「ダイレクトマーケティングとはどのようなマーケティングなのか」「ダイレクトマーケティングにはどのような効果があるのか」といった形で、本記事をお読みの方の中にはこのようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ダイレクトマーケティングを一言で説明すると、「顧客ニーズに合わせた販促を行うマーケティング」です。新規獲得から購入後まで、一気通貫したコミュニケーション設計を行い、顧客との関係を構築しながら販促を実施していきます。例えば、「Web広告によって商品を購入してもらう」「届いた商品の梱包・パッケージ・同梱物などに感動してもらう」「その後会員サイトへ誘導してファンになってもらう」など、それぞれのコミュニケーションを一貫して設計します。ダイレクトマーケティングには、主に以下のような手法があります。ダイレクトメールテレマーケティングメールマーケティングSNSマーケティングレコメンデーション商品への封入物・同梱このように、ダイレクトマーケティングの手法は多岐に渡るため、顧客の段階ごとのニーズを把握し、適した手法を選ぶことが重要です。この記事では、ダイレクトマーケティングとはどのようなマーケティティング手法なのかということに始まり、メリットやデメリット、ダイレクトマーケティングの実用性や成功例までを初心者でもわかりやすくお伝えしています。ぜひ参考にしてみてください。ダイレクトマーケティングとは?企業が様々な広告メディア(TVCM・雑誌広告・ダイレクトメッセージ・Webサイトなど)を柔軟に活用し、顧客に直接コミュニケーションを取る事で得た反応やデータを、集計・分析し、より効果的なターゲティングを可能にしたマーケティング手法の事です。ここからは、ダイレクトマーケティングの特徴を見ていきましょう。ダイレクトメッセージ作成が比較的手軽でその効果も測りやすいダイレクトメッセージ(DM)は非常に有効な広告媒体です。また、商品や見込み客・顧客の購買動向・年齢層・性別などによって送付先を絞り込む事はダイレクトマーケティングには欠かせない要素の一つと言えるでしょう。おすすめ広告顧客の購入履歴(インターネットショッピングの場合は閲覧履歴も含まれる)を分析し、関心がありそうな情報や商品を提示して別の商品の購入を促す、いわゆるレコメンデーションもダイレクトマーケティングの手法の一つです。代表的なものにAmazonの「あなたにおすすめ」などがあります。ダイレクトマーケティングではない3つのケース次に、ダイレクトマーケティングをより分かりやすくするために、ダイレクトマーケティングに該当しない代表的な例を3つ挙げておきます。基本的には、スーパーマーケット・ドラッグストアなど小売店で販売している、トイレットペーパー、飲料など日用消耗品のCMや広告をイメージするとわかりやすいでしょう。流通を通じて売る場合ダイレクトマーケティングは、企業がダイレクトメールなどの広告媒体を使って顧客に直接コミュニケーションを取る手法です。生産者と消費者の間に、問屋・卸売り業者や小売店(百貨店・スーパーマーケット・コンビニエンスストアなど)などの流通業者(※物流は含まれません)が入る場合は、ダイレクトマーケティングではないと言えます。結果を数値化できない場合一般的なテレビCMや新聞広告を見て購買を決める、マス・マーケティングは、反応率(どの広告に反応したのかや、どれだけの人がその広告を見て購買を決めたかどうか)などの費用対効果が計測しにくい点が挙げられます。マス・マーケティングでの広告の役割は、企業のイメージ向上や商品の認知度アップを目的としているので、「その広告でどのくらいの成果を上げられたのか」を、数値で表すことが非常に困難です。その点ダイレクトマーケティングでは、そもそも結果を出すことが目的とされているので、広告の趣旨が違います。データを収集しない場合ダイレクトマーケティングでは、同じ顧客に何度も購買をしてもらう事を一つの目的としているので、顧客リスト(名前・住所・メールアドレスなどの個人情報)をどのようにして得るかが重要になってきます。例えば、資料請求や無料サンプルを活用して個人情報を集めることや、顧客の広告に対しての反応率、商品のリピート購入率などのデータを蓄積する事が必要です。データ収集を行わない場合も、ダイレクトマーケティングではないと言えるでしょう。ダイレクトマーケティング6つのメリットここでは、ダイレクトマーケティングのメリットについてご説明します。単純にメリットといっても様々なものがあるので、押さえておくべきこと6つをご紹介します。ダイレクトマーケティングのメリット1:コストパフォーマンスが良い先述しましたが、ダイレクトマーケティングの大きなメリットは、広告に対してコストパフォーマンス(費用対効果)が明確であることだと言えるでしょう。マス・マーケティングのように大々的に広告宣伝をするのではなく、ターゲットを絞って広告宣伝を行うので、投資に見合った資金を回収できるという利点があります。ダイレクトマーケティングのメリット2:PDCAが回しやすいダイレクトレスポンスでは、広告宣伝に対してのレスポンス率や顧客のリピート購入率を正確に数値化できるのが特徴です。それらの数値が悪い場合は、改善が可能です。掲題にあるように、P:Plan(計画)、D:Do(実行)、C:Check(評価・検証)、A:Action(改善)のサイクルを回しやすいという点が挙げられます。ダイレクトマーケティングのメリット3:売り上げが予測しやすいデータを取集して蓄積することで、費用対効果や顧客の購買動向が数値で見えてきます。それによって、KPI(重要業績評価指標)を正しく設定しやすくなる為、どの商品がどの程度売れるのかという売り上げ予測が立てられるようになります。また、売り上げの予測がつくということは、より計画的な運営が可能になるので、企業にはとても大切なことだと言えます。ダイレクトマーケティングのメリット4:収益が安定しやすいダイレクトマーケティングの代表例として、定期購入や定期購読などの、商品や商材を定期的に自動購入するサービスが成果を挙げています。このサービスは、一度契約すれば長期的に収入が見込める為、収益が安定しやすくなります。また、定期購入ではなくても、DMやメールでリピート購入を促すなど、顧客リストや蓄積されたデータを活用してより良いマーケティング活動を展開してくことが可能です。ダイレクトマーケティングのメリット5:ユーザーのニーズがわかりやすいダイレクトマーケティングにより得た顧客の購買行動のデータを分析し、「どのオファー(取引条件)の反応が良いのか」や、「どの商品が売れているのか」など顧客のニーズが、憶測や長年の勘ではなく実際に把握できるようになります。そうすることによって、新しい商品の開発や、新しいサービスのヒントにもなります。つまり、さらなる売り上げにもつながっていきます。ダイレクトマーケティングのメリット6:少人数で活動しやすい少人数で事業を運営している中小企業では、事業拡大に割ける人手が少なく、なかなか会社を成長させられないという問題が立ちはだかります。しかし、ダイレクトマーケティングでは、WebサイトやDM、カタログなどの広告媒体が、セールスマンの代わりを担ってくれるので、多くの人手を必要としません。必要であれば、業務をアウトソーシングすることもできるので、お問い合わせやクレーム対応などにかかる人手も削減できます。ダイレクトマーケティングの3つのデメリットダイレクトマーケティングのメリットをお伝えしましたが、ここではデメリットを3つご紹介します。これからダイレクトマーケティングの導入を検討している方は、事前にデメリットを把握し想定しておくことで、ある程度リスクヘッジができるようになります。ダイレクトマーケティングのデメリット1:初期コストがかかるこれは、ダイレクトマーケティングに限らず、新しい事業を起こす場合、初期投資とリスクが付き物です。ダイレクトマーケティングの場合は、新しい顧客を獲得するための広告費に投資をすることは避けて通れません。また、取り扱う商品や商材によっては、無料サンプルを配ったり、初回大幅割引などを行う必要があるので、さらに投資がかさむことになります。ダイレクトマーケティングのデメリット2:時間がかかる軌道に乗ってしまえば売上予測も立てやすく、収益も安定する反面、ダイレクトマーケティングでは、1人の顧客に繰り返し購買をしてもらうことを目的としていますので、初回購入だけではほとんど利益がでません。先ほどもお伝えしたように、新規顧客獲得に無料サンプルや初回大幅割引を導入する場合が多いので、初回売上時点では赤字のこともあります。もちろん様々なオファーがあるので一概には言えませんが、初期投資を回収するにはある程度の期間が必要になります。ダイレクトマーケティングのデメリット3:アップデートする必要があるダイレクトマーケティングでは、顧客の反応を見ながら広告の内容やオファーなどのテストを繰り返し行い、出た結果を集計・分析・検証し、そのデータを基に改善をしていかなければなりません。また、顧客のニーズに応えるため、常に商品やサービスを新しいものへ更新していく必要もあります。ダイレクトマーケティングの成功例3選ここまで、ダイレクトマーケティングのメリット・デメリットと「ダイレクトマーケティングとはどんなものなのか」ということを見てきました。ここからは、実際にダイレクトマーケティングを取り入れて、成功を収めている企業を厳選してお伝えしていきます。ソフトバンク株式会社ソフトバンクといえば、CMが話題を呼んでいましたが、その裏でしっかりとダイレクトマーケティングを取り入れています。その当時、通話料無料という強烈なオファーで新規顧客を獲得し、顧客リストを集めたソフトバンクは、既存の顧客に対し新機種への機種変更や、新サービスの導入を直接促すのではなく、DMを使って好感度を上げるという施策を実施しました。内容は、ユーザーがこれまで使用してきた携帯端末を、その時代背景と共に一冊の冊子にまとめ、それをDMとして各ユーザーに送るというものでした。結果、従来のDMと比較して多くの変更率を達成しています。ネスレ日本株式会社ネスレジャパンは、顧客にコーヒーマシンを無料で貸し出し、その顧客が知人にコーヒーマシンを紹介し使用すると紹介者はポイントがもらえるという、ネスカフェアンバサダー制度を導入しました。アンバサダー制度によって、企業と顧客または、顧客同士のリレーションシップを構築し、それによって顧客を増やしてカートリッジの定期購入を促進することで成功を収めています。株式会社DHC化粧品会社もよくダイレクトマーケティングが導入されていますが、DHCもその中の一つです。まず無料サンプルを配布し顧客リストを集め、会員限定セールや定期購入へつなげ、会員は購入金額に応じたサンプルがもらえるといった流れです。通常、健康食品や化粧品の定期購入の場合、3ヶ月目から急激に離反率が上がるということが懸念されますが、DHCは3ヶ月目にその顧客のニーズにあった自社商品をプレゼントするという形で離反を防いでいます。ダイレクトマーケティングでユーザーのニーズを知ろう!ここまで、ダイレクトマーケティングについてメリットやデメリットの他に成功事例などを詳しくみてきましたが、いかがでしたか。近年、ダイレクトマーケティングを企業に取り入れ成功している会社が増えてきています。企業が顧客に直接コミュニケーションを取る手法は、大企業よりも小回りが効き、レスポンスが良い中小企業に向いていると言えるのではないでしょうか。インターネットの進化と共に、より顧客のニーズや費用対効果が可視化しやすくなった今、ダイレクトマーケティングを取り入れない手はないのではないでしょうか。本記事では、ダイレクトマーケティングについて解説しました。ダイレクトマーケティングは今や業種や業界を問わず、多くの企業で事業を加速させるために必要不可欠なものとなっています。しかしながら、これまでダイレクトマーケティングの経験がないのに、今から始めようと思っても何から手をつけて良いか迷ってしまうでしょう。そこでおすすめなのが、マーケティング会社を活用することです。マーケティング会社に委託することで、戦略設計や分析・評価・改善施策の立案などをサポートしてくれます。弊社では、ダイレクトマーケティングの企画や戦略設計・実際の運用、伴走型のコンサルティングのご支援も行っています。無料のオンライン相談を実施していますので、マーケティングに課題を抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。