地域ブランディングは全国で行われていますが、具体的に知っている方は少ないのではないでしょうか。この記事では、地域ブランディングの概要から、成功のためのポイントまで紹介します。地域ブランディングを事業に活かしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。地域ブランディングとは?地域ブランディングとは、その地域の魅力や価値を発信し、その地域の認知度を上げていくことを指します。地域ブランディングの対象となるものとしては、名産品や文化財のような「物」ばかりではなく、文化やイベントなどの「体験」も含まれます。例えば、その地域の自然や歴史、食文化を体験することなどを、地域ブランディングに取り上げている地域も多いでしょう。なぜ地域ブランディングが必要なのか地域ブランディングが必要な理由は、人やお金などが東京に集中していることで、人やお金が離れていっていることが挙げられます。東京には大学や企業が集まっているため、地方から進学や就職のために若者が集まります。それにより、地域の人口が減少していると言えます。このような状況を打破するためには、地域ブランディングのようにしっかりと戦略を立てて、活動していく必要があります。地域ブランディングは実は難しい?地域ブランディングには、自治体、企業、住民団体などたくさんの組織が関わるため、難しいと言えるでしょう。また、それぞれの組織には、地域ブランディングで達成したいそれぞれの目的があります。そのため、地域としての目的はどうするのか、組織同士で話し合い、決めていかなければいけないという課題があります。プレイス・ブランディングとは?地域ブランディングを行っていく上で知っておきたい考え方の1つに、プレイス・ブランディングがあります。これは、都道府県や市町村のような単位に縛られずに場所を設定し、その場所をブランディングしていくという考え方です。その場所に何か意味付けがされることをきっかけに、いろいろな人や組織が集まってきて関わっていきます。そして、その関わりの中で、またその場所に新たな意味付けがされていきます。このような流れを繰り返していき、その場所はどんどん魅力的になっていき、ブランドとして価値が高まっていきます。地域ブランディングを成功させるポイント6つ地域ブランディングを成功させるには、行き当たりばったりの計画ではなく、戦略を立てて進める必要があります。ここからは、実際にどうすれば地域ブランディングを成功させることができるのか、そのためのポイントを6つ紹介していきます。1:市場や住民の声に耳を傾けるまず、市場や住民の声に耳を傾けることが大切です。市場の消費者が求めていないことをしても結果は出ません。何をやりたいかよりも、何が市場で求められているのかを分析して、それを基に行動していきましょう。また、その地域の住民もブランドのイメージの1つとして重視します。2:ブランドカラーを決める地域をブランディングしていく際は、ブランドカラーを決めましょう。なぜなら、カラーが人に与える効果はとても大きいからです。例えば、赤色は情熱的なイメージを与え、青色は落ち着いたイメージを与える効果があると言われています。つまり、ブランドカラーによって、地域ブランドに対するイメージも変わるということです。地域外の人に与えたいイメージに合ったブランドカラーを選びましょう。ブランドカラーを上手く活かせば、地域ブランドをより一層覚えてもらえる効果も期待できるので、しっかりと決めていきましょう。3:他地域にはない独自性を明確にする他地域にはない独自性を明確にすることも必要です。独自性というのは、重要文化財や日本百景のようなものに限りません。どこの地域にも、文化や自然、そこに住む人など、魅力的なものがあります。それらは、1つの視点からでは見つけることは難しいですが、色々な人の様々な視点からその地域を見ることで、地域の独自性は見えてきます。また、地域の特徴を書き出して見える形にしてみると、より見えてくることがあるでしょう。4:トレンドを意識する地域ブランディングにもトレンドが存在します。「体験」がトレンドの場合は、物を買うのではなく、その地域に訪れることでしか体験できないことのために、地域を訪れる人が増えています。地域ブランディングを行う際は、トレンドであるものを意識して盛り込むようにしていくと、より注目されていくでしょう。5:3Rを意識する地域ブランディングを進めていくために、3Rへの意識を高めましょう。3Rとは、Relationship、Relevance、Reputationの頭文字を取った言葉で、ブランドを構築するときに意識すべき考え方です。地域ブランディングの構築のためには、行政と住民と地域ブランディングのターゲットの3者の関係が、3Rになっている必要があります。ブランド構築の3Rについてブランド構築の3Rでは、まず行政と住民でブランドのイメージが共有できている状態であることです。また、行政と住民が協力してブランドの情報を発信していく必要もあります。これらによって地域ブランディングのターゲットに、ブランドのイメージが認知されて共感されている状態になるでしょう。これが、地域ブランディングにおいて目指すべき3Rの関係と言えます。6:シンボル化できるものをみつけるシンボル化できるものを見つけることも、地域ブランディングの1つの方法です。シンボル化したものがあれば、それをきっかけにその地域のいろいろなものに興味を持ってもらえます。しかし、地域にシンボル化するものがないこともあります。そのような場合は、シンボルを作ることも1つの手です。シンボル作りのコンサルティングやセミナーも行われているので、そのようなものを利用するのも良いでしょう。シンボル化したものを上手く活用して、地域の魅力を伝えていきましょう。地域ブランディング成功事例3つここからは、地域ブランディングに成功している事例を3つご紹介します。地域ブランディングを行っているところは多いですが、成功しているところは少ないのが現状です。これらを参考にしていただき、ぜひ成功のヒントにしてみてください。1:熊本県の「くまモン」まずご紹介するのは、熊本県の人気キャラクターであるくまモンです。くまモンは、色を3色しか使っておらず輪郭線もありません。このようなシンプルなデザインのため、どんなパッケージや広告にも違和感なく採用できます。また、動きやすい着ぐるみを使用しているため、イベントでもダンスができ、お客様にさまざまな動きでアピールができます。このような動きのおかげで見ている人が楽しめることから、イベントに呼ばれる機会も増えていき、知名度が上がったと言えるでしょう。2:直島の「島×生活×アート」直島は、「島×生活×アート」というテーマで、地域ブランディングに成功している地域です。直島は瀬戸内海にある離島で、島全体にある現代アートが有名です。また、生活とアートが密接に関わっていることも特徴で、古い民家を改装して、家の空間自体をアートにする「家プロジェクト」というものも行っています。アート以外でも、直島は地域ブランディングの成功を収めている背景には、島民が観光客に対して暖かく接していることが挙げられます。このように魅力的なモノが多い直島には、国内だけでなく海外からも観光客が多く訪れています。3:長崎県「変なホテル」長崎県のハウステンボスにある「変なホテル」です。このホテルでは、チェックインなどのサービスをロボットが行っています。また、部屋には自動でクリーニングしてくれるマシーンや、さまざまな色に光るライトが設置されているなど、ハイテクノロジーを体験することができます。このホテルが成功した理由は、何といってもロボットが接客するというどこにもないサービスを提供したからです。唯一無二の変わった体験ができることが魅力となり、シンボル化することで、興味を持ってもらえるようになったと言えるでしょう。地域ブランディングを成功させるには?地域ブランディングは、行政だけの力では成功が難しいです。行政とその地域の住民が協力し、意見を共有し、一緒に考えていくことが重要です。地域ブランディングの対象となる、地域外の人々との関係も大切ですが、まずは地域内の住民との関係も大切にしていきましょう。地域ブランディングを活かしましょう地域ブランディングは決して簡単ではありません。しかし、成功すれば、地域の人口問題や経済問題などの解決につながります。今回ご紹介した成功のポイントを参考に、地域ブランディングを活用してみてください。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。