動画の見せ方について、制作上のポイントを挙げて解説します。動画は見せ方一つで、多くのユーザーを惹きつけることができます。一見難しそうですが、一つ一つポイントを押さえながら作っていくと、動画制作のコツを身につけることができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。動画の見せ方が重要な理由とは?動画配信サイトやSNSなどをはじめ、企業広告サイトから一般WEBサイトまで、今や動画はWEBコンテンツの主流をいくメインコンテンツとなっています。しかし、静止画が動いているだけのようなものからハイグレードなクオリティのものまで玉石混交です。重要なのはユーザーの心に刺さるかどうかであるため、動画の見せ方にかかっている部分も大きいでしょう。動画と写真の違い動画と写真は、まずその情報量の多さに決定的な違いがあり、また制作側の意図を鮮明にするための効果的な見せ方にも大きな違いがあります。動画において見る者への訴求内容は「動く」ということが大きな利点であり、動いていなければわからないことへの訴求力が写真とは全く違う地平にあるのです。まさに「動(く)画(え)」の特性が活かされないことには、動画は成立しません。見せ方が上手い動画とは?落語では初めの掴みで、客の気持ちを話しに引き込めるかどうかが決まると言われているように、動画においてもユーザーをいち早く動画の世界へと誘えるかが勝負です。それは動画全体の構成を練る時に、すでに出来上がっているのが理想です。結論がありきたりであっても、その段階まで見る者を引っ張ることが動画の大きな目的なので、思わず見入ってしまうような見せ方が上手い動画には必要です。動画の見せ方を考えるときのポイント12個動画の見せ方にはたくさんのポイントがあります。見せるためには、見たいという感情と印象を与えなければなりませんが、そういう気持ちを誘うための画面作りが必要です。そのためのポイントは、ユーザーへのコミュニケーションをいかにスムーズにするのか、こちらの意図をどうやったら正確にちゃんと伝えられるのか、といったコミュニケーションに関わるものと変わりありません。動画の見せ方ポイント1:何を伝えるのか動画を作ろうとしたとき、まず何を伝えようとしているのかが自分の中ではっきりとしていなければなりません。何故なら、それがはっきりと決まっていなければ、動画の見せ方が決まらず、何を撮ればいいのかも分からないからです。これは人とコミュニケーションをとろうとしたときに言葉が出てこないのと同じです。伝えるべき内容で動画の見せ方も決まってくると言えます。動画の見せ方ポイント2:ターゲットは誰か次に誰に向けて動画を作るのか、どのようなユーザーに動画を見てもらいたいのかを決めることが重要です。いわゆるマーケティングでのターゲット設定と同じで、ターゲティングが動画でも大切だということです。例えば、化粧品だと男性用か女性用か、年齢はどういった年代に訴求するのか、肌か髪かといった訴求対象によって内容が違ってきて、見せ方が変わってきます。動画の見せ方ポイント3:ターゲットにどうなって欲しいのか動画の意図は見てくれたユーザーに動画が提示する結論へとアクションを起こしてもらうことですが、これがはっきりと映像として表現されていなければなりません。化粧品に関する動画なら、それを使ってほしい、そのために購入してほしいということが結論でしょう。そこへ引っ張るのが動画の仕事になり、見せ方が決まります。動画全編を通じて、その結論へと至る構成が必要なのです。動画の見せ方ポイント4:ストーリーを考える動画は静止画の羅列ではなく、また映像の流しであってもいけません。始まりから終わりまで一貫した軸に沿って、ストーリー性があることが動画の見せ方として望ましいです。ストーリー(起承転結)は、どのような長大な小説にも当てはまることで、動画制作においても例外ではありません。また見る者にとっても、動画を理解するのに非常に重要なファクターとなっています。動画の見せ方ポイント5:動画にする意味動画といっても画が動いていなければならないということではなく、一つ一つのカットの在り方に意味のある見せ方であればよいのです。しっかりと意味を持たせたカットづくり、場面づくりが動画をユーザーに「見させる」動機に繋がります。緩急のある場面構成や動きのスピードが違う映像、あるいは完全な静止画も効果のある、意味のあるカットになるのです。動画の見せ方ポイント6:アングルアングルとは視点を意味し、どの位置からどの方向を向いて被写体を撮っているのか、という見せ方の一つです。対象となる被写体が余分な映り込みで邪魔されないことが大切です。余計な映り込みがあればユーザーの眼と注意力が削がれてしまい、肝心の被写体に注がれなくなります。ユーザーの眼がしっかり目的の被写体に注がれるためには、アングルに注意が必要です。動画の見せ方ポイント7:動画の長さ動画は内容に見合った適度な長さ、また配信する場所に合った長さを考慮しなければなりません。長すぎれば飽きられて途中離脱してしまい、短すぎれば内容をしっかり理解されない可能性があります。動画の見せ方ポイント8:BGM動画におけるBGM・音楽の効果は、その内容にピッタリであれば絶大な効果を生み、外していればユーザーに違和感を覚えさせます。BGMによる緊張と弛緩の効果的な使い方は内容を邪魔しないことが基本となりますが、BGM無しも一つのやり方です。また、BGMをつける場合は著作権の問題があるので、注意が必要です。動画の見せ方ポイント9:テロップテロップとは字幕のことで、機械的に画面に入れ込む文字情報のことを指します。情報量で言えば、動画の方が文字情報よりも上回っているのは当然ですが、過ぎ去っていく映像や音声は不鮮明な場合があるので、それを補うのにテロップは適しています。テロップは編集ソフトで画面上に割り当てることができ、映像を邪魔しないように、または強調したりすることが可能です。動画の見せ方ポイント10:画面切り替え画面やカットはずっと同じでは飽きてしまい、目まぐるしく変わるような見せ方では、気分が悪くなり、ついていけなくなります。例えば、文章を書く時の段落のように被写体をいろんなアングルから撮ったものを編集し、一貫したナレーションをつけるといったようにカット割りすると良いでしょう。動画の見せ方ポイント11:画面効果画面を効果的に加工する技術にエフェクトやレターボックスというのがあります。エフェクトとは画面に効果的な変調効果を施すことで、レターボックスはテレビでの映画放送で見かけるような上下の黒い帯のことです。画面規格が合わず、そのままでは画面の端が切れるときに使います。他にも人物をハート形に囲むなど、いろいろな見せ方を編集で行うことができます。動画の見せ方ポイント12:視聴者の視点で内容を確認ユーザーの動画視聴に用いるデバイスは様々であり、視聴タイミングも24時間のいずれにも可能性がある状況になっているので、ユーザーの視聴環境を考慮した動画制作が望ましいです。例えば、画面サイズはネックにもなる条件なので、ユーザーがどのデバイスで視聴するのか想定すること、視聴環境のターゲティングが制作上の大きなファクターになるでしょう。効果的な見せ方をするために動画撮影で必要な機材3つ動画撮影に必要な機材はスマホ一つでも可能ですが、できることに限界があるので将来の可能性を見据えて、ある程度のレベルの機材を揃えることをおすすめします。最低限必要な機材は、カメラ・マイク・PCで行う編集ソフトの3つでしょう。本格的なものは値段に際限がないので、妥当なものを選びましょう。また、使い方は専門雑誌やサイト、または動画配信サイトなどでも調べることができます。効果的な見せ方のための動画機材1:カメラ動画撮影は昔と違い、どのカメラでも可能になってきているため、撮りたい対象と撮影環境によって選ぶことができます。長時間であればビデオカメラ、高画質でレンズ交換したければ一眼レフカメラ、手軽さであればコンパクトカメラ、アウトドアだったらアクションカメラ、スマホでも撮影可能です。機材を複数持って、撮影対象と使用環境によって使い分けてもいいでしょう。レンズカメラレンズは標準・広角・望遠の3種類が基本です。それぞれズーム可能な商品があったり、単焦点レンズ・マクロレンズ・魚眼レンズなどの特殊用途のレンズがあったりします。広角レンズは自然や街頭景色などを広く撮れ、望遠レンズは遠景での被写体を大きく捉えることができ、単焦点レンズは被写体をはっきりさせて背景をぼかす効果が得られます。用途や狙う効果によって選ぶことができるでしょう。三脚カメラ撮影では「手ブレ」を起こす可能性があり、一般的には軽いものほど可能性が大きくなります。シャッターを押す動作が手ブレを生むのですが、動画撮影ではシャッターは無いものの静止し続けていると疲れてきてカメラが揺れてくるでしょう。これを防ぐカメラアイテムが三脚です。3点支持が安定するのですが、山岳地帯や石などのガレ場では一本脚の一脚が活躍します。効果的な見せ方のための動画機材2:マイクマイクは、電源のいらないダイナミックマイクと電源の必要なコンデンサーマイクの2種類に大別できます。屋外での撮影録音では、防風などの雑音に強くタフな造りのダイナミックマイク、屋内撮影での静かな場所ではコンデンサーマイクがおすすめですが、後者は感度が高くて値段も高く扱いには注意が必要です。ダイナミックマイクは屋内でも使えるので、これ一本あれば大抵大丈夫でしょう。効果的な見せ方のための動画機材3:動画編集ソフト動画編集ソフトには大きく分けて無料版・有料版があり、無料版はWEBサイトなどでダウンロードできます。編集ソフトの操作はなかなか難しいとの評判もあるので、いきなり有料版はハードルが高いと考えられます。そのため、初心者は無料版で試してソフトの操作に慣れると良いでしょう。また、SNS用、動画サイト用など、目的別に構成されたものがあるので、自分の目的にあわせて活用すると良いでしょう。動画編集ソフトの選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。▶︎参考記事:おすすめの動画制作ソフト15選を紹介|選び方3つもあわせて解説!効果的な動画の見せ方を知ろうせっかく作る動画なので多くの人たちに見てもらいたいし、一定の評価が得られれば尚いいので、基本を押さえながら目的に合った見せ方で制作しましょう。技術がなくても、人の心を掴む動画を作ることは可能です。技術は後からついてくるものなので心配はいらないでしょう。効果的な動画の見せ方を研究して、楽しい動画制作をしましょう。