YouTube動画を作るとき、みなさんはしっかりとした企画書をつくっていますでしょうか。企画書というと「難しそうだし、まとめるのが正直面倒・・・」と思われるかもしれませんし、「絵コンテを毎回作っているから大丈夫」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、動画の企画書は動画作りの設計書といっても過言ではありません。企画を考える上では、商品・サービスへの理解や市場環境の把握、そして何より見てもらえる動画作りのポイントを探ることが大切です。そしてそれを落とし込んだものが、動画の企画書なのです。今回は、YouTube動画の企画書を作る上で、重要な考え方と作り方を解説します。最後にお役立ち資料もご紹介してますので、ぜひ参考にしてください。YouTube動画の企画書を作る際に重要な考え方とはそもそも、YouTube動画を作るのに、なぜその前にわざわざ企画書を作らなければならないのでしょうか?それは、伝えたいことがきちんと伝わるYouTube動画を作るためです。ただ漠然と撮影や編集を行うのではなく、目的を持ち、目的を達成するために必要な情報を伝わるように整理するために、事前に企画書を作成します。YouTube動画の企画書を作るときは、2つのポイントを意識することが重要です。誰の何を解決するための動画なのかをはっきりさせる企画のネタは日常生活でも探し続ける以下では、各々のポイントについて説明します。誰の何を解決するための動画なのかをはっきりさせるまず、動画を作る目的を明確に規定する必要があります。目的がはっきりしないまま動画を制作しても、見た人に何も伝わらない動画になってしまうからです。動画を作る目的を考えるポイントは、2つあります。動画や取り上げる商品・サービスで、誰の何を解決したいのかを考える次に、動画を作る目的を具体的に規定する。たとえば、新商品のシャンプーを売り出すためのYouTube動画を企画するとき、単純に「シャンプーの動画を作りたい」だけでは魅力的な内容にはなりません。シャンプーの動画制作であれば、その目的はおおよそ以下のようなものとなります。商品選びで悩んでいる人をサポートしたい商品の正しい使い方を紹介したい特定の悩みを持つ人に新しい使い方を紹介したい単純に商品を紹介する、認知力をアップさせることを目的とするだけでも、上記のように更にこまかく目的を分けることができます。目的を考えるもう一つポイントは、動画ひとつにつき、盛り込むテーマはひとつに絞り込むということです。訴求したいポイントを盛り込みすぎた動画や、ひたすら商品情報を訴求だけの動画は広告色が強すぎるため、見ているユーザーは途中で離脱してしまいます。その動画で解決したい課題や訴求したいターゲットが複数ある場合は、課題やターゲット事に別のYouTube動画を作成すると、きちんとそれが伝わる動画になります。なお、企画書は、動画制作の決定権を持つ上司やクライアントへの説明用資料です。企画書を作る際は、「なぜYouTube動画でなくてはならないのか」という理由付けも必要です。企画のネタは日常生活でも探し続ける動画制作の目的が明確化した後は、企画を作っていくことになりますが、この段階でどんなネタで動画を作っていくか悩む人も多いのではないでしょうか。新しくYouTube動画を作るときの、企画のネタは、似たようなテーマの動画を参考にして考えるのがポイントです。同じような目的で制作された動画を数本見ると、企画のバリエーションや伝えるポイントの参考になります。ただし、オリジナリティを出すには他の動画の真似だけではいけません。オリジナリティのある動画を作るには、普段から身近な場所に面白いネタがないか、意識して見るのが良いでしょう。また、商品・サービスの紹介動画を作るには、普段の自分の体験から思い返しテーマを探すと企画のヒントが出てきます。ユーザーの抱える課題は、日常生活の中で生まれるものなので、自身の生活の中で感じた課題は、ユーザー自身も感じている課題であることが多いです。そこから企画につなげていくと、オリジナリティのある企画になるでしょう。更にクオリティ面も重視するのであれば、動画マーケティングに詳しい専門家やメディアの情報を参考にすると良いです。YouTubeのネタ探しについてお困りの方は、こちらの記事もご覧ください。▶︎参考記事:YouTubeネタはこう決める!企画の考え方と外せない点 をプロが解説▶︎参考記事:YouTube動画のネタの探し方6選|ネタ切れの原因や注意点も解説!YouTube動画の企画書の作り方YouTube動画の企画書の作り方について、ポイントが4つあります。動画のゴールとターゲットを決める動画の長さや表現方法を決める競合になりうる参考動画を探す競合の動画との差別化ポイントを決めるまた、YouTube動画の企画書に、決まった形式はありませんが、企画書に盛り込んでおくと良い項目が以下10個です。動画の概要目的や目標ターゲットメッセージ・キャッチコピー予算動画の長さ動画の種類(実写・3D・アニメなど)公開予定日配信媒体参考資料(動画など)さらに企画が進んだ段階で、上記に絵コンテやストーリーなどの表現内容が加わってきます。以下では、上記10個の内容を軸にしながら、企画書作成上の4つのポイントを説明します。動画のゴールとターゲットを決めるまず、動画を制作する目的に合致したゴールと訴求ターゲットを決めます。この時、目的が商品・サービスの認知度アップなのか、あるいは、実際の購買や契約へつなげたいのかで、動画の内容は異なってきます。認知度アップの動画であれば、商品・サービスのブランドイメージを伝えるためのストーリーになったり、著名人やインフルエンサーなど知名度のある人を起用した動画となります。購買や契約などを目的にするのであれば、使用者のレビューや使用メリットの訴求、「今購入するとお得」などのセール内容の訴求といった内容となります。これら動画制作の目的にあったゴールを決めるときは、いわゆるKPI(重要業績評価指標)を明確にする必要があります。漠然としたものではなく具体的に数字を含めて、達成目標を決めることがポイントです。たとえば認知度アップ目的の場合は、再生回数や表示回数がそれにあたります。一方、購買・契約を目指す場合は、リンクのクリック数やコンバージョン数となります。次に訴求ターゲットについてですが、こちらも明確に決めておく必要があります。ターゲットを決める時、よくペルソナを作りますが、この時、「20代女性」といったものではなく、職業や年収、性格や今の置かれている状況など、をこまかく設定することがポイントです。たとえば女性向けシャンプーを売るとしても、以下のように女性の髪の悩みや課題はさまざまあります。パサつきが気になるうねり・痛みが気になるボリュームがない白髪が出始めた忙しくてコンディショナーが面倒子供と一緒に安心して使える成分が良い人によって、悩みや課題はさまざまです。自分がこれから作ろうとしている動画で訴求するものは、どのような悩みを持つ人に刺さりやすい商品・サービスなのかは、十分に理解しておく必要があります。その上で、誰に売りたいのか、を設定し、ペルソナの人物に直接プロモーションするつもりで企画を作ることが重要です。ペルソナを徹底的に詰めておくことは、ユーザーにピンポイントで刺さる動画の企画を作ることができ、高い効果を得るためのコツでもあります。動画の長さや表現方法を決める動画の長さや表現方法は、ペルソナや目的に合わせて決めます。特に動画の長さは構成内容にも影響するものです。例えば、ペルソナが「忙しい主婦」に「YouTubeで認知させる」目的で動画を制作する場合を考えてみましょう。忙しい主婦にYouTubeで認知させるには、YouTube広告が適していますが、この場合6秒~15秒の短尺動画が適しています。そうすると、動画がスキップされてしまうこと可能性もあるので、最初の3秒程度で商品名やメリットなど訴求するような表現になります。一方、ペルソナが「女子高生」で「通学時にTikTokを見ている」ときに「商品メリットを伝えたい」という目的の動画を考えてみましょう。TikTokの動画尺は1分までですが、女子高生は「TikTokを見る」体勢で見ています。そのような場合、他の投稿に合わせたTikTokらしい企画や構成内容にすると、きちんと見てもらえるようになります。なお、制作会社など外部に動画制作を依頼する場合は、長さや表現方法は、制作予算に大きく影響します。あらかじめ決められている制作予算を参考に、長さや表現方法を決めるのもいいでしょう。動画の表現方法については、大まかに分けると実写とアニメーションの2パターンに分けられます。どちらも、それぞれメリットがあるので、各々説明します。実写は、ユーザーに「自分が利用したシーン」をイメージさせやすいというのがメリットです。そこに実在するものを写すので、実写にはリアリティがあります。人が実際に使ったりするシーンは、ユーザーもリアルに感じられるため、共感を得られやすくなるというわけです。一方で、演者の手配やロケなど手間と時間、コストが多額になりやすいという点も意識しなければなりません。一方アニメは、想像や架空の存在を表現しやすいものなので、抽象的な内容や複雑な内容を分かりやすく伝えられます。実写ではできないような表現も可能なので、表現の幅は飛躍的に広がります。また、ロケも行う必要がないので、制作工程のスケジュールが立てやすいというメリットもあります。一方で、アニメに出てくる登場人物は架空の人物なので、ユーザーの共感をなかなか引き出すことが難しいです。なお、バズりによる認知度アップを狙うのであれば、あえて実写では難しい表現に挑戦する方法もあります。2021年にも、大手製薬会社の飲料水CMが、まるでCGのように見える動画を実写で撮影したことによって大きな話題を生みました。このように実写で難しい表現をやってみせると、いっきに拡散することもあります。競合になりうる参考動画を探す動画の企画の参考になる動画を探すときは、自分の動画の競合になりそうな動画を探すとよいでしょう。また、その動画をきちんと分析することも大事なポイントです。参考動画を分析する上では、以下の3点に留意しましょう。どのような動画が高評価を得ているか?最近伸びている動画の種類は何か?トレンドとなっている動画の傾向は何か?これらを分析すると、動画の企画のヒントが出てきます。分析の際は、チャンネル登録者数が多い動画だけでなく少ない動画もきちんと分析することが大切です。登録者数が多いチャンネルは過去の動画が当たって登録者が多くなっているものなので、必ずしも現在のトレンドを踏まえた動画を作れているとは限りません。チャンネル登録者数が少ない動画も、人気のない動画と判断して分析を怠ると、トレンドを見誤ることがあるので、チャンネル登録者の多い少ないに関わらず分析を加えましょう。なお、制作会社に制作をお願いする場合、分析した参考動画を指定し依頼することをおすすめします。思ったイメージが伝わりやすく、制作会社も詳細を決めやすくスムーズに制作が進むでしょう。競合の動画との差別化ポイントを決める分析した競合の動画を参考にしつつ動画を制作する上では、もちろん差別化をはかることも重要です。同じ分類の商品・サービスを取り上げた動画だとしても、その切り口や表現方法で差別化することは不可能ではありません。例えば、自動車メーカーを見ると、ほとんどのメーカーでEV車が商品ラインナップとしてあり、プロモーションも行われていますが、全て同じ切り口で訴求しているわけではありません。走行性能や安全性能、利用シーンなど、切り口は多様に存在しています。競合相手といかに差別化するか、ということは販促施策上非常に重要なので、参考動画があったとしても、商品・サービスの特徴や利用される環境などを考えて他とは違う切り口を探すことが大事です。そして似たような機能を持つ商品・サービスであっても、切り口を変えることでユーザーが抱くイメージは変わり、差別化につながります。自社商品・サービスはどの点で競合の動画との違いを出すのか、差別化ポイントは必ず明確にしておきましょう。差別化ポイントを見つけ出す上では、マーケティングでよく使われるフレームワークが役立ちます。難しい理論ではなく、基本的な3C分析や4P分析、SWOT分析などでも、動画で訴求する商品・サービスのUSPが整理して考えられます。「ここだ!」というポイントが見つけやすくなるので、おすすめです。YouTubeで面白い企画が思いつかないとお悩み方は、こちらの記事もご覧ください。▶︎参考記事:YouTubeの面白い企画が思いつかない! その原因と対策を教えますまとめYouTube動画の企画書を作る、ということは、単に動画の内容を考えるということではありません。YouTubeを使ってプロモーションをする意味や、その商品やサービスの訴求ポイント、そして訴求するための最適な動画の長さと表現を、煮詰めて考えるプロモーションの設計書であるといえます。設計や仕様がしっかりしていると、動画もターゲットに刺さり求めている目的を達成できる有効なツールとなります。ぜひ、めんどくさがらずに一度考えてみましょう。弊社では、YouTubeを活用したマーケティングのご支援をしており、YouTubeチャンネル運用支援だけでなく、YouTuberキャスティングやYouTube広告運用支援も可能です。YouTubeマーケティングを実施したいすでにYouTubeを活用しているけどうまくいかずに困っているといったようなお悩みを抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、YouTube活用に参考になるお役立ち資料も無料で公開しています。