きく貢献します。本記事では、YouTube広告の費用や課金の仕組み、目安となる広告料金相場について詳しく解説します。YouTube広告の活用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。>>Start-Xへ無料で相談するYouTube広告の費用相場はいくら?YouTube広告の配信に必要な費用は、トータルで40万円以上はかかります。以下のように、広告を出稿するため費用と制作に必要な費用を合算したものが、必要経費となります。費用広告出稿10万円~広告制作30万円~広告出稿にかかる費用YouTube広告を出稿するために必要な費用の相場は10万円〜です。広告の費用は、動画の視聴回数やクリック数に応じて発生し、広告の種類、ターゲット設定、競合他社の状況などによって変動します。そのため、広告キャンペーンの目的に合わせて最適な予算を設定することが重要です。YouTube広告は、最低出稿金額が設定されていないため、広告を出稿するだけであれば1,000円程度の安価でも可能です。しかし、確実に成果を上げるためには、最低でも10万円は広告費としての予算を確保しておくことをおすすめします。広告制作にかかる費用YouTube広告の制作費用は、一般的に30万円以上は必要と言われています。ただし、広告の内容や制作にかかる工程によっても大きく左右されるため、広告ごとに制作費は異なります。広告制作費に含まれるおもな作業は、以下のとおりです。企画脚本制作動画撮影動画編集どの程度のクオリティに仕上げるかによっても、上記の作業にかかる費用は変わります。例えば、簡単なスライドショーなどであれば、5〜10万円程度の制作費でも制作できるでしょう。とはいえ、YouTube広告は最初に数秒のインパクトが広告の成果に影響するため、クオリティの高い広告を作るためには、ある程度の費用が必要です。YouTube広告の3つの課金システムまずは、YouTube広告を出稿した際にどのように費用が発生するのかを理解しましょう。YouTube広告の課金システムは大きく分けて、以下の3種類です。それぞれ以下の計算式で算出します。CPC(Cost per Click)広告費用 ÷ クリック数CPV(Cost per View)広告費用 ÷ 視聴回数CPM(Cost Per Mille)広告費用 ÷ 表示回数 ×1,000YouTube広告は、広告フォーマットや申し込み内容によって課金条件が異なるのが特徴です。①CPC(Cost per Click)CPCはクリック単価と呼ばれ、動画広告が流れた際に、ユーザーが動画広告のサムネイルもしくは見出しをクリックすると費用が発生します。CPCは、商品やサービスの購入や自社サイトへの誘導など、具体的なアクションを促したい場合に効果的です。ユーザーに広告をクリックしてもらうために、興味を引くメッセージと魅力的なビジュアルの作成がカギとなります。②CPV(Cost per View)CPVは視聴単価と呼ばれ、ユーザーが動画広告をある程度の時間再生するたびに費用が発生する仕組みです。YouTube広告では、動画が「30秒以上(30秒未満の動画の場合は、最後まで)」視聴された時や、動画内の広告がクリックされるといったアクションが起こったときに費用が発生します。動画広告の内容に興味を持ったユーザーを効果的に集客できるため、無駄なコストが発生しにくいのが特徴です。③CPM(Cost Per Mille)CPMは表示単価と呼ばれ、動画広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する仕組みです。CPMは表示回数によって課金されるため、クリック数や視聴時間などには影響されません。そのため、とにかく露出回数を増やしてブランド認知やキャンペーン告知をしたい場合に有効な方法です。YouTube広告の料金相場・成果地点を種類別に紹介YouTube広告は、フォーマットによって費用が発生する課金システムが異なります。種類別の料金相場と課金が発生する条件は次のとおりです。広告フォーマット料金相場成果地点TrueViewインストリーム広告・2~25円(スキップ可能)・400円~600円/1,000回(スキップ不可)・30秒以上視聴されたとき(スキップ可能)・広告リンクがクリックされたとき(スキップ可能)・1,000回表示されるごと(スキップ不可)インフィード動画広告2~6円1クリックごと(CPC課金方式)バンパー広告10~500円表示回数が1,000回に達した時点(CPM課金方式)アウトストリーム広告10~500円表示回数が1,000回に達した時点(CPM課金方式)マストヘッド広告~数百万円日別単価もしくは1,000回再生ごと(日別単価制 / CPM課金方式)TrueViewインストリーム広告出典:動画広告フォーマットの概要 - Google 広告 ヘルプTrueViewインストリーム広告は、動画本編の前後や途中で再生される広告のことです。動画枠内で配信されるため、多くのユーザーに対して認知向上が期待できます。料金相場と成果地点は、以下のとおりです。料金相場:3~20円成果地点: 30秒以上の試聴もしくは動画クリック(CPV課金方式)広告の再生から5秒経つとユーザーが任意でスキップできるようになっており、30秒以上の視聴やクリックがなければ課金されません。費用を抑えつつ幅広いターゲットにリーチしたい場合におすすめです。ただし、TrueViewインストリーム広告にはユーザーがスキップできない15秒以下の動画広告のタイプもあります。こちらは、1,000回表示されるごとに課金が発生する「CPM課金方式」になっています。料金相場・2~25円(スキップ可能)・400~600円/1,000回(スキップ不可)成果地点・30秒以上視聴されたとき(スキップ可能)・広告リンクがクリックされたとき(スキップ可能)・1,000回表示されるごと(スキップ不可)動画の尺指定・なし(スキップ可能)・15~30秒(スキップ不可)配信先動画の前後、途中インフィード動画広告出典:動画広告フォーマットの概要 - Google 広告 ヘルプインフィード動画広告(TrueViewディスカバリー広告)は、別名「ディスプレイ広告」とも呼ばれているタイプです。動画枠外の関連動画の枠や検索結果、モバイル版のYouTubeトップページなどに表示される広告で、ユーザーがサムネイルやテキストをクリックしてはじめて動画が再生されます。料金相場と成果地点は、以下のとおりです。料金相場:2~6円成果地点:1クリックごと(CPC課金方式)クリックする層は、ある程度の興味を持っているため、見込み客などの購入につながりやすい傾向にあります。料金相場2~6円成果地点1クリックごと(CPC課金方式)動画の尺指定なし配信先YouTube ホームフィードYouTube 検索バンパー広告出典:動画広告フォーマットの概要 - Google 広告 ヘルプバンパー広告とは、最大6秒までのごく短い広告で、スキップできないのが特徴です。TrueViewインストリーム広告などと同じく、動画の前後や途中で再生されるため、多くのユーザーに視聴してもらえるメリットがあります。料金相場と成果地点は、以下のとおりです。料金相場:10~500円成果地点:表示回数が1,000回に達した時点(CPM課金方式)広告の時間が短いことから、モバイルユーザーにとってもストレスが少なく、企業や商品イメージに悪影響を与える心配がありません。料金相場10~500円成果地点表示回数が1,000回に達した時点(CPM課金方式)動画の尺指定最大6秒配信先動画の前後、途中アウトストリーム広告出典:動画広告フォーマットの概要 - Google 広告 ヘルプアウトストリーム広告は、YouTube上ではなく検索エンジンやSNSなど他のメディアの広告枠で配信される広告のことです。画面に広告が表示されると自動で再生が始まりますが、最初はミュート設定となっており、ユーザーがタップしてはじめて音声が流れる仕組みです。料金相場と成果地点は、以下のとおりです。料金相場:10~500円成果地点:表示回数が1,000回に達した時点(CPM課金方式)成果は「画面に広告の50%以上が表示され、2秒以上再生された」もののみが表示回数にカウントされる条件となっており、効率的に課金されます。YouTubeを利用していない層にもリーチできるメリットがある一方で、対象はスマホやタブレットに限定されます。料金相場10~500円成果地点表示回数が1,000回に達した時点(CPM課金方式)動画の尺指定なし配信先他のメディアの広告枠マストヘッド広告出典:動画広告フォーマットの概要 - Google 広告 ヘルプマストヘッド広告は、ユーザーがYouTubeにアクセスしたときにトップページの上部に表示される広告のことです。最大30秒までの広告が配信でき、動画の再生が終わると表示されるサムネイルを、ユーザーがクリックすれば、再度同じ広告の動画が再生されます。料金相場と成果地点は、以下のとおりです。料金相場:~数百万円成果地点:日別単価もしくは1,000回再生ごと(日別単価制 / CPM課金方式)他の広告フォーマットよりも高額となりやすい性質があるため、企画内容や配信時期、目的をしっかりと煮詰めておく必要があります。最低でも広告出稿の3週間前には、広告枠を事前予約しておかなければならない点も、マストヘッド広告の特徴です。料金相場~数百万円成果地点日別単価もしくは1,000回再生ごと(日別単価制 / CPM課金方式)動画の尺指定なし配信先YouTubeトップページの上部YouTube広告の動画制作にかかる費用感動画制作に必要な制作費の内訳と費用相場は次のとおりです。企画構成・ディレクション:10~40万円台本制作:5~10万円動画撮影:10~30万円動画編集:3~15万円ナレーション入れ:3~10万円さらに、制作する動画の種類により、動画制作全体に必要な費用感も違っています。動画のタイプ別の制作費の相場は次のとおりです。インタビュー動画:5~40万円セミナー動画:15~50万円販促ムービー:30~200万円会社紹介映像:50~200万円インタビュー動画やセミナー動画は、撮影した動画の編集などが主な費用となり、比較的低コストで作成しやすいのが特徴です。多くの撮影が必要になると、制作費用も高額となります。初めてYouTube広告を出稿する企業向けの予算設定のコツYouTube広告の予算の目安は、宣伝する商品やサービスによって異なります。オークション形式のため、競合他社が少ない場合は比較的安めに配信することが可能です。そのため、YouTubeの公式には、1日1,000円のミニマムスタートが推奨と記載されていますが、現実的ではありません。1インプレッション1円の場合、1日で1,000インプレッションしか獲得できず、広告効果の測定が難しくなります。正確な費用対効果や成果を測定するには、少なくとも10万インプレッションが必要です。広告費は1広告費は10万円が最低金額くらいと考えておきましょう。自社でYouTube広告の費用対効果を高める手順YouTube広告の費用対効果を高めるには、広告のフォーマット選びや入念な事前準備が重要なポイントです。あらかじめ予算を設定できるものや、成果やジャンル、タイミングによって費用が大幅に変わるものなど、フォーマットによって費用が大きく変わります。そのため、YouTube広告は次の手順にしたがって進めていきましょう。明確な広告のゴールを設定するその目的に合わせた配信設計をするターゲットとするユーザーを明確にする分析ツールで解析を行い改善する明確な広告のゴールを設定する広告のフォーマット選びや企画立案、どちらにも明確なゴール設定が欠かせません。たとえば認知度向上が目的なのか、具体的なコンバージョンを狙いたいのかで、最適なフォーマットも広告の内容も大きく異なります。何のために広告配信をするのか、最終的に広告を視聴したユーザーにどんなアクションをとってほしいのか、事前に明確なゴールを設定しておきましょう。その目的に合わせた配信設計をする目的が明確になったら、次は効率的にゴールを達成できる広告フォーマットや企画は何か、配信設計を行いましょう。配信設計とは広告配信をするメディアや配信方法を選ぶことで、数あるYouTube広告の中から適切なものを見つけられるかどうかが成果を左右します。ターゲットとするユーザーを明確にする費用をかけず効率的に広告配信するためには、まず最適なフォーマットを選ぶことが重要です。広告のフォーマットを選ぶときの指標となるのが、「誰をターゲットとするか」という具体的なユーザー層の設定です。最初に広告配信でターゲットとするユーザーはどんな層か、ペルソナも作成して明確にしておきましょう。分析ツールで解析を行い、改善するYouTube広告は一度配信すれば終わりではなく、分析を行って改善していくことが重要です。YouTube広告の効果を分析するときは、分析ツールによる解析を活用しましょう。たとえばYouTubeチャンネルをGoogle広告アカウントにリンクしておくと、獲得アクション数や動画再生の長さなどこまかな解析が行えるようになります。YouTube Studioの「YouTubeアナリティクス」も、無料で視聴回数やリーチ、エンゲージメントなどを解析できます。PDCAサイクルを確立し、動画広告の質を向上させていこう。YouTube広告の費用を有効活用するならプロに任せるのがおすすめ費用対効果の高い広告を社内で制作するには、YouTube広告に知見のあるスタッフが必要です。そのため、効率よく成果を上げたいなら、プロの専門業者に任せるのがおすすめです。YouTube広告のプロは、専門知識と経験を活かして、広告主の目的や予算に合わせた最適な戦略を立ててくれます。的確なターゲティングと配信設定を行い、無駄な広告表示を減らし、費用対効果を高めます。また、質の高い動画広告の制作や継続的な分析と改善により、広告の効果を最大化が可能です。プロに任せることで、社内のリソースを他のタスクに充てられるところもメリットです。Start-Xでは、YouTubeを活用したマーケティングを支援しています。予算の設定から制作、運用代行まで、YouTubeを効果的に活用するため総合的なサポート体制を整えています。>>Start-Xへ無料で相談するYouTube広告の費用対効果を確かめるための指標YouTube広告でどれくらい効果が出たのかを確認するためには、KPI(重要業績指標)と呼ばれる目標値を設定します。YouTube広告でよく利用するおもな指標は次の7つです。表示回数と視聴回数視聴率と完全視聴率平均広告視聴単価平均総再生時間ユニークユーザー数クリック数とクリック率エンゲージメントとエンゲージメント率KPIは広告を出稿する目的により異なります。そのため、まずは広告の目的を明確にすることが大切です。YouTube広告の目的は「認知拡大」「検討」「行動促進」の3つに大きく分けられます。目的別に見るべき指標の例は次のとおりです。目的内容指標認知拡大商品やブランドの認知度を高める表示回数と視聴回数検討商品やサービスを検討してもらう視聴率と完全視聴率平均総再生時間行動促進購入や問合せをしてもらうクリック数とクリック率エンゲージメントとエンゲージメント率YouTube広告の効果測定に重要な指標を詳しく見るYouTube広告の費用を最大限生かすならStart-Xへご相談くださいYouTube広告には様々な種類があり、それぞれ課金条件やタイミングが異なります。そのため、目的に合った広告を選び、費用対効果が最大限に発揮される条件で配信することが重要です。自社に適切なYouTube広告を選んで、広告の成果を高めたいなら、専門家への相談がおすすめです。YouTube広告のプロなら、広告の目的と予算に合ったフォーマットの選定から、配信後の分析などを通じて、自社では気づかない改善点を提案してくれます。弊社Start-Xでは、YouTubeを活用したマーケティングのご支援をしており、YouTubeチャンネル運用やYouTuberキャスティング・YoTube広告運用代行等、企業がYouTubeを活用するための総合的な支援体制がございます。YouTubeマーケティングを実施したいすでにYouTubeを活用しているけどうまくいかずに困っている上記のようなお悩みを抱える企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、YouTube活用に参考になるお役立ち資料も無料で公開しています。>>Start-Xへ無料で相談する