「企業ブランディングは大企業ビジネスのものだ」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、中小企業やベンチャー企業であっても企業ブランディングは大切だといえます。企業ブランディングはマーケティングとも密接に関わっており、売り上げ向上等にも役立ちます。そこで今回の記事では、「企業ブランディング」の意味から、「どんな目的で行うのか」「実践するとどんなメリットがあるのか」を詳しく解説します。企業の成功事例も併せてご紹介しますので、企業ブランディングのイメージをつかみブランディングを実践してみてください。企業ブランディングとは「企業ブランディング」とは、利害関係者に認知・共有してもらいたい企業の社会的なイメージのことをいいます。ビジネスにおいて、他社との差別化を図ることは重要な戦略です。そのための方法のひとつが「企業ブランディング」です。企業のブランドイメージは、製品や事業をはじめ企業理念や従業員の行動など、様々な要素で成り立ちます。消費者のみが対象の製品ブランディングとは違い、より幅広くアピールする点がポイントです。ブランディングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。ブランディングってどういう意味?メリット9つと構築方法を解説!企業ブランディングの目的企業ブランディングの目的は、自社の強みを積極的にアピールして企業価値を高め、利害関係者の認知を良いものに変えていくことです。世の中には多数の企業が存在するため、その中から自社を知って選んでもらう必要があります。明確でわかりやすいイメージを打ち出して企業の価値を高めれば、他社との差別化ができます。さらに、製品やサービスを大きく宣伝しなくても消費者側から選んでくれるなどの効果も期待できるでしょう。企業ブランディングを行うメリット7つ上手な企業ブランディングで利害関係者から良いイメージを持ってもらえれば、企業にとっての7つのメリットが生まれます。どのメリットも、企業活動をよりスムーズで活発にしていくことに役立ちます。多くのメリットを享受できるという点でも、企業ブランディングは実践する価値のあるものだと言えるでしょう。企業ブランディングのメリット1:資金を調達しやすくなる企業ブランディングによって企業の価値を確立できれば、事業や理念への理解者や賛同者が増え、資金調達をしやすくなります。企業にとって資金調達の問題は常に付きまとう切実なものです。企業ブランディングで多くの人からポジティブなイメージを持ってもらえれば、企業の必要性が認識されると同時に、支援をしたいと思ってもらえる可能性が高まります。そのため、企業ブランディング構築後の方が資金を集めやすいでしょう。企業ブランディングのメリット2:組織文化が統一される企業ブランディングは、企業内の組織内の文化の統一をすることが可能になるでしょう。企業ブランディングがすべての従業員に浸透すれば、目標や意識が統一されるため、より一体感のある強力な企業力を手に入れることが可能です。強固な共通認識が形成されるので、組織としての発信内容や行動にブレがなくなるでしょう。それにより、利害関係者からの信頼獲得という結果を生み出せるようになります。企業ブランディングのメリット3:採用活動が成功しやすくなる人材確保という課題にも、企業ブランディングが役立ちます。企業ブランディングによってポジティブイメージを獲得できていると、就職先の候補として考えてもらいやすくなり、採用活動がスムーズに行くでしょう。就職活動では、待遇面だけでなく社風や企業理念も判断材料になります。企業ブランディングが確立していれば、企業側が欲しい人材と就職希望者の理想の職場環境とのミスマッチが減り、採用活動が成功しやすくなります。企業ブランディングのメリット4:社員のモチベーションアップが期待できる企業ブランディングは、そこで働く社員のモチベーションにも影響を与えます。企業ブランドがポジティブに受け入れられているほど、社員は自分が携わっている業務へのやりがいを感じ、モチベーションの維持や向上に繋がります。社員のモチベーションが高められれば、自然に業務効率やパフォーマンスが上がるため、「企業ブランディング」の成功が結果的に業務の質を高めることができるでしょう。企業ブランディングのメリット5:製品のブランディングが可能企業ブランディングをすることは、自社製品のブランディングにも影響します。企業ブランディングによって構築された、「安心感」や「信頼感」などのポジティブなイメージは製品のイメージにも直結するので、他社製品との差別化が図れるでしょう。「この企業の製品であれば間違いない」というような感情を抱いてもらえるので、製品の利用や購入にもつながる可能性が高まります。企業ブランディングのメリット6:製品の価値を伝えやすくなる企業ブランディングを確立していくことで、製品の価値を人々に伝えやすくする効果も期待できます。しっかりとした企業ブランドのイメージが先行すれば、製品そのものに集中してもらえるので、その製品だけの価値を伝えやすくなります。また、消費者にとっても購入の際の明確な基準になるでしょう。企業ブランディングのメリット7:マーケティングの効果が期待できる企業ブランディングでマーケティングの効果が得られる可能性もあります。ブランディングによって、その企業の社会的意義も伝えられるため、製品購入時における動機づけにも期待できるでしょう。企業ブランドによって製品の付加価値が高められるので、製品購入の後押しをするマーケティング同様の効果が得られます。他社製品との差別化もでき、市場においても類似するものがない製品として立場を確立できるでしょう。企業ブランディングを構築する方法5つここからは、「企業ブランディング」をどのようにして構築していけばよいかについて見て行きましょう。企業ブランディングを成功に導くためには、5つのプロセスを押さえることが大切です。以下で、現状の把握から最終的な運用まで、順を追って解説していきます。ブランディング構築について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。ブランディングを構築する効果9個|ブランディングのためにするべきこと6つ企業ブランディングの構築方法1:現状を把握する企業ブランディングを考える際、最初に取り組むべきことは現状の把握です。自社が今、社会の中でどのように受け入れられていて、市場ではどのポジションに位置しているのかを知ることが、企業ブランディング構築の第一歩となります。企業独自の実績や特徴を把握した上で、何を強みとしてアピールしていくか、あるいは、どのようにして好意的な社会的イメージを形成していくかなど、企業ブランディングの方向性を決定しましょう。企業ブランディングの構築方法2:ブランド定義を決める最初のステップで企業を取り巻く現状を把握したら、次は社会での認知内容や強みをもとに、ブランドの定義を決めましょう。ブランド定義は、企業の存在価値や社会的意義を伝えるための軸となるもので、特徴やビジョン、果たす役割などを決定します。ブランド像は他社にはない、独自のものであることが大切です。すでに認知されているイメージやもっと広めたい強みを中心にして、企業の良さが伝わりやすいブランド定義をしましょう。企業ブランディングの構築方法3:定義をもとに計画・開発続いて、定義したブランド像をどのようにアピールしていくのかという発信の戦略を練っていきます。ターゲット層に向けて、より効果的なアピールをするための手段や制作物の内容について計画を立てることが大切です。手段としては、メディア、製品、広告などが挙げられます。ブランドロゴやWebサイトなどは制作物にあたるでしょう。これらの選択肢の中から、企業ブランドを効果的に発信できるものを選び、実行していきます。企業ブランディングの構築方法4:検証計画した事柄を実行に移したら、その効果を検証しましょう。企業ブランディングは利害関係者に知ってもらうことで誕生するため、構築・発信した企業ブランドが理想通りに受け入れられたのかをチェックする必要があります。企業ブランディングを始めてからある程度の期間を経たところで、アンケートや市場調査などで企業ブランディングの進捗状況を確かめましょう。認知が浸透するまで地道に検証を繰り返してください。企業ブランディングの構築方法5:運用企業ブランディングで大切なことは、「継続」です。企業ブランドを根付かせるためには、移り変わる社会情勢やユーザのニーズに合わせて、アピール方法や内容を変更していく必要があります。一度きりでの運用では、企業ブランディングの効果は長続きしないでしょう。多くの人に受け入れられるブランドを確立して他社との差別化を図るためにも、「運用し、そして育てていく」という心構えを忘れないようにしましょう。企業ブランディングの成功事例4つここからは、実際に企業ブランディングをして成功を収めた事例を見て行きましょう。成功事例を把握しておくことで、より企業ブランディング活動のイメージができ、取り組みやすくなります。今回は、「Apple社」「トヨタ自動車株式会社」「株式会社タニタ」「ヤンマー株式会社」の4つの事例をご紹介します。これらの事例から、自社のブランディングの参考になるものを手に入れましょう。企業ブランディングの成功事例1:Apple「Apple」と言えば、知らない人はいないというほど有名な企業ですが、今の地位を築くことができた要因に、企業ブランディングの成功があります。Appleは、シンプルで統一感のあるデザインをコンセプトの中心に据えたことで、ユーザからの認知と信頼を得ました。シンプルなロゴや製品のデザインと、わかりやすく使いやすい操作性が幅広いユーザ層に受け入れられ、独自の地位を築くことに成功したという事例です。企業ブランディングの成功事例2:トヨタ自動車株式会社トヨタ自動車株式会社にも、企業ブランディングに成功した事例があります。トヨタ自動車株式会社では「高品質・高性能」という価値観を軸に、効率的な生産活動を実施して広めたことで企業ブランドを確立しました。利害関係者である生産ラインに携わる人々に目を向け、生産性を落とさずに人員削減をし、さらに在庫のリスクを下げる方法を考案するなど、生産ラインの効率化を進めたことで多くの人からの支持が得られた例です。企業ブランディングの成功事例3:株式会社タニタ株式会社タニタは、企業ブランディングによって一気に知名度を押し上げた企業です。株式会社タニタは、「人々の健康づくりに貢献する」というコンセプトの下に企業活動を行い、その社会的意義や実用性の高さで、ユーザからの支持の獲得に成功しました。特に話題となったのが、働く人々の健康を気遣った食事を提供する「タニタ食堂」です。「タニタ=健康づくりに有効」という企業ブランドを確立させました。企業ブランディングの成功事例4:ヤンマー株式会社ヤンマー株式会社は、企業ブランディングの中でも「リブランディング」という手法で成功を収めました。農機具の企業として認知されていたヤンマー株式会社は、長年のイメージを脱却すべく方針変更してブランディングを進め、持続可能な資源循環型社会の実現を目指す企業として生まれ変わりました。さらに、庶民的な企業イメージを「エルメスのような会社」にすべく一貫したブランディングを実行し、イメージ変更を順調に進めました。企業ブランディングを進めてみよう今回は、企業ブランディングのメリットや成功事例についてご紹介しました。物やサービスが溢れる現代では、どのようなコンセプトの下で社会的な役割を果たすのかという企業の価値観が、他社との差別化に大きく影響します。この機会に、ぜひ企業ブランディングに取り組んで、唯一無二の存在を目指してみてはいかがでしょうか。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。