スマホの普及や「5G」をはじめとするインターネット環境の進歩によって、企業のマーケティング活動にデジタルを活用した施策は欠かせないものとなっています。しかし、デジタルマーケティングに予算を投下しても、思ったような成果があげられない・リソースが足りずに施策自体がストップしてしまっているといったケースも少なくありません。そこで本記事では、最新のデジタルマーケティングの成功事例について、背景や課題・実際に実施した施策・戦略構築の意図、そして最終的な成果を交えながら解説していきます。これからデジタルマーケティングに注力したいが、何をすべきか迷っている・どのような戦略を立てるべきか分からないといったマーケティング担当者はぜひ参考にしてください。【関連記事】▶︎プロが教えるデジタルマーケティングに強いおすすめの企業7選|失敗しない選び方も解説デジタルマーケティングの成功事例:5選事例①YouTube動画を活用してECサイトの売上500%を達成|インテリアメーカーメディア名非公開運営会社非公開目的ECサイトへの送客数アップ戦略テキストや写真だけでは分かりにくインテリアを動画を通して伝えることによって、ユーザーの購入意欲を高めECサイトへの送客を増やすインテリア系のECサイトを運営するA社では、売上は堅調に伸びていたものの、目標とする数値には届かないという課題を抱えていました。また、リスティング広告やSNS広告の施策を運用し新規顧客を開拓しているが、CPAが高騰化し費用対効果が合わないといった背景も同時にありました。そこで、新たなマーケティング施策としてYouTubeを活用したコンテンツマーケティングの実施を決定。弊社がパートナーとなり、施策の全体設計や実際のチャンネル開設〜運用を行いました。制作した動画は、YouTubeで配信するだけではなく、「実店舗のディスプレイでも配信する」「メルマガやLINEで配信する」「ECサイト内へ埋め込む」など積極的に二次利用することで、有効活用を行いました。結果的にYouTubeチャンネルからのECサイトへの流入が増加し、月商500%アップを達成しました。▶︎当事例についてより詳しく知りたい方は、「YouTubeを活用したマーケティングで、インテリア系ECの月商が500%アップ」を参考にしてください。事例②Twitterを活用し、商品の口コミ数を約15倍に|食品メーカー出典:ジョンソンヴィルメディア名ジョンソンヴィル 公式アカウント運営会社ジョンソンヴィル目的日本国内のブランド認知度アップ戦略生活感のある画像を投稿することで、ユーザーに親しみを持ってもらい自ら商品に関する口コミ発信を行なってもらう。アメリカの老舗ソーセージメーカー「ジョンソンヴィル」では、一般的なソーセージに比べると、価格帯が高く日本での認知度も高くないため、日本国内ので認知獲得に課題を抱えていました。そこで、2019年8月より、質の高い認知獲得と認知からの購入促進を目的にSNSマーケティングに着手しました。%3Cblockquote%20class%3D%22twitter-tweet%22%3E%3Cp%20lang%3D%22ja%22%20dir%3D%22ltr%22%3E%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%94%E3%81%96%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E2%98%80%EF%B8%8F%3Cbr%3E%3Cbr%3E%E4%BB%8A%E6%9C%9D%E3%81%AF%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%F0%9F%8D%B4%3Cbr%3E%3Cbr%3E%E9%A6%99%E3%81%B0%E3%81%97%E3%81%8F%E7%84%BC%E3%81%8D%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%9F%20%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Fhashtag%2F%25E3%2582%25B8%25E3%2583%25A7%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25BD%25E3%2583%25B3%25E3%2583%25B4%25E3%2582%25A3%25E3%2583%25AB%3Fsrc%3Dhash%26amp%3Bref_src%3Dtwsrc%255Etfw%22%3E%23%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%3C%2Fa%3E%20%E3%81%AB%E7%84%BC%E3%81%8D%E3%81%8A%E3%81%AB%E3%81%8E%E3%82%8A%E3%80%81%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%AB%E3%81%AA%E9%87%8E%E8%8F%9C%E3%81%A8%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%84%F0%9F%A5%AC%3Cbr%3E%E6%B0%97%E5%88%86%E3%81%8C%E4%B8%8A%E3%81%8C%E3%82%8B%E6%9C%9D%E3%81%94%E3%81%AF%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%99%E2%9C%A8%3Cbr%3E%3Cbr%3E%E8%A6%8B%E3%81%9F%E7%9B%AE%E3%82%82%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%82%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%AA%F0%9F%91%8D%3Cbr%3E%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%8F%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%EF%BC%81%3Cbr%3E%3Cbr%3E%E7%B4%A0%E6%95%B5%E3%81%AA%E4%B8%80%E6%97%A5%E3%82%92%E3%81%8A%E9%81%8E%E3%81%94%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%F0%9F%8C%B7%20%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ft.co%2Fv4Xuanobsl%22%3Epic.twitter.com%2Fv4Xuanobsl%3C%2Fa%3E%3C%2Fp%3E%E2%80%94%20%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%20(%40johnsonville_jp)%20%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Fjohnsonville_jp%2Fstatus%2F1645215283307761664%3Fref_src%3Dtwsrc%255Etfw%22%3EApril%2010%2C%202023%3C%2Fa%3E%3C%2Fblockquote%3E%20%3Cscript%20async%3D%22%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplatform.twitter.com%2Fwidgets.js%22%20charset%3D%22utf-8%22%3E%3C%2Fscript%3ESNSマーケティングには、ユーザーの態度変容や自分ごと化を促す「口コミ(UGC)」をKPIに設定。綺麗すぎる画像を投稿すると宣伝色が強くなってしまうため、宣伝色のない生活感のある画像を中心に投稿し、トレンドやカンバセーションカードなどを利用したユーザー参加型のコンテンツを企画することで、フォロワーのエンゲージメントを高めました。結果的に1年間のSNSマーケティング施策で、フォロワーは400から48,202フォロワーに向上。月間のUGC数も280件から2,465件と約9倍になりました。実店舗のPOSデータにも売上改善のデータが見られ、口コミ数と比例して販売金額も向上しました。参考:商品の「自分ごと化」を促し、1年でクチコミ数が9倍に! 売上アップも実現した老舗ソーセージブランド、ジョンソンヴィルのSNS活用|Twitterマーケティング支援|ホットリンク事例③SEOでCVRと受注数の大幅アップを実現|サービス業出典:株式会社メンタルヘルステクノロジーズメディア名産業医クラウド運営会社株式会社メンタルヘルステクノロジー目的ホットリードの獲得戦略実際の顧客へのインタビューを通して、顧客理解を促進。ニーズにあったコンテンツ制作により、受注確度の高いホットリード獲得を目指す。「企業をもっと健康に」をモットーに従業員のメンタルヘルスケアに関するさまざまなソリューションを展開する株式会社メンタルヘルステクノロジー。従来からリード獲得を目的としたWeb広告やウェビナー・SEOなどのデジタルマーケティング施策を実施していたものの、コロナ禍によるビジネス環境の変化により、これまでのリード獲得施策に課題を感じるようになりました。特に、リード獲得の柱であったWeb広告では、クリック単価が以前の10倍まで跳ね上がり費用対効果が悪化したため、別のチャネルでの戦略や施策強化が急務となりました。そこで、SEO施策の強化を決定。施策の目的をただリードを獲得するだけでなく、受注確度の高い「ホットリード」の獲得に設定し、まずは顧客の声を聞くために対面でのインタビューである「デプスインタビュー」によって、ニーズの把握に努めました。自社のオウンドメディアで、顧客ニーズに沿ったコラム形式のコンテンツを制作することで、上位表示に成功。ホットリードの獲得とCVRの改善に大きく寄与しました。参考:株式会社メンタルヘルステクノロジーズ | 事例 | 才流事例④自社の雰囲気やカルチャーをオウンドメディアで発信し、採用力の強化を実現|フリマアプリ事業出典:メルカリメディア名メルカン(mercan)運営会社株式会社メルカリ目的人材獲得の強化戦略自社のメンバーやカルチャーを軸としたコンテンツづくりをすることによって、求職者に「こんな人と働きたい」「カルチャーに共感できる」と感じてもらい、自社採用へとつなげる。フリマアプリを運営する株式会社メルカリでは、自社に合った優秀な人材の獲得や採用後のミスマッチを減らすことを目的にオウンドメディア「メルカン(mercan)」を運用しています。メルカンでは、『メルカリの“いま”を正しくかつ遠くまで届け、エンパシーの総量を増やす。』をコンセプトに、自社の社員インタビューやチームやカルチャーの紹介・社内での出来事について発信しています。メルカリに興味を持っている求職者をターゲットとし、面接や採用前にメディアを見てもらうことで社内の雰囲気やカルチャーを知ることができるため、採用後のミスマッチを大幅に減らすことができます。実際に入社したメンバーのほぼ全員が、入社前にメルカンを見ていたというデータも明らかになっています。また、リクルーティングの媒体に出稿する必要がないため、採用にかかる広告費を削減することや、会社とマッチング度の高いメンバーを採用できるため離職率を下げることができるといったメリットがあります。事例⑤新規ユーザー獲得のためにTikTok広告を配信し、CPAを従来の1/5に削減|人材サービスメディア名TikTok運営会社非公式目的新規ユーザー獲得とCPAの削減戦略既存の獲得手法に限界が見えていたため、新たにTikTok広告に予算を投下。勝ちクリエイティブを見つけるとともにTikTok専門の広告モデルを起用した広告を配信し、CPAを従来の1/5に削減。人材サービスを展開するA社では、リスティングやディスプレイ・各種SNS広告で新規ユーザーを獲得していたものの、「新規獲得数に限界を感じている」「CPAが高騰している」といった課題を抱えていました。そこで新規施策として、TikTok広告の配信を決定。人材業界ではTikTok広告の活用例があまりなく、自社や依頼していた代理店に知見のあるメンバーがいなかったため、弊社がコンサルタントとして施策のサポートを行いました。競合の人材サービスの動画広告のクリエイティブを徹底的にリサーチし、勝ちクリエイティブを発見。TikTok広告の早いクリエイティブの枯れを見据えた上で、週次で広告追加や改善できる体制を構築し、運用を進めていきました。結果として、他のWeb広告施策と比較して、CPAを1/5に削減することに成功。会員登録からの成約までのプロセスも問題なく推移したため、予算を3倍以上に引き上げて運用を継続しています。▶︎当事例についてより詳しく知りたい方は、「TikTok広告を初実施!CPAが過去のWeb広告の1/5へ」を参考にしてください。デジタルマーケティングで失敗する3つのケースと対応策デジタルマーケティングは実行すれば必ず成功に至る「飛び道具」ではありません。実際に多くの予算を投下したものの、失敗してしまったというご相談を受けることも多くありません。そのため、デジタルマーケティングの失敗例としてよくあるケースと対応策についていくつか紹介します。顧客への理解が足りず、誤ったコミュニケーションをしてしまうよくあるのが、デジタルマーケティングの施策を実行することが目的となってしまい、顧客のニーズや抱えている悩みを無視したマーケティングがなされているケースです。例えば、ToB向けのサービスを開発〜販売するA社では、オンラインからの売上アップを狙い、Web広告やランディングページの最適化を行いましたが、結局オンラインからの売上増加は微々たるものに終わってしまいました。この原因を探るために顧客にヒアリングをしたところ、高単価なサービスのため、実際に営業パーソンと相談しながら導入を決めたいといったニーズがあることが判明しました。このような顧客ニーズを無視して、オンラインでサービスの導入が完結するような施策を展開したため、サービスの導入の妨げになっていたのです。そのため、サービスの魅力をオンラインで最大限に訴求し、お問合せや資料請求をしてくれたユーザーに対して、営業パーソンが架電〜訪問するフローに変更することで、売上の改善を実施しました。デジタルマーケティングだからといって、オンラインで完結させようとするのではなく、あくまでも顧客のニーズをしっかりと理解した上で、最適なコミュニケーション戦略を設計することが求められます。そもそものデジマ施策の目的が曖昧になっているデジタルマーケティングと言っても、目的や得たい結果によって、やるべき施策や戦略構築の方法は異なってきます。例えば、オンラインで「リードを獲得したいケース」と「サービスの認知度を上げたいケース」では、打つべき施策は変わります。リードを獲得したいのであれば、ターゲットとなるユーザーに対して直接的に広告を打つことやターゲットが検索するであろうキーワードでSEO施策を打ち、コンテンツの上位表示を狙うといったことが考えられます。一方でサービスの認知度を上げる場合には、まだサービス自体を知らない・もしくはニーズや悩みが顕在化していない層に向けた施策を展開していきます。何のためにデジタルマーケティング施策を実行するのかといった目的が曖昧だと、誤った施策に予算や時間を費やしてしまうことになります。最初から予算をかけすぎてしまう・もしくはかけな過ぎてしまうデジタルマーケティングは、施策開始当初から多くの予算を投下するのではなく、まずはスモールスタートすることを推奨しています。例えば、Web広告を新たに始めるケースで考えてみます。Web広告を開始する際には、ターゲットの選定や媒体の選定、そしてディスプレイやリスティングなど手法の選定、クリエイティブの制作など多くの決定要素があります。そのため、最初から一つの施策に多くの予算を投下してしまうと、失敗した際の損出も大きくなります。デジタルマーケティングの基本は、数値を見ながら検証を行い、少しずつ改善を行なっていくことです。仮にディスプレイ広告よりもリスティング広告の方が費用対効果が高いのであれば、配信手法を変更するといった柔軟性が必要ですので、まずはどの手法が最適なのかを探るためにスモールスタートで始めましょう。ただし勘違いしてはいけないのが、スモールスタートと言っても施策が効果的なのかを判断できるレベルでなければいけません。業種や扱っている商材にもよるので、一概には言えませんが「1日だけ広告を配信する」「10インプレッションだけ配信する」といったレベルでは施策が効果的なのかを判断できません。デジマ戦略の設計〜分析はプロに任せよう!本記事では、デジタルマーケティングの最新の成功事例について解説しました。成功に至るデジタルマーケティングの施策には、綿密な戦略設計や、施策実施後の検証〜改善のフローが適切に行われています。弊社では、デジタルマーケティングの企画や戦略設計・実際の運用のご支援も行っています。無料のオンライン相談を実施していますので、デジタルマーケティングに課題を抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。