市場の飽和とともに商品やサービスのコモディティ化が進み、機能や性能だけで他社と差別化を図るのが難しい時代となってきました。そこで自社の商品を消費者に選んでもらうために必要な要素の1つがブランディングです。ブランディングというのは、「○○といえばこの会社」といったように、消費者の間に商品やサービスを認識してもらうための戦略と言えます。ブランディングの成功は、売り上げにも貢献していくでしょう。今回の記事ではブランディングについて解説していきます。ブランディングとはブランディングとは、顧客に自社を認知し、よい印象を持ってもらうためのマーケティング戦略の1つです。 現在ブランディングは企業や組織にとって欠かせない手法となっていますが、その必要性はどこにあるのでしょうか。ブランディングの必要性現在市場にはあらゆる商品・サービスが溢れています。類似の商品が多くあるため、消費者はどれを選ぶべきか迷うことも多くなっています。ブランディングで目指すことは「○○といえばあの商品」「○○といえばあの会社」といったように、同業他社からの差別化を図ることです。 「○○」という商品を頭に思い浮かべたとき、第一の選択肢となれるように認知度を上げることが、ブランディングの重要な役割といえます。ブランディングとマーケティングの違いは?マーケティングとブランディングは重なる部分もありますが、根本的には違うものです。例えばある商品を売り込みたいときに、「この商品はこれだけの価格でこれだけのことができます」と直接メリットを説明するのがマーケティングです。 それに対してブランディングは、企業自体やその企業が提供する商品やサービスのイメージを向上させることを主眼としています。消費者によいイメージを持ってもらうことが目的です。マーケティングとブランディングの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。ブランディングとマーケティングの違いを徹底解説!3つの役割と両者の成功事例!【企業編】ブランディングのメリット6つ企業がブランディングを行うことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。 市場に溢れる商品の中から自社のものを選んでもらうためには、価格競争に参入しなければなりません。しかしブランディング戦略がうまくいっている企業は、過度な価格競争を行わなくてもよくなります。 その他、ブランディングによる企業側から見たさまざまなメリットについて、以下でご紹介しましょう。企業ブランディングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。企業ブランディングとは?企業ブランディングのメリット7つと成功事例をご紹介企業のブランディングメリット1:価格プレミアムの効果がある激しい価格競争を勝ち抜かなければ市場でのシェアは拡大しませんが、「○○といえばこの会社」という評価を得ていれば、そこに値段以上の価値が付加されます。例えばスターバックスコーヒーの単価は決して安いとはいえませんが、スターバックスのおしゃれで都会的なイメージが集客に大きく影響しています。ブランディングのメリットは、価格プレミアムの効果が期待できる点といえます。企業のブランディングメリット2:商標権など法的保護が受けられる一目見てその商品やサービスを思い浮かべることができるものが商標です。有名企業のロゴやマークがすぐに思い浮かびますが、これは企業のブランディングを確立するうえで重要な役割を果たします。商標登録をしたロゴなどには独占権が与えられ、他社が似たような商品やサービスを提供することを防ぎます。また、商標を見たときに消費者が抱くイメージが安心感を与え、その企業の評価につながるといえるでしょう。企業のブランディングメリット3:他サービスとの差別化ができる類似の商品のなかから自社の製品を選んでもらうために有効なのは差別化です。顧客の中に「この会社なら大丈夫」「これを選んでおけば間違いない」というイメージを作っておくと、選択の前段階で有利になるでしょう。 一度抱いたイメージを覆すのは難しいものです。顧客に良い印象を持ってもらえれば、リピート率も高くなると予想でき、他社の参入の障害となることも可能でしょう。企業のブランディングメリット4:知名度が上がるブランディングに力を入れている企業は、様々な方法でイメージアップを図っています。有名な芸能人を起用したユニークなテレビCMがすぐに思い浮かびますが、そのようなコマーシャルは多くの人の間で話題になります。 話題になると多くの人の興味を引き、それがまた企業の知名度を上げていきます。知名度が上がることでビジネスチャンスが拡大することはもちろん、優秀な人材の獲得にも貢献するでしょう。企業のブランディングメリット5:安定した売上を保てる消費者に良いイメージを与えることができれば、売り上げは安定してくるでしょう。ブランディングは、その会社の「ファン」を増やすことにも似ています。「ファン」は簡単には離れていかないものです。一度「ファン」になった顧客は、次の購買機会にも好きなブランドを選んでくれると考えられます。企業のブランディングメリット6:働く従業員のモチベーション向上従業員のモチベーションを向上させることも、ブランディングのメリットといえます。誰もが知っている企業に勤めているということは、そこで働く人たちの誇りともなり得ます。 企業に対する忠誠心というのは古い考え方でしょうが、従業員に愛着を持ってもらうことは重要です。ブランディング戦略は企業にも大きなメリットがありますが、そこで働く従業員にとっても自尊心を満たし、意欲を持って働くモチベーションになるでしょう。【顧客編】ブランディングのメリット3つ企業にとってのブランディングのメリットを紹介してきましたが、では顧客にとってブランディングはどのような利点があるのでしょう。 新しく何かを買おうとするとき、指標がなければ商品選択には大変時間がかかります。また、同じような値段のものを購入した場合、有名企業のものとそうでないものでは、満足度が変わってくるでしょう。 以下では顧客にとってのブランディングのメリットについて考えていきます。顧客のブランディングメリット1:商品の選択コストを下げられる買うべきものがあるとき、理想に近い商品を探すのには案外手間がかかるものです。実店舗ならそこへいく労力や交通費がかかり、ネット上で探すにも時間が必要です。あらかじめ選択肢が示されていれば、商品を選ぶときにかかるコストが抑えられます。ブランディングによって購入する商品をある程度想像することができれば、顧客にもメリットがあるといえるでしょう。顧客のブランディングメリット2:満足感を得られる商品を購入することで満足感をもたらしますが、それが特に自分が納得したものであればなおさらでしょう。ブランディングの効果でよいイメージを抱いている企業の商品は、消費者に特別な満足感を与えると考えられます。商品の機能に満足するだけでなく、所有することによる情緒的な価値も付加されるといえるでしょう。顧客のブランディングメリット3:自己実現の手法となるブランドの商品を持つことは、消費者の自己実現の手段となり得ます。顧客はそのブランドが持つイメージを、商品を所有している自分も共有できると考えるためです。 憧れのブランドを持つことで、顧客は自分を表現することができます。例えばiPhoneを所有する消費者は、アップルの革新的な技術を利用している自分を他者にアピールすることができます。ブランドを構築していくには漠然としたビジョンにとどまるのでなく、費用対効果の高いブランディング戦略はどのように立てればいいのでしょうか。 その手順は「環境分析」「アイデンティティの設定」「対象顧客の選定」「ブランド目標の設定」「具体的な設計」という流れです。以下で詳しくご紹介します。環境分析マーケティング戦略をたてるうえで重要なのが、企業の置かれた環境を分析することです。特にPEST分析といわれる手法が知られています。 PEST分析は「政治・法律」、「経済」、「社会」、「技術」の4つの観点から分析を行います。分析することで自社の現状から目指す方向までを把握することができるでしょう。またこの結果により、市場機会を見極めることもできるでしょう。アイデンティティの設定ブランドのアイデンティティを設定するひとつの方法は、顧客に抱いてほしいイメージを明文化することです。明文化すると共通の認識ができ、方針がぶれることが少なくなります。 端的な言葉で企業やその商品を定義することで、企業側にも顧客側にもわかりやすい旗印が示され、共通のイメージが想起されやすくなるでしょう。ブランドアイデンティティについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。ブランドアイデンティティの優れたイメージ機能3つ|構成要素や効果も紹介対象顧客の選定購買層が広いことはメリットになりますが、すべての人を対象にブランディングを考えることは大変難しいと考えられるため、対象の顧客を選定する必要があります。 自社のサービスや商品を高く評価してくれる顧客像をしぼることで、効率的なマーケティング戦略が行いやすくなるでしょう。ブランド目標の設定環境分析によって自社の強みと弱みを把握することで、アイデンティティを可視化し、対象顧客を絞り込んだら目標を設定しましょう。 いつまでにどのくらいの成果を上げるのか、数値を出します。ブランディングは企業のイメージを上げていく手法であるため、目に見えるかたちでの結果はすぐには出にくいといわれていますが、実績をあげるための目標設定は必要といえます。どのように確立していくか具体的な設計最後にどのようにブランドを確立していくか、具体的な設計を考えます。業種や扱う商品・サービスによっても大きく異なりますが、環境分析の結果などに基づき、効果的な手段を考えます。 利用できる媒体もさまざまなため、ターゲットになる消費者に訴えるのはどの媒体なのかを見極めることが重要です。ブランディングをして売上増加と認知度向上を進めていこうこれからの日本の市場においても、ブランディングは企業にとって欠かせない戦略といえます。 ブランディングは企業の認知度を上げ、売り上げにつなげていくことができる手段です。他社からの差別化を図るために、ブランディングを進めていきましょう。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。