近年、動画やSNSの利用者はますます増加し、それに伴って動画広告への注目も高まっています。SNSを使った動画広告にはどのような特徴があり、マーケティングで活用するには何に気をつければいいのでしょうか。この記事では、SNSを使った動画広告について紹介します。SNSを使った動画広告とは?SNSを使った動画広告とは、SNS上のタイムラインの間や前後に入る企業広告のことです。YouTubeの本編前に流れる広告や、Instagramのタイムラインに表示されるPR広告を見たことがある人も多いでしょう。自宅で過ごす時間の増加や技術の進歩により、動画やSNSの利用者はますます増加し、それに伴って動画広告への注目も高まっています。SNSを使った動画広告にはどのような特徴があり、マーケティングで活用するにはどういった点に気をつければいいのでしょうか。この記事では、SNSを使った動画広告について紹介していきます。SNSでの動画広告が増えている6つの理由動画広告市場は年々拡大しており、特にSNSを使った動画広告は広告配信者と視聴者の両方にとってメリットが多いため利用が増えています。サイバーエージェントによると、2019年の動画広告市場は昨年対比141%の2,592億円であり、2020年には3,289億円、2023年には5,065億円に達する見込みです。特に、スマートフォン動画広告の需要は、昨年対比147%で動画広告市場全体の89%にも上ります。では、具体的に動画広告にはどのようなメリットがあり、なぜ市場は拡大しているのでしょうか。出典:2019年国内動画広告の市場調査を実施|サイバーエージェント参照:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=241251:シェアされやすいSNSの活用が一般的になった今、情感に訴える動画はシェアされやすいというメリットがあります。スマートフォンの普及により、手軽に使えるInstagram(インスタ)やTwitterなどのSNSを使って自分の思いや写真を発信しやすい時代となりました。SNSでは、自分の考えだけではなく「知ってほしい」「共感して欲しい」と考えた情報もシェアされます。そのシェアされる内容の一つが動画です。動画は視覚にも聴覚にも訴えかけるため、画像よりもインパクトが強く、シェアされやすくなります。したがって、画像や文字だけの広告よりもシェアされやすくなると言えるでしょう。2:ターゲティングを細かく設定できる配信するプラットフォームによっては、ターゲットを細かく設定できるため、狙ったユーザーにアプローチできるメリットがあります。例えば利用者の多いYouTubeの動画広告は、ユーザーの性別や地域といった属性だけでなく、興味関心からも分析し、狙った層に動画配信可能です。3:潜在層をターゲットにできるSNSの動画広告を活用すれば、潜在層を見込み層としてターゲットにできます。潜在層とは、あるジャンルに興味・関心はあるが特定商品を認知していない層のことです。対して、特定の商品を認知し、見込み客になる層を顕在層と言います。例えば、帽子を探す潜在層は「帽子/おすすめ」などで検索しますが、顕在層は特定の商品で検索可能です。この潜在層に企業名や商品名をアピールし、記憶に残るようにすると、見込み客に変わりやすくなります。そして、動画広告は画像や文字だけの広告よりインパクトが大きいため、潜在層をターゲティングしやすいと言えます。特にSNSを使った動画広告は、投稿や閲覧の間に自然に入ってくるものが多いため、よりターゲティングしやすくなるでしょう。4:文章とあわせて投稿できる動画広告を文章とあわせて投稿できるSNSプラットフォームが多く、商品の魅力や企業のアピールに役立ちます。例えばTwitterの動画広告は、全角140字以内のテキストの下に動画広告が表示されます。動画に引きつけられたユーザーは説明文を読み、商品の魅力を感じれば製品の詳細や企業HPを訪問するでしょう。このように、動画広告を活用すると動画と文章の両方からのアピールが可能となります。出典:広告クリエイティブの仕様|Twitter参照:https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/advertiser-card-specifications.html5:視聴者の記憶に残りやすい動画広告は、視覚にも聴覚にも訴えるためインパクトがあり、情報量も多いため視聴者の記憶に残りやすいのがメリットです。動画広告は、動きがあり音声や音楽がついているため、画像広告よりも広い範囲の感覚に刺激を与えます。また、文字広告よりも短時間で多くの情報を伝えることが可能です。したがって、SNSで流れてきた動画広告は目に留まりやすく、印象に残りやすいと言えます。6:動画視聴環境の改善が進んでいる昨今の通信環境の向上やSNSのプラットフォーム側の技術向上により、動画を視聴しやすくなったことも動画広告市場の活発化を後押ししています。動画は画像や文字に比べて情報量が多く、大きな通信能力が必要です。ユーザーの負担になるため、これまでは画像でさえ圧縮されていました。しかしネット環境と動画サイト側の技術の向上などにより、動画広告は一般的となり高画質の広告まで可能となっています。実際にドコモやau、Softbankなど通信各社が使い放題プランや大容量プラン、見放題プランなどを提供していることから、外でも動画利用が増えていることがわかります。今後5Gなどの普及でこの傾向はさらに加速していくことでしょう。SNSの動画広告の効果的に活用する方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。▶︎参考記事:SNSの動画広告を効果的にする方法6つ!SNSごとの適切な動画の長さも紹介SNSの種類6つと特徴ここからは、利用者の多いSNSの特徴とそのSNSでの動画広告について紹介していきます。それぞれのSNSのユーザー層は全く異なりますので、そこで配信される動画広告のターゲティングも違います。費用対効果の高いマーケティングを目指すためには、比較しながら自社の商品に合ったプラットフォームを選択しましょう。1:Twitter幅広い層にユーザーを持ち、拡散能力の高いTwitterで動画広告を流すことで、企業や商品の知名度アップが期待できるでしょう。Twitterの2017年時点での国内月間利用者数は4,500万人です。Twitterのユーザー層を年代別に見ると、20代の利用者が一番多く、次いで30代、40代と、幅広い層にユーザーがいます。20代〜40代に向けた商品・サービスに適していると言えるでしょう。Twitterの動画広告には、プロモビデオ、ファーストビューといった5種類の広告があり、尺は2秒〜10分と様々です。タイムラインやおすすめ上で自然に入ってくるので、目につきやすいのが特徴と言えます。また、キャンペーンの展開で大きな話題になることもあります出典:2020年Twitter投稿、狙い目のユーザー年齢層は?|フラー株式会社参照:https://lab.appa.pe/2020-04/202002-twitter-user-demographic.html2:Facebook40代男性にユーザーが多いFacebookで動画広告を配信すると、じっくり見せる広告を使って狙ったターゲティングに適した集客が可能となります。Facebookは、2019年に国内ユーザー2,600万人に達しました。ユーザー層を見ると、40代男性が一番多く、次いで30代男性、40代女性となっています。ビジネス目的の利用者が多いため、30〜40代の経営者やビジネスパーソン向けの広告に強いと言えるでしょう。動画広告は3種類あり、10分以内のインストリーム広告、240分以内のフィード広告、120秒以内のストーリーズ広告です。他のSNSより長時間の広告が可能ですので、初めの数秒で心を掴み、じっくり見せる広告に向いていると言えるでしょう。Facebookは詳細なターゲティングができる点もメリットで、ユーザーの属性や関心事などでターゲティングし、それに合わせた広告配信が可能です。出典:12のソーシャルメディア最新動向データまとめ|株式会社ガイアックス参照:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/3:Instagram30代の女性に人気のInstagramは、魅力的なビジュアルやデザインの動画広告を流すことにより、ブランディングや購買行動促進を期待できます。Instagramは2019年に世界の月間利用者数10億人に達しました。ユーザー層は10代、20代が多くなっています。したがって、働く世代や子育て世代が日常的に使用する住宅、家具、車、食べ物といった広告の活用に適しています。動画広告は、120秒以内のフィード広告、15秒以内のストーリーズ広告、関心コンテンツを自動表示する120秒のディスカバリー広告の3種類です。写真や動画の投稿アプリという性質から、デザイン性の高い広告によって、ブランディングを高めることが可能です。また、InstagramにはECサイトの商品ページへ移動できる「Shop Now」機能があり、購入行動に繋げやすいメリットがあります。出典:主要ソーシャルメディアのユーザー数まとめ|株式会社ユニアド参照:https://www.uniad.co.jp/2602044:YouTubeSNSの中でもシェア率の高いYouTubeを使えば、幅広い層から細かくターゲティングして狙ったユーザーにアプローチできます。YouTubeは、2020年に国内月間利用者数が6,500万人に達しました。年齢別に見ると、40代男性が一番多いですが、どの層にも一定のユーザーが存在するのが特徴です。ターゲティングを細かく設定し、Googleのアルゴリズムで狙った層に広告配信できます。YouTubeの動画広告は、スキップ可能なインストリーム広告や動画再生前後のバンパー広告など6種類で、6秒の短時間から6分のものまで尺は様々です。アピールする内容によって使い分けるとよいでしょう。他のプラットフォームと比べても群を抜いてシェアされやすいのがYouTubeですので、他のSNSとの相性も良い広告形態です。出典:月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube|Google参照:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2020-2/5:LINE国内で幅広い層に利用されるLINEは、多様な配信場所でターゲットに合った動画広告の配信が可能となります。LINEの国内月間アクティブユーザー数は、2020年に8,600万人に達しました。ユーザー層は40代が一番多く、次いで30代、20代となっていますが、バランス良くどの層にもユーザーがいます。したがって、動画広告を使えば幅広い層にアプローチ可能です。LINEの動画広告は、8秒〜120秒の長さの1種類ですが、タイムラインだけでなく、LINEマンガ、LINEショッピングなど、表示される場所が9つあります。それぞれ利用者層が異なるため、ターゲティングに合った配信場所を選ぶことがポイントです。出典:決算補足説明資料|LINE参照:https://d.line-scdn.net/stf/linecorp/ja/ir/all/FY20Q3_earning_releases_JP.pdf6:MixChannel若年層に人気のMixChannel内で、流行に敏感な女子中高生の心を掴む動画広告を配信すると、積極的にシェアされて知名度や売上向上が期待できます。月間訪問者数の400万人のMixChannelは、10代〜30代にユーザー層が多い動画コミュニティアプリです。関東や近畿地方の女子中高生の利用者が多いため、若年層向けの化粧品や食品などの広告を使ったアピールに強いと言えます。動画広告はプレミアム動画広告や動画コンテスト広告など4種類あり、5秒〜15秒ほどの長さです。投稿一覧内や動画内に自然に入るため、ユーザーの目につきやすい特徴があります。積極的にシェアするユーザーが多いので、商品を気に入れば知名度や売上向上が期待できるでしょう。出典:ミクチャ|MixChannel参照:https://mixch.tv/ads/202010-202103_mikucha._MediaGuide_v01.00.pdfSNSでの動画広告を成功させるポイント4つここからは、動画広告を成功させるコツと作り方のポイントを紹介していきます。動画広告作成には「準備」「動画作成」「動画編集」「アップロード」という手順がありますが、先に基本的なことをここで述べておきます。準備段階では、配信先のSNSの選び方が重要です。動画作成段階では、脚本を作り撮影・録画しますが、内容が要です。炎上するもの、著作権や肖像権に触れるもの、違法性のあるものは問題です。損害賠償の可能性もあるため、権利関係は確認しておきましょう。動画編集段階では、各SNSの規定の動画形式や大きさの制限に気をつける必要があります。完成したものを送信してアップロードする際は、適切に配信されているか確認しましょう。この基本を踏まえた上で、具体的なコツをお伝えします。1:広告目的に合ったSNSを選ぶSNSマーケティングを成功させるためには、広告目的とターゲティングに合ったSNSを選びましょう。各SNSのユーザー層は異なるため、自社の商品のターゲットとユーザー層がマッチしているか見極めが必要です。例えば若年層が多いSNSで、高所得者向けのカメラの広告や子育て世代に利用者が多いスタジオアリスなどの動画を配信しても効果は期待できないでしょう。また、幅広い層にユーザーが多いSNSでは、どのような企業が動画投稿しているのか観察することも重要です。例えば、YouTubeやTwitterといった年齢層が幅広いSNSでは、ソフトバンクやドコモ、セブンイレブン、くら寿司といった企業がSNSの動画を活用しています。2:字幕をつける動画の広告の種類によっては、クリックしなければ音声が流れないものもあるため、字幕をつけることも効果的です。SNSの動画広告は、利用するコンテンツの中に出現します。文章や画像の投稿がメインのTwitterやInstagramでは、急に音が出るとユーザーが離脱するため、クリックすることで音が流れる仕様になっています。動画で商品の魅力をフルに伝えるためには、字幕をつけて目で見て興味を持ってもらい、クリックしてもらうことが有効です。字幕をつける際、広告のイメージを左右する字体や文字のサイズにも気を使いましょう。どのような字幕でアピールすべきかは、実際の広告事例を多く見るとわかってきます。3:小さい画面でも見やすいよう意識するSNSは基本的にスマートフォンで見るユーザーが多いことを考えると、小さな画面で見ても見やすい映像と読みやすい文字を心がけましょう。動画撮影後、拡張子の変換やアスペクト比・形式の調整といった編集はPCを使って作業することになります。PCはスマホより大きな画面であるため、その感覚で動画作成すると、見づらい広告になる場合があります。カットごとの映像の見やすさと文字の大きさ・フォントに気をつけて動画作成にあたりましょう。4:動画の冒頭で目を引けるよう工夫するユーザー心理を考えると、動画の冒頭数秒で心を掴むことが効果の高い広告へとつながります。動画広告には様々な種類がありますが、どんな広告であれユーザーにとって広告は「煩わしい」ものです。早く本編を見たいのに、数秒でも強制的に見せられるとストレスになり、興味のないものなら悪い印象を与えることになります。しかし、ターゲティングが合致したユーザーに対して、わかりやすくインパクトのある冒頭を流せば、スキップせずに見てもらえる可能性があります。うまく行けば、興味を持ちホームページへの訪問も期待できるでしょう。各SNSの特徴を掴んで動画広告を出してみよう各SNSの特徴と動画広告を成功させるポイントについて紹介しました。動画広告を成功させるには、ターゲティングに合致したSNSを選定し、その中でターゲットとなるユーザーに向けた動画広告を発信することが重要です。そのためには、各SNSの特徴とユーザーの傾向を理解し、マーケティングに活かす必要があります。自社に最適なSNSで動画広告を出して、マーケティングの成功につなげましょう。動画広告をマーケティングに上手く活用すれば、今より利益をあげられる可能性があります。認知度向上や売り上げに悩んでいる場合は、動画マーケティングを活用してみるといいでしょう。動画を見る人は増えているため、今後ますます動画でのビジネスの場が増えることが予想されます。いち早く動画マーケティングを採用して、ビジネスに活用していきましょう。弊社では、動画を活用したマーケティングのご支援をしており、SNS・YouTubeチャンネル運用やインフルエンサーキャスティング・動画広告運用代行等、企業が動画を活用するための総合的な支援体制がございます。動画マーケティングを実施したいすでに動画を活用しているけどうまくいかずに困っているといったようなお悩みを抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、動画活用に参考になるお役立ち資料も無料で公開しています。