BtoBマーケ施策に多くの予算を投下しているが、効果が出ないこれから本格的にマーケティングに取り組みたいが、何をすれば良いか分からない施策をどのように評価すれば良いか分からない弊社では、このような悩みを抱えた多くのBtoBマーケティングに悩む企業の支援をしてきました。これらの企業に共通するのが、BtoBマーケティングの基本的な戦略を立てることなく、Web広告やオウンドメディアなど施策ベースで進めてしまっていることです。BtoBマーケティングでは、比較検討の期間が長く、3ヶ月から長い時には1年以上に及びます。そのため、感情ではなくロジックをもとに、見込み顧客に適切なアプローチを展開していくことが求められます。本記事では、BtoBマーケティングとは何か?といった基本的な性質から、リレーションフロー、成功事例、そして戦略の正しい立て方について解説します。BtoBマーケティングとは?BtoBマーケティングとは、「Business to Business」を略した言葉で、法人向けのビジネスモデルのことを指します。一方で、個人の消費者向けのマーケティングのことをBtoCマーケティングと言います。後ほど詳しく解説しますが、BtoBマーケティングは、対法人向けのビジネスのため、一般的にの単価は数十万円〜数億円にのぼります。そのため、単発のコミュニケーションではなく、顧客のことを深く理解した上で、最終的に受注に至るまで長期的な施策を展開していくことが求められます。BtoBとBtoCマーケティングの違い同じ企業のマーケティング活動でも、BtoBとBtoCではアプローチの仕方やそもそもの考え方が異なります。例えば、個人であれば、デパートやスーパーに行った時に、またECサイトに訪れた際に「たまたま目にした商品が気になって購入してしまった」という経験がある方がほとんどだと思います。このようにBtoCマーケティングでは、『衝動買い』や『ついで買い』といった非計画購買を促すことができるのが特徴ですが、BtoBマーケティングでは、会議や稟議を重ねた上で計画的に購買活動が行われます。現場の担当者が商材の広告やWebサイトを見て、興味や関心を抱いたとしても、部長や社長など複数人の意思決定者の承諾を得るまでは受注につながることはありません。そのため、検討期間は長くなり、顧客の一時的な感情ではなく、自社の商材を導入してもらうことがいかに企業の課題解決に繋がるのかを論理的に伝えるマーケティングが必要となってきます。比較BtoBマーケティングBtoCマーケティング対象企業個人購入単価高い(数十万〜数億円)低い(数百円〜数十万円)意思決定者多い少ない(基本的に一人)検討期間長い短い購入目的所有・経験課題解決BtoBマーケティングの流れ|顧客の獲得から育成〜受注までのリレーションのフローBtoBのマーケティングは、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)リードナーチャリング(見込み顧客の育成)リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)商談〜受注の4つのプロセスに分けて考えることができます。これら顧客の認知を獲得し、最終的に受注に至るまでのBtoBマーケティング一連のフローを「リレーション」と言います。BtoBマーケティングを実施する際には、このリレーションを意識して、フェーズごとに打つべき施策を変えていきます。リードジェネレーションリードジェネレーションとは、「見込み顧客の獲得」を意味する言葉です。リードを獲得するといった言葉がよく使われます。Web広告やオウンドメディア・展示会の問い合わせフォームや資料請求を通して、見込み顧客の氏名や年齢・会社・役職といった情報を入手します。リードナーチャリングリードナーチャリングとは、「見込み顧客の育成」を意味する言葉です。例えば、自社サービスの広告に興味を持ち、資料請求を行ったユーザー(見込み顧客)がいるとします。これらのユーザーは、サービスに興味や関心を一定のレベルで持っているものの、最終的に受注につながるかは分かりません。そのため、ユーザーの検討度合いに応じて、適切な施策を講じることによって、徐々に興味や関心の度合いを高めていきます。このフェーズや施策のことをリードナーチャリングと呼びます。特にBtoBのマーケティングは、比較検討の時間が長いため、単発的なアプローチでは顧客につなげることが難しいという側面があります。メルマガやwebコンテンツ・イベント・架電など、あらゆる方法で長期的なコミュニケーションを築いていくことが大切です。リードクオリフィケーションリードクオリフィケーションとは、「見込み顧客の選別(抽出)」を意味する言葉です。このフェーズでは、ナーチャリング施策を通して、受注確度の高まったリードを選別し、営業にトスアップします。この受注確度の極めて高いリードのことを「ホットリード」と呼びます。ホットリードは、一般的にスコアリングと呼ばれる方法で抽出がされます。例えば、メルマガを毎日開封している、イベントに足を運んでくれた、電話で30分話をしたといったリードの行動に点数を付け、一定の点数を超えたユーザーを見つけ出します。商談・受注ホットリードに対して、営業の担当者が商談を行います。この際には、リードジェネレーションからリードクオリフィケーションまでのプロセスで、見込み顧客とどのようなやり取りがなされたのかをマーケティングチームとあらかじめ共有しておくことが大切です。BtoBマーケティングの戦略の立て方ここからは実際にBtoBマーケティングの戦略の立て方について、ステップごとに解説します。STEP1:課題の把握と深掘りまずは、自社の事業成長を阻害している課題について把握していきます。例えば、売上が思ったように上がらないといった課題を抱えている場合、売上が上がらない要因について深掘りをしていきます。例えば、以下のようなことが考えられます。新規顧客の獲得数が減っている既存顧客の解約が増えている顧客の平均単価が下がっている顧客の平均契約期間が短くなっている商談数が少ない / 失注率が高いCPAが高騰している などBtoBマーケティングと言っても戦略や施策の幅は広く、新規顧客にアプローチするのか・既存顧客にアプローチするのかによっても、実行すべきことは大きく異なります。STEP2:マーケティング目的の明確化課題を浮き彫りにすることができたら、マーケティングの目的を明確にします。よく「施策の効果が出ているのかが分からない」といった声を耳にしますが、その原因は目的が定まっていないことが原因であることが多々あります。マーケティングである以上、予算を必要としますし、担当する人員のリソースがかかります。これらの投資を上回るリターンを得るためにも、「何のためにその施策を実施するのか」といった目的が大事になります。STEP3:徹底した顧客理解Web広告であれ、オウンドメディアであれ、BtoBマーケティングの施策は顧客とのコミュニケーションに過ぎません。顧客が悩んでいることや課題に思っていることを把握できなければ、誤った訴求で広告やWebコンテンツを配信することにつながります。過去の受注や失注した原因を分析する、実際の顧客にインタビューをする、商談に同席するといったことを通して、顧客が何を考え、サービスに何を求めているのかを知ることが大切です。STEP4:KPIの設定と実施施策の立案BtoBマーケティングは、施策を実行する前に必ずKPIを設定しましょう。例えば、新規顧客を獲得するためのマーケティングなのであれば、月に50件のリード獲得といった具体的な目標数値を定めましょう。また、月50件のリードを獲得するためには、(Web広告を実施するのでであれば)何件のインプレッションが必要なのか、どれくらいのクリック率やコンバージョン率が必要なのかを決めていきます。STEP5:施策の実行と評価体制の構築課題解決に最も適した施策を実行します。最近では、BtoBマーケティングも多くの施策があり、施策にも流行りがあります。しかし、流行りに流されずに顧客がどのようなチャネルを活用しているのか、どこで接点を持つのが効果的なのかを考え、実行施策を決めましょう。またSTEP4で定めたKPIを元に、施策がうまくいっているのかを定期的にモニタリングします。BtoBコンテンツマーケティングは、最初から全てがうまくいくことは多くありません。設定したKPIのどの指標が達成できていないのかを見極めて、PDCAサイクルを回し続けます。BtoBマーケティングの成功事例ここからは、BtoBの代表的な成功事例について2つ紹介します。ナレッジ記事と企画記事を戦略的に作り分けし、さまざまな層にアプローチ|システム開発・WEB制作出典:Blog Top | 株式会社LIG(リグ)|DX支援・システム開発・Web制作メディア名LIGブログ運営会社株式会社LIG目的新規リード獲得と認知度拡大戦略SEOやSNS・直接的な指名検索と、コンテンツによって想定される流入経路をしっかりと棲み分け、目的に応じたコンテンツ制作を実施株式会社LIG(リグ)は、Webサイトの制作事業やシステム・アプリ開発、マーケティング支援などを手掛けるIT企業です。そんなLIGが2006年から運用するオウンドメディアがLIGブログです。オウンドメディアとしては、運用の開始が比較的早く、成功事例として業界では認知度の高いサイトとなっています。当メディアは、自社の社員や専属のライターが、Webマーケティングや開発事業にまつわるさまざまなナレッジや知見を発信するとともに、くすりと笑ってしまうような「企画記事」を公開しているのが特徴です。ナレッジや知見に関する記事では、SEO対策がなされており、課題や悩みが顕在化しているユーザーに対して的確にアンサーを提供しています。また企画記事では、SNSでのバズや拡散を狙った記事が多く、これまでLIGを知らなかったユーザー層へアプローチできる設計となっています。LIGブログでは、月間300件のお問合せを獲得。自社の新規リードの約80%がLIGブログ経由となっており、新規リード獲得を目的としたコンテンツマーケティングの成功事例と言えるでしょう。SEOでCVRと受注数の大幅アップを実現|サービス業出典:株式会社メンタルヘルステクノロジーズメディア名産業医クラウド運営会社株式会社メンタルヘルステクノロジー目的ホットリードの獲得戦略実際の顧客へのインタビューを通して、顧客理解を促進。ニーズにあったコンテンツ制作により、受注確度の高いホットリード獲得を目指す。「企業をもっと健康に」をモットーに従業員のメンタルヘルスケアに関するさまざまなソリューションを展開する株式会社メンタルヘルステクノロジー。従来からリード獲得を目的としたWeb広告やウェビナー・SEOなどのデジタルマーケティング施策を実施していたものの、コロナ禍によるビジネス環境の変化により、これまでのリード獲得施策に課題を感じるようになりました。特に、リード獲得の柱であったWeb広告では、クリック単価が以前の10倍まで跳ね上がり費用対効果が悪化したため、別のチャネルでの戦略や施策強化が急務となりました。そこで、SEO施策の強化を決定。施策の目的をただリードを獲得するだけでなく、受注確度の高い「ホットリード」の獲得に設定し、まずは顧客の声を聞くために対面でのインタビューである「デプスインタビュー」によって、ニーズの把握に努めました。自社のオウンドメディアで、顧客ニーズに沿ったコラム形式のコンテンツを制作することで、上位表示に成功。ホットリードの獲得とCVRの改善に大きく寄与しました。参考:株式会社メンタルヘルステクノロジーズ | 事例 | 才流BtoBマーケティングのリレーションを理解し、適切なアプローチを続けよう本記事では、BtoBマーケティングの基礎知識について解説しました。BtoBマーケティングは徹底した顧客理解をもとに長期的なコミュニケーションをとり続けることが大切です。フェーズごとに顧客が何を考えているのか・契約に関して何をネックに感じているのかを見極めて、適切なアプローチを実施します。弊社では、BtoBマーケティングの企画や戦略設計・実際の運用のご支援も行っています。無料のオンライン相談を実施していますので、BtoBマーケティングに課題を抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。