動画マーケティング市場が活気を見せる今、インスタのIGTV機能が注目されています。1分以上の長尺動画を気軽に投稿できるIGTVには、YouTubeとは違ったモバイルファーストな特徴があります。この記事ではIGTVの使い方やメリットをご紹介します。活用に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。インスタとはInstagram(インスタグラム)とは、Facebook, Inc.が提供する写真共有のSNSで、日本では「インスタ」と呼ばれて親しまれています。この記事でも、通称である「インスタ」という表記で進めていきます。2019年に国内月間アクティブアカウント数が3,300万人を突破したこのSNSは、個人から企業まで幅広く使われています。拡散能力も高いため、マーケティングツールとして様々な使い方が可能です。元々は写真を投稿するSNSでしたが、現在では動画コンテンツも充実し、使い分ければマーケティングでの大きな効果を期待できます。この記事では、インスタ内にある動画機能の種類や長尺動画を投稿できるIGTVについて詳しく解説します。インスタで投稿できる動画の種類と長さ4つインスタで投稿できる動画には、「ストーリーズ投稿」「フィード投稿」「リール投稿」「IGTV投稿」の4種類があり、それぞれ特徴や投稿できる動画の長さが異なります。使い分けることでマーケティングでも活用できるでしょう。ではそれぞれの特徴を具体的にご紹介します。動画の種類と長さ1:ストーリーズ投稿Stories(ストーリーズ)とは24時間で消えるインスタ投稿で、動画を1分以内で投稿できます。フィードに残らないため日常を気軽に発信できる点が人気の秘訣といえるでしょう。今や日本人の4人に1人が使っているインスタですが、その人気の発端はストーリーズだといっても過言ではありません。アクティブユーザーの実に7割が、このストーリーズを利用しています。ストーリーズで1度に投稿できる動画の長さは最大1分で、15秒ごとに分割されて投稿される仕組みです。スタンプや文字を付けてフィードよりも自由に投稿できるので、手軽に使える機能といえるでしょう。動画の種類と長さ2:フィード投稿インスタでは通常のフィード投稿でも1分以内の動画投稿が可能で、他の画像投稿と一緒に並ぶため、ギャラリーの一部としてアカウントの世界観を作る役割を果たします。ストーリーズとの違いは、24時間で消えずに残り続ける点です。検索でたどり着いたユーザーが過去の投稿を見返すこともできます。また、IGTVの説明文が一見してわかりにくい場所にあるのに対し、フィード投稿の動画の説明文やコメントは開くとすぐに見える場所にあります。したがって、ちょっとした動画と説明文をセットで見せたい場合に有効です。動画の種類と長さ3:リール投稿Reels(リール)とは、音楽やカメラエフェクトを施して投稿できる30秒以内のインスタ投稿動画機能です。この機能は2020年にスタートした新しい機能で、TikTokに対抗して作られたといわれています。30秒という短い時間の中で、歌やダンスなどを音楽に合わせてキャッチーに魅せるのが特徴です。リール投稿すると、発見タブに表示される可能性があり、ユーザーの目に留まりやすくなるメリットがあります。キャッチーなショートムービーを作ってアピールしたい場合におすすめの機能です。動画の種類と長さ4:IGTV投稿スマートフォンからは1分以上15分以内の動画を、PC等からは1分以上60分以内の動画を配信できるインスタ機能がIGTVです。インテリアの詳しい解説や旅行先の散策など長い尺の動画をYouTubeのようにアップすることができます。この動画はインスタのアプリ内、またはIGTV専用アプリでフォロワーに対して公開されますが、ストーリーズと違って閲覧履歴は残りません。また、フィードやストーリーズと異なり、投稿内にURLリンクを貼り付けてそのままクリックさせることも可能です。長い尺のコンテンツでアピールしたい場合や投稿からURLリンクに誘導したい場合におすすめの機能です。他にもIGTV特有の機能がありますので、次の項目でご紹介します。IGTVの機能5つ世界で20億人以上のユーザーがいるYouTubeは人気の高い動画配信サービスですが、IGTVにはYouTubeにないインスタならではの特徴があります。そもそもスマートフォンで撮った写真を気軽にシェアできるサービスとして広まったのがインスタです。したがって、IGTVはモバイルファーストな動画配信を得意としています。では、IGTVの特徴を具体的に5つご紹介しましょう。IGTVの機能1:スマホ全画面表示対応であるIGTVは横長動画にも対応していますが、基本は縦長動画のフルスクリーン仕様であり、1分以上の長い動画をスマートフォンでそのまま見られる点が画期的であるといえるでしょう。YouTubeでは1分以上の長い尺の動画を発信・閲覧できますが、基本的には横長動画ですので縦に持ったまま見ようとすると、画面サイズが小さくなります。この点、IGTVは基本縦長フルスクリーン仕様ですので動画サイズが小さくなることはありません。このことはユーザーにとって利便性をもたらします。写真を閲覧していて興味のある動画を見つけた場合、そのまま動画をフルスクリーンで視聴できるのです。画面のサイズが小さくならないので、商品の魅力を印象的に伝えることが可能となります。IGTVの機能2:長時間の動画を投稿できるIGTVは、1分以上15分以内、または1分以上60分以内という長時間の動画を投稿できる点も魅力です。リールやフィード投稿など1分以内の動画では、商品の使い方やメリットを詳しく伝えにくいこともあります。IGTVを使えば、解説動画や商品紹介動画などある程度尺の長さが必要な動画配信も可能です。また、インスタライブの動画配信をIGTVの投稿としてシェアできるので、ライブを見逃したユーザーもIGTVからコンテンツを視聴できます。IGTVの機能3:縦型・横型の両方に対応IGTVはモバイルファーストな動画機能で、横長動画にも対応していますが基本は縦長全画面の動画です。Instagram側の話によると、90%のユーザーがスマートフォンを縦のまま使用し、72%のミレニアル世代は横長動画も縦のままで視聴するとのことです。さらに、76%が縦長動画広告を好意的に受けり、65%は縦長動画広告を配信するブランドに革新性を感じるといいます。つまり、縦持ちというスマートフォンの特性やユーザーの利便性を考え、基本的に縦長のフルスクリーンを採用しているのです。これがIGTVの魅力の一つといえるでしょう。IGTVの機能4:インスタ連携でフォロー・フォロワー数を引き継げるIGTVはインスタアカウントのフォロー・フォロワー数をそのまま引き継げるため、1から動画配信コンテンツを立ち上げても動画視聴者を最初から増やせるメリットがあります。例えば、YouTubeのアカウントを開設して動画配信する場合、登録者数ゼロからのスタートとなります。しかし、IGTVはフォロー・フォロワーがそのまま視聴者になるので、フォロワー数に応じて最初の投稿でも多くの人の目に留まりやすくなります。IGTVの機能5:フィードにも共有できるIGTVの投稿は、動画の冒頭をフィードにプレビューとして共有できるので、フィードで興味を持ったユーザーを詳しい動画へと誘導することが可能となります。ユーザーがプロフィール欄で最初に目にするのがフィード投稿の一覧です。IGTVのコンテンツは、わざわざタブをクリックしなければ表示されません。しかし、フィード一覧にIGTVのプレビューがあれば、興味を持ったユーザーはIGTVまで視聴するようになります。そして、IGTVの動画を見て商品や企業の詳細を知り、ファンになってくれる場合もあります。つまりフィードとIGTVの連携は、ファンづくりにつながるといえるでしょう。IGTVの使い方3つここからは、IGTVの詳しい使い方や投稿の際のポイントをご紹介します。IGTVで動画投稿するには、まずインスタ内に設置された「+」ボタンをクリックし、その中の「IGTV動画」という項目を選ぶことから始めます。その後の手順について詳しく解説しますので、参考にしてください。GTVの使い方1:ハッシュタグの付け方IGTVに投稿したい動画を選び、タイトルを付けたら、その下の「詳細」にハッシュタグをつけて投稿できます。ハッシュタグ数はフィード投稿と同様30個までですので、ユーザーに検索してほしいキーワードやリーチしてほしいターゲットを明確にしてから、どんなハッシュタグをつけるのか決めましょう。IGTVの使い方2:URLリンクの設置方法ハッシュタグ同様、「詳細」にURLリンクを貼り付けることでそのままクリックできるURLとなります。リールやフィード投稿など他の機能では、コメント欄にURLを貼り付けてもクリックで飛べるURLリンクとはなりません。しかし、IGTVでは簡単にWebサイトに誘導できるので、マーケティングに活用しやすいといえるでしょう。IGTVの使い方3:説明文の付け方説明文もハッシュタグ同様、「詳細」への入力で付け加えることができ、ユーザーはタイトル横の「▼」をクリックすると説明文を閲覧できます。動画を気に入ったユーザーは、どんな発信者がどんな意図で動画を投稿しているのか詳しく知りたいと考えます。したがってマーケティングにIGTVを活用する際には、ユーザーを惹きつけ、他のコンテンツも見たいと思わせる説明文を心がけましょう。IGTV活用のコツ4つここでは、IGTVの動画作成や活用についてのコツをお伝えします。IGTVはその尺の長さや表示方法のユニークさがメリットですので、動画作成する際もそれに合わせた方法が必要です。また、ストーリーズとの連携で生まれるメリットもあり、活用次第で視聴者数やファンの増加を見込めます。IGTV活用のコツ1:1分以上の投稿動画の内容の選定他のインスタ機能との違いを意識して1分以上でユーザーにどんな内容を伝え、見た後にどんな行動をとってほしいのかを明確に決めてから動画作成しましょう。例えばお手入れ簡単なソファをアピールするケースを考えてみましょう。この場合、フィード投稿ではそのソファの見た目の魅力をアピールし、IGTVでお手入れの方法を具体的に紹介すると機能に合わせた使い分けができます。ただ注意しなければならないのが動画の長さです。いくら長い尺の動画を投稿できるとはいえ、あまり長すぎるとユーザーは飽きてしまい、簡単に別のアカウントへと移動してしまいます。「もっと知りたい」と思わせる長さで動画作成するよう心がけましょう。IGTV活用のコツ2:動画の撮影方法IGTVの縦長フルスクリーンという特徴を踏まえ、動画は縦長で撮影するようにしましょう。IGTVは多くの動画が縦長であり、流れるように次々動画を表示する仕組みです。確かに、スマートフォンを傾ければ横長動画をフルスクリーンで視聴できますが、一つの横長動画のために傾けるユーザーより、離脱するユーザーの方が多くなりやすいでしょう。したがって、インスタユーザーの多くが縦長で動画を見る傾向を踏まえ、スマートフォン以外で撮影する場合も縦長を意識しましょう。IGTV活用のコツ3:動画の編集方法撮影した動画をアップする際は、特にサムネイルと冒頭数十秒を意識して編集しましょう。IGTVの動画は、IGTVの発見タグから検索で視聴されることがあります。この時、興味を引くサムネイルであればクリックされやすくなり、新規ファンを獲得できる可能性があります。また、先に述べたようにフィード内でプレビューとして表示できるので、冒頭数十秒が重要です。最初にユーザーを惹きつけると、気に入ったユーザーはIGTV本編を最後まで見てくれるようになり、フォロワー数の増加も期待できます。動画の編集やサムネイルの作成を簡単にスマートフォンでできるアプリもありますので、うまく活用しましょう。IGTV活用のコツ4:ストーリーズから誘導しよう過去に投稿したIGTVの動画は、インスタのストーリーズから誘導できるので、うまく活用すると多くのユーザーに動画を視聴してもらえます。やり方は、ストーリーズの作成画面で鎖マークをタップし、誘導したいIGTV動画を「+」ボタンで連携するだけです。ストーリーズ内では、スワイプアップだけでIGTV動画に移動できるので、ユーザーにとっては手軽に使えるメリットがあります。効果的に誘導するコツはストーリーズとIGTVの違いを意識することです。ストーリーズは他愛ない日常を気軽に投稿できる特徴があり、一方のIGTVには長い時間でじっくり見せる特徴があります。したがって、IGTVで商品を「魅せる」動画を作っても、ストーリーズではそれよりもゆるい雰囲気に変え、親しみやすく楽しい内容にしましょう。ストーリーズの最後はユーザーに「もっと詳しく知りたい」と思わせるタイミングで切り上げるのもポイントです。IGTV投稿以外でインスタの投稿動画で1分以上投稿する方法これまでお伝えしたように、IGTV以外のインスタ機能では基本的に1分以上の動画投稿はできません。仮にフィード投稿で1分以上の動画を投稿しようとすると、「シェア方法を選択」というお知らせが出現し、「短尺動画(1分以内になるよう自分で調整)」「長尺動画(IGTVでシェア)」の二択を迫られます。IGTVを使えば簡単に解決しますが、IGTVでは説明文が見づらいデメリットがあり、フィード投稿を使って動画も説明文も見やすくしたい場合に問題となります。ではこのような場合にはどうすればいいでしょうか。複数の動画に分けて投稿する1分以上の動画をIGTV以外の機能で投稿するには、複数の動画に分割して投稿する必要があります。1分を超える動画をキリのいい場所で区切ってそれぞれ投稿すれば、他のフィード投稿と同じような形式で表示されます。この投稿方法のメリットは、説明文やコメントが見やすいことです。動画だけでなくその内容を見てほしい場合に有効です。ただ、現在のところインスタ内に便利な分割機能はありません。そこで、このような場合に活用したいのが動画編集アプリです。MixChannelを使った分割編集が便利分割編集を簡単にできるアプリは様々ありますが、中でもMixChannelを使った編集作業は便利です。MixChannel(ミックスチャンネル)は、元々動画投稿のSNSで、若年層のユーザーには「ミクチャ」と呼ばれています。このアプリには動画編集機能があり、動画の長さ調整もできます。編集後はミクチャに投稿せずにデバイスに保存し、そのままIGTVに投稿することが可能です。インスタで1分以上の動画を投稿できるIGTVをマーケティングに活用しようIGTVを使って1分以上の動画を投稿する方法やメリットについてご紹介しました。動画マーケティング市場が活気づく今、Facebook社はインスタと企業をつなぐ仕組みをどんどん強化しています。IGTVもその一つで、タグ付け機能の追加により、ユーザーは動画を視聴しながらECサイトへ移動し、ショッピングを楽しめるようになりました。今後も動画を使ったマーケティングはさらに成長していくといわれていますので、IGTVを活用してマーケティングに役立てましょう。