ブランド連想という言葉を聞いたことがあるでしょうか。馴染みのない言葉かもしれませんが、実はブランドというものを裏付けるために、ブランド連想はとても重要な役割を果たしています。ブランド連想が強いということは、消費者が特定のブランドに関する情報やイメージを迅速に思い浮かべられることを意味します。そのためブランド連想が強いと、顧客に選ばれる確率が上がるでしょう。ブランド連想が形成されていると、購買の瞬間や選択のシチュエーションで、そのブランドをトップオブマインドに持ってくる助けとなります。ここではブランド連想を行う際の手順と、重要な点、求められる点について詳しく説明します。ブランド連想とは?ブランド連想とは、ブランドに関連する全ての思いのことです。これをいかに多く、強く顧客に持ってもらうかで、企業のブランドの資産価値を高められるかどうかが決まるため、企業にとっては重きを置いて注力すべきポイントの1つであると言えます。ブランドイメージとの違いは?ブランド連想と似た言葉に、ブランドイメージという言葉があります。ブランドイメージとは、商品に付加されているブランドのイメージのことです。ブランドイメージが商品の外側に付加されたものだとしたら、ブランド連想は商品の内側から付加されているブランドへの思いといったところでしょう。ブランドイメージについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。ブランドイメージを向上させるメリット4つと成功例5つをご紹介!ブランド連想の8つの手順いきなり「ブランドを連想しましょう」と言われても、その流れを知らなければ誰でも戸惑ってしまいます。ブランドを連想するのは重要なことですが、ブランド連想をする中でも特に重要視して踏んでいくポイントがあります。実際にブランド連想をする手順にならって、8つ紹介していきます。ブランド連想の手順1:ブランドを認知するまず、ブランド連想をするにはブランドを認知することから始めましょう。ブランドを認知することで、商品カテゴリの中で消費者がブランドに対してどのようなイメージを持っているか、またどんなニーズがあるのかを知ることができます。また、消費者がそのブランドを購入する際に、どのようなこだわりを持って選んでいるのかを知ることで、よりそのブランドに対して詳細にアプローチすることが可能です。このように、自社のブランドについてより理解を深めることで、より詳細に消費者へのアプローチをしていくことが可能になります。ブランド連想の手順2:ターゲット層を理解するブランドを認知したら、次はブランドのニーズがあるターゲット層を探りましょう。ターゲット層を理解することで、そのブランドに関係のある要素や利用方法を消費者に連想してもらうことができます。消費者がブランドを通じて企業に抱く総合的なイメージも、この連想から繋がっていきます。ブランド連想の手順3:名詞的な部分を連想するブランドにおける名詞的部分とは、その商品を形作る部分のことを指します。具体的な例を挙げると、商品の名称や形、製品的特徴といったものです。ここまでの二つの手順から、ターゲット層の消費者が認知しやすく、わかりやすいように設定していくことが重要です。消費者の視点からは最初に目に入る部分ですので、じっくりと時間を割いて練るといいでしょう。ブランド連想の手順4:形容詞的な部分を連想するブランドにおける形容詞的な部分とは、ブランドが持つスローガンのことで、「売り文句」に該当する部分のことです。実際に使われている事例としては、iPhone11Proの「カメラも、ディスプレイも、性能も、Pro。」があります。他の製品と比較した時に、「どの部分が」より秀でているのかが一目で分かるスローガンが設定されているのがわかります。このように、形容詞的部分をしっかりと連想し、商品に紐付けることで、よりニーズの高い層にアプローチしていくことが可能になります。ブランド連想の手順5:提供価値を結びつけるブランドは企業からの一方通行では決して成り立ちません。ブランドは、企業と顧客が相互に関わって初めて成立します。そのため、企業は顧客に対してブランドを通じてどのようなものを提供するのかを示し、顧客は企業に対してどのようなものを望んでいるのかを、互いに伝え合う必要があります。これをブランド・マネジメントと言います。ブランド・マネジメントによって企業と顧客の価値を結びつけることによって、より価値のあるブランドを作り上げることができます。ブランド連想の手順6:ブランドに対して感情移入するブランドについてより強い印象を持ってもらいたいのであれば、他でもない自分自身がそのブランドに対して愛着を持つことが重要です。ブランドに対して強い愛着を持つことで、どうすればより使いやすくなるか、より愛される商品になるかを考えるようになり、よりよい商品を生み出すことへとつながります。ブランド連想の手順7:理由を探すいくらいいブランドを作り上げたとしても、消費者に商品を購入してもらうには、何かしらの理由が必要になります。ここまでブランド連想をしてきたら、実際に消費者がどのような理由でこの商品を手に取ってくれるのか、を考えてみましょう。こうしたブランドを購入してもらう理由を探ることを、ブランド購入意図の形成と呼びます。ブランド連想の手順8:記憶にとどめるブランドを継続させていくには、ブランドを繰り返し消費者に手に取ってもらう必要があります。そのためには、類似したブランドの中でも、より消費者の記憶に強く留まらなくてはなりません。最終的には「いい商品だった」「またあのブランドの商品を使いたい」と消費者に思われるブランドを構築することが重要です。ブランド連想の最終目標として、この点を強く意識していくといいでしょう。ブランド連想に求められる3つのことここまではブランド連想を行う手順を紹介してきましたが、実際にブランド連想をする際に特に求められることとは、どういうことなのでしょうか。ブランド連想には特に求められるものが3つあります。どれもブランドを生存させていくにあたっては重要なポイントになりますので、1つずつ具体的に説明していきます。ブランド連想に求められること1:一貫性ブランド連想を行う際に求められるものの1つに、一貫性をもつということが挙げられます。言っていることが毎回二転三転する人の言葉と、一貫して同じ意見を掲げる人であればどちらの言葉を信用できるかという話になります。当然、一貫した意見を持っている人の言葉の方が安定性があり、信ぴょう性を持つことができます。ブランドは企業と顧客が相互的に関わりを持ち、初めて成立するものです。顧客からの信頼を得るためにも、ブランド連想を行う際には一貫性を持たせるようにしましょう。これが後ほど記載する競合との差別化にも繋がっていきます。ブランド連想に求められること2:持続性一貫性と同じように、長く続いているブランドというものはそれだけ顧客から重宝され、愛されているという証拠の1つとなり、顧客がブランドを連想する際の1つの重要なポイントとなります。ただし、ブランドが長く続くと、経過した分だけ商品に類似性が生じ、マンネリ化してしまったり顧客側に飽きを感じさせてしまったりすることがあります。長期にわたりブランドを連想してもらうには、ブランドの強みに一貫性を持たせつつ、顧客に飽きさせないための微調整を行う必要があります。これを丁度可知差異と言います。ブランド連想に求められること3:競合との差別化ブランド連想をしてもらうために重要な点に、競合対象といかに差別化してブランド構築をできるか、という部分が挙げられます。同じような商品が並んでいた場合、消費者はその2つを比較して、より自分のニーズにあった商品を選びます。その際に、競合しているブランドといかに差別化できるかが、ブランドとして生き残れるかの鍵を握ることになります。競合との差別化をはかるためには、ブランドを構成する要素を1つひとつ精査していく必要があります。例えばブランドの名詞的部分の1つである名称やロゴに特徴を持たせたり、消費者をぐっと引きつけるような売り文句を設定したりなどです。ブランド連想をしていく手順の中で競合との差別化をはかれる箇所で、しっかりと自社のブランドのアイデンティティを築けるようにしましょう。ブランド連想に一貫性を持たせよういかがでしたでしょうか。ブランド連想と聞くと難しそうな印象を抱くかもしれませんが、ブランド連想を行うことで、よりよい商品を作り上げることが可能になります。また、ブランド連想に一貫性を持たせることで、ブランドの持続化につながり、顧客とのよりよい関係性を築くことにつながります。長寿ブランドを作り上げたいのであれば、ブランド連想を行う際に一貫性を持たせることを重視するようにしましょう。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。