マーケティング活動においてYouTube広告の活用が欠かせなくなってきており、YouTube広告で効果を得るためには効果測定や分析が非常に重要です。しかし、YouTube広告の効果測定と分析をする際に、どのような指標を見た方がいいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。効果測定は、目的により確認する数値や測定方法が異なるため、指標やレポートの見方を把握しておく必要があります。そこで今回の記事では、YouTube広告の効果測定に重要な指標と無料で使えるツールをご紹介します。YouTube広告で適切に効果測定するポイントWeb広告を配信する際には、リアルタイムで変化する指標を分析し、費用に合った効果が出ているのかを検証する必要があります。しかし、効果検証の方法を誤ってしまうと「間違った施策を打ち出してしまう」「撤退すべきラインで配信の停止ができない」といったことにつながりかねません。そのためYouTube広告を配信する際には、あらかじめ適切に効果検証する方法やポイントを意識しておくことが大切です。大前提としてYouTube広告を配信する目的を明確にする月間ユーザーが7,000万人を超えるYouTubeは、多くの企業がマーケティング施策として活用しています。しかし、YouTube広告が流行っているからといって配信を開始しても、「そもそも何のためにYouTube広告を活用するのか」、企業としてその目的が明確でなければ、正しい効果検証を行うことができません。YouTube広告の配信目的は、企業によってさまざまです。ブランドの認知力を上げたいサービスの資料請求につなげたいサービスの新規顧客を増やしたい商材のイメージを変えたい店舗への来客数を増やしたい自社サイトへの訪問数を増やしたい効果検証を行う前に、今いちどYouTube広告の配信目的を明確にすることを意識しましょう。正しいKPI(成果指標)を設定する後ほど詳しく解説しますが、YouTubeアナリティクスやGoogle広告アカウントといったツールを見ることで、配信している広告の表示回数やクリック数・エンゲージメント数といった指標を閲覧できます。しかし、これらはあくまでも数字の羅列に過ぎません。大事なことはポイントの1つ目で明確にした「YouTube広告配信の目的」を達成するのに十分な数値なのかを検証することです。そのためには、正しいKPI(成果指標)を設定しておく必要があります。例えば、YouTube広告を活用することで月間10,000人を自社サイトに送客したいと考えているとします。この10,000人という数値から逆算して、動画のインプレッション数やクリック数は何人必要なのか、エンゲージメント率やクリック率をどれくらいに設定すべきなのかをあらかじめ定めておきます。YouTube広告におけるKPI基準の決め方を詳しく見るクリック率など効果測定に重要な7つの指標YouTube広告は定期的に効果測定を行うことが大切です。出稿して終わりではなく、分析結果を参考に改善を繰り返すことが成功につながります。ここではYouTube広告の効果測定を行ううえで重視した、7つの指標について解説します。①表示回数と視聴回数表示回数は、広告が表示された回数をさし、視聴回数は実際に動画広告が再生された回数をさします。ただし視聴回数は、1秒でも再生されれば良いというものではありません。30秒以上の動画の場合:30秒以上再生された短い動画の場合:最後まで再生された広告動画がクリックされた上記いずれかの条件を満たすことで、はじめて視聴回数としてカウントされます。認知の拡大を狙う広告の場合は、表示回数と視聴回数も確認しましょう。②視聴率と完全視聴率視聴率は、広告を視聴したユーザーの割合をさす数値で、算出方法は以下のとおりです。視聴率=視聴回数÷表示回数×100表示された回数に対して、広告がどの程度再生(視聴)されているか分析することで、ユーザーの関心度の高さが分かります。また、広告のターゲティングが適切かどうかも視聴率ではかることができます。一方の完全視聴率は、広告が30秒以上再生されるか、もしくは最後まで視聴された割合のみを表す数値です。視聴率が高くても完全視聴率が低ければ「広告を最後まで見てもらえていない」「途中で離脱されている」と考えられ、効果的な広告配信ができていないと言えます。ユーザーは、一般的に冒頭の5秒で広告をスキップするかどうか判断する傾向にあります。よって最初の5秒でユーザーの興味を引くキャッチーな内容の広告を制作することが、完全視聴率を向上させるコツです。③平均広告視聴単価費用対効果を判断するためには、広告視聴単価や平均値も重要になっています。広告視聴単価とは、その広告が1回視聴されるごとに発生した単価のことです。動画が30秒間視聴された30秒未満の動画が最後まで視聴されたクリックなどのアクションが発生した上記の条件で発生した単価の平均はいくらか分析しておきましょう。広告視聴単価は、「品質スコア」「上限広告視聴単価」の2点と、これらの情報にもとづいて決定される広告ランクによって左右されます。仮に平均広告視聴単価が高い場合は、コスト面で効率的な広告運用ができていないということです。上限広告視聴単価を下げるか、アクションを誘導する仕組みを見直すなど、ユーザーがよりアクションしやすい広告に改善していきましょう。YouTube広告の単価がどのくらいになるのか詳しく見る④平均総再生時間1回の動画広告の再生における、視聴時間の平均をさすのが、平均総再生時間です。総再生時間を意識することも重要ですが、動画広告の質をあげるためには、平均総再生時間のほうを見る必要があります。動画広告の平均総再生時間が短い場合は、ユーザーにとって魅力的な内容ではないと言えます。効果音や字幕、ストーリーなどを見直して、改善できるところは適宜改善していきましょう。逆に平均総再生時間が長ければ、ユーザーが続きを見たくなるような動画広告に仕上がっていると言えます。⑤ユニークユーザー数一定期間内に、動画広告を視聴したユーザーの合計数のことです。視聴回数は、同一ユーザーであっても視聴した回数分カウントされるため、仮に同一ユーザーが同じ動画広告を3回見ると、3回分すべてカウントされてしまいます。ユニークユーザー数は動画広告の視聴回数ではなく、ユーザー数単位でカウントするため、正確に「どれだけのユーザーにリーチできたか」をはかれます。⑥クリック数とクリック率動画広告の効果を分析するときは、クリック数だけではなくクリック率もあわせて確認すべきです。クリック数:動画広告がクリックされた回数クリック率:動画広告の表示数に対してクリックされた割合クリック数だけでは、動画広告がターゲットにとって本当に魅力的かつアクションを促す内容だったのか分かりません。クリック率も見ることで、「表示回数の割にはクリックされていない」のか、「表示回数に対してクリック率が高い」のかが分かります。クリック率が高ければ、動画広告が適切に配信できていると言えます。仮にクリック率が高いわりにコンバージョンに至っていないのであれば、「動画広告以外に問題があるのでは」と仮説も立てやすいです。⑦エンゲージメントとエンゲージメント率平均総再生時間と同じく、動画広告がコンテンツとして魅力的か、広告として効果があるかをはかる指標が、エンゲージメントとエンゲージメント率です。エンゲージメント:動画広告が10秒以上視聴された回数エンゲージメント率:動画広告の表示回数に対するエンゲージメントの割合10秒未満の動画広告の場合は、エンゲージメントは最後まで視聴された回数がカウントされます。エンゲージメント率が低ければ、動画広告の内容自体を改善する他、CTAの設置場所を改善するなど、アクションを起こさせるための施策が必要となってきます。無料で使えるYouTube広告の効果測定ツールYouTube広告の分析を行うときは、無料の効果測定ツールを活用しましょう。効果測定にかける費用を削減できれば、動画広告の改善など他の部分にコストをかけられるメリットもあります。ここでは無料で使えるYouTube広告の効果測定ツールを3つ、分析結果の見るポイントとともにご紹介します。YouTubeアナリティクスYouTubeアナリティクスは、YouTube Studio内にある公式のツールです。メニューバーの「アナリティクス」をクリックすれば、以下の項目が確認できます。概要:視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数などリーチ:インプレッション率、視聴回数、ユニーク視聴者数などエンゲージメント:総再生時間などのエンゲージメント視聴者:ユニーク視聴者数、チャンネル登録者数、ユーザーの属性など収益:推定収益、インプレッション収益などただし、収益はYouTubeパートナープログラム参加者のみが対象です。前述のエンゲージメント率など具体的な数字はもちろん、ユーザーの性別や年齢、地域、YouTubeを利用する時間帯なども分析できるのが特徴です。分析時は各数値だけではなく、動画がきちんとターゲット層にリーチできているか、視聴者の属性からも確認できるメリットを活かしましょう。Google広告アカウントGoogle 広告のアカウントを開設しておくと、プロモーションの目標と予算に適した広告運用ができます。YouTube広告の分析を行うためには、まずGoogle広告とYouTubeアカウントを紐づけてから、Google広告の「レポート」をクリックします。Google広告では、以下の項目を見ましょう。表示回数:動画広告が表示された回数視聴回数:動画広告を30秒以上視聴もしくは広告をクリックされた回数視聴率:動画広告が表示された回数に対して、視聴された割合広告視聴単価:動画広告を30秒以上視聴されたときなどに発生する広告単価獲得アクション数:動画広告の視聴後にユーザーが行ったアクションの数動画視聴者数:動画を視聴したユーザー数(25%・50%・75%・100%ごとに見る)リマーケティングリスト:ユーザーの行動履歴に基づいたリスト獲得アクション数の項目では、チャンネル登録や高評価など、ユーザーが動画広告の視聴後にどのような行動をとったのかが分かります。動画視聴者数は、動画広告をどの程度の割合まで視聴したのかが分かる項目で、25%まで見たのか、50%まで見たのか、75%や100%まで見たのかが表示されます。動画広告からどのタイミングで離脱される場合が多いのか、分析することが可能です。GoogleアナリティクスGoogleアナリティクスは、一般的にWEBサイトの効果測定で活用されるツールですが、YouTube広告の分析にも役立ちます。たとえば以下の点を見ることで、本当に動画広告が狙いどおりの効果を発揮できているのかがわかります。広告経由のサイト流入数コンバージョン数広告経由のユーザーのサイト内での行動他にも広告発信前と発信後の自然検索流入数に変化があれば、動画による効果だと分かります。YouTube広告を本格的にやるなら、専門家にご相談をYouTube広告は、配信開始してから狙い通りの効果が出ているか、多角的に分析することが重要です。ただ表面の数字のみを見れば良いわけではなく、数字から広告のどの部分を改善すれば良いか見極める能力も求められます。自社でYouTube広告の分析を行えるノウハウがない場合は、専門家に相談する方法もおすすめです。広告運用の方法はもちろん、動画制作も相談できる専門家なら、自社のリソースを割かずに効果的なYouTube広告の配信・運用ができます。弊社では、YouTube広告の制作から広告運用まで一気通貫で対応可能です。YouTube広告を活用したいがやり方が分からない動画広告用の動画制作リソースが社内にないYouTube広告の運用方法が分からないなどのお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、YouTube広告活用の参考になるお役立ち資料を無料で公開しております。