VTuberは、YouTubeの動画配信を、デジタルで作成されたキャラクターで行うものです。仮想の存在であるVTuberには、企業が広告塔として使う場合に多くのメリットがあります。デジタル時代の存在であるVTuberを、自社の広告戦略に活かしてみましょう。VTuberとは?VTuberはブイチューバーと読み、YouTubeで動画を配信する際に、生身の人間ではなく、抽象化されたキャラクターが配信する場合の配信者をいいます。VTuberはバーチャルYouTuberの略語で、視聴者から見た場合に、実際には存在しないキャラクターが見える動画の配信者で、企業の広告などで、多くの活用の可能性が考えられています。また、VRやAR、5GやAIなどの今後伸びていくテクノロジーとも相性が良いため、取り入れて損はないでしょう。VTuberをYouTubeの広告塔として活用するメリット6選VTuberをYouTubeにおける広告塔として活用するメリットは、VTuberが持つ造形の自由度の高さと非属人性です。形を表現できるものであれば、二次元でも三次元でも、人間でも無機物でもキャラクター化することができます。実在の男性や女性ではないので、イメージやスキャンダルなどがないのも特徴です。テレビへの出演など、VTuberの認知度は上がってきています。1:企業のオリジナリティを出すことができるVTuberは、特定の個人と紐づけられないので、企業のオリジナリティを全面に押し出すことができます。実在の人物をイメージキャラクターとすると、自社のイメージと完全に合わせることは難しく、その人物の広告外の行動でさらにイメージとかけ離れてしまう場合もあります。しかしVTuberは、企業のイメージに合わせて作ることができ、YouTubeなどの活動も企業の思う通りにすることが可能です。すでに企業のイメージキャラクターがある場合は、それをそのまま動かすこともできるので、オリジナル性をさらに強めることができます。2:柔軟な活動ができるVTuberは、YouTube上でオリジナルのキャラクターを作れるので、広告なども含めて柔軟に活動することができます。キャラクターを企業のイメージとして採用する場合、人気のあるアニメなどを使用する場合もありますが、すでに作り上げられているアニメの世界観に外れる活動ができません。VTuberは、企業が独自で使用を決められるため、どのような企画でも実現することが可能です。3:管理の負担が少ないVTuberは、実在する人間のインフルエンサーやYouTuberと違って、企業の意図しないトラブルや体調不良などの問題が起きないため、管理の手間がかかりません。さらに、VTuberは発信内容をすべて企業でコントロールできるため、広告の意図通りの情報以外を排除することができます。また、VTuberには実体がないため、VTuber自身によるスキャンダルが発生しないのもメリットです。4:キャラクターの魅力を発揮できるVTuberは、広告のイメージをベースに作ったキャラクターをYouTubeで展開できるため、企業の望み通りの魅力を発揮することができます。人気のあるYouTuberや有名人を企業の広告塔として選んでも、本人の望むイメージが別にあるため、企業の求める魅力通りの展開は難しい面があります。VTuberは、企業の求めているイメージからキャラクターを作るため、自社の望む魅力を全面に押し出すことが可能です。5:新規のファンを獲得できるVTuberは、属性を簡単に変更できるため、市場調査などの結果に応じてターゲットファンに合わせてキャラクター自体を作り変え、新しいファンを獲得することができます。実際の人間に準拠していないため、自社の広告に出演するVTuberから、嫌われる要素をなくしていくことができます。既存の価値観を引きずらない、魅力的なVTuberのキャラクターを作り上げられれば、これまで企業の提供する商品に興味を持っていなかった顧客を取り込むことが可能です。6:有名なVTuberとの連携で認知拡大に繋がるYouTube上でのVTuberの認知度が伸びない場合は、すでに人気のあるVTuberとコラボすることで自社のVTuberの認知度を上げることも可能です。企業のイメージキャラクターとしてのVTuberを展開する場合に、協業関係のある企業のVTuberと連携することで、双方にとってメリットのある広告効果を得ることができます。現在、協業関係にない企業でも、VTuberとの連携を検討することで、新たな企業連携の道を探ることもできるでしょう。VTuberをYouTubeの広告塔として活用するデメリット6選VTuberをYouTubeの広告塔として活用する場合、仮想のキャラクターであることがマイナスに働いてしまう可能性があります。外見が変わらないことによる陳腐化、コントロールする人間の代替わりの問題、企業の方向性が変わった時に、既存のキャラクターとの親和性が悪くなってしまうなどの問題が起こり得ます。それぞれのデメリットについて見てみましょう。1:「中の人」を選定しなければならないYouTube上でVTuberを活動させる場合、操作するための担当者、いわゆる「中の人」を選定しなければなりません。ちょっとした仕草や行動などで、視聴者の共感を得なければならないため、選定には十分な検討が必要となり、外部の人間に依頼する場合など、企業が望む方向にそのキャラクターを維持するためには、継続した綿密な打ち合わせも必要です。契約の仕方を間違えると、思わぬスキャンダルにつながる可能性もあるので、十分な注意と理解を共有しなければなりません。2:「中の人」が変更になった時の引継ぎが難しいVTuberをYouTube上で維持し続けていく場合に、操作担当者の変更・引継ぎが必要になる場合もあります。VTuberは、作られたキャラクターなので、外観上は変化を心配する必要はありませんが、ちょっとした仕草などが共感を得るポイントだったりする可能性もあり、整合性を保っていかなければなりません。引継ぎで失敗すると、顧客が大量に離れてしまうことになる可能性もあるため、常に自社VTuberのキャラクターの魅力を把握し続ける必要があります。3:企業に合うキャラクターの制作が困難になるVTuberは、YouTube上で活動する仮想キャラクターであるため、企業の特性によってはしっくりとくるキャラクターが作成しにくい場合もあります。VTuberは、一般的に情報関連やガジェット、ゲームなどとは親和性が高いのですが、官公庁や建設業などの信頼性が求められる堅めの業態とは相性が悪い傾向があります。すでにゆるキャラなど、企業のイメージキャラクターがある場合はそれを使うことも可能ですが、顧客に不真面目だと感じさせてしまうと、思惑と逆に企業イメージを低下させてしまう可能性もあるでしょう。4:企業のキャラクターの人気が下がってしまう場合があるVTuberとしてYouTubeで広告を長期間続けていると、マンネリや方向性の違いから人気が下がってしまう場合もあります。VTuberは、作られたものであるため、外観の変化はありません。唐突な変化が起こらないのはよい面もありますが、陳腐化や、ほかの企業でより魅力的なキャラクターが出た場合に顧客離れを起こしてしまう可能性があります。人気が落ちてきたときに、慌てて方向転換したりすると、顧客の期待する方向と違った場合に人気が大暴落してしまいかねません。5:有名なVTuberの起用には費用が掛かるVTuberがYouTubeで人気を得るためには、ノウハウを多く持っている有名なVTuberを起用するのも一つの手ですが、費用がかかります。VTuberは、実在の人間でないため、キャラクターの魅力を作りこむのが困難です。ノウハウがない状態で訴求力を高めるためには、すでにノウハウを持ったVTuberを起用するのが早道ですが、有名なVTuberは自分の番組で高い収益をあげているため、自社の番組に参加してもらうためにはかなりの費用を準備しなければなりません。6:有名なVTuberを起用しても商材との相性が良くない場合がある有名なVTuberの起用に成功しても、自社の商材と相性が良くないケースも考えられます。有名なVTuberには、すでに一定の色がついています。仮想のキャラクターが視聴者の共感を得るためには、デジタル的でない人間らしさや揺らぎがなければなりません。そのVTuberの持っているキャラクターが自社の広告商材と親和性が低い場合、そのVTuberを採用することがマイナスになってしまう可能性があります。YouTubeの広告塔としてのVTuber活用例6選すでにVTuberを起用して成功しているマーケティングもたくさん出てきています。ここでは、VTuberがYouTubeの広告塔としてうまくいっている事例をご紹介します。どの例にしても、VTuberの特徴を十分に理解し、それを活かしてマーケティングを成功につなげていますので参考にしてみましょう。1:ロート製薬×根羽清ココロロート製薬では、VTuberの根羽清ココロを広告に採用し、企業の認知度アップにつなげています。根羽清ココロは、YouTubeでVTuberとして活動していました。その後、社員としてロート製薬に入社し、VTuberでの活動が会社に認められて、公式VTuberとして活躍しています。根羽清ココロ自身がドライアイや乾燥肌に悩んでいるという設定を設け、ロート製薬をよく知らないという消費者層への認知度を上げるための広報活動を行っています。2:ローソン×キズナアイローソンでは、元祖VTuberといえるキズナアイとコラボレーションし、YouTube上で広告を展開しています。VTuberの中でも知名度の高いキズナアイとのコラボレーションにより、キズナアイファンをローソンの顧客として取り込むために上げた「キズナアイがコンビニ店員になってみた」という動画は、YouTubeでの再生数は30万回を超え、大きな話題になっています。3:シテイル×尾野(狐)シテイルでは、オリジナルの狐のキャラクターをVTuberとして、YouTube上で広告活動をしています。シテイルは、アプリゲームの開発を行っている企業で、キャラクターの自社作成も可能です。そのため、VTuber活動自体が会社の宣伝広告の一環として成立しています。VTuberの中の人が、シテイルの代表取締役をやっており、その点でも話題になっています。4:サンリオ×ハローキティ企業のマスコットキャラクターであるハローキティをVTuberとして採用しているのが、サンリオです。世界的に人気のあるハローキティを企業の顔としてYouTubeで活躍させることで、さらなる認知度の向上をはかっています。誰もが知っているハローキティというキャラクターが動いてしゃべることでファンに遡及し、事務所やマネージャなどという裏事情などもさらりと取り込むことで、これまで興味のなかった層の取り込みも狙っています。5:ローソン×からあげクン大手コンビニのローソンでは、人気商品のからあげクンをVTuberとしてYouTubeで活躍させています。店頭で見て、多くの人が知っているからあげクンをVTuberとしてプロデュースし、トップVTuberのキズナアイとのコラボなども行うことで、認知度は格段に上がっています。ローソンのYouTubeチャンネルはからあげクン以前からありましたが、再生数が伸びませんでした。起死回生の一手として投入されたVTuberからあげクンは、期待通りたくさんの再生数を稼いでいます。6:中京テレビ×海外向けバイリンガルVTuberプロジェクト中京テレビでは、VTuberの新しい使い方として、MIYA KIMINOというバイリンガルVTuberをYouTube上に展開しています。日本の1地方のローカル局である中京テレビが、YouTube経由で英語圏に向けた情報発信を行う足がかりとして、バイリンガルVTuberを創り上げ、紹介動画としてアップしているのは日本および中京の文化です。中京テレビは、さらにVTuberアナウンサーとして大蔦エル(おおつた える)をプロデュースするなど、VTuberの採用を広げています。YouTubeの広告塔としてVTuberを活用しよう!YouTubeにおけるVTuberは、企業にとってスキャンダルの可能性も少なく、自社のポリシーに合わせて構築できる広告宣伝のためのキャラクターになりえます。自社で一から作成するのは大変ですが、VTuberを作成するサービスを提供する企業も増えているので、アウトソーシングすることも可能です。AIやビッグデータなどIT技術との親和性の高いVTuberをうまく取り入れ、自社の広告戦略の一つとして活用していきましょう。弊社では、YouTubeを活用したマーケティングのご支援をしており、YouTubeチャンネル運用やYouTuberキャスティング・YoTube広告運用代行等、企業がYouTubeを活用するための総合的な支援体制がございます。YouTubeマーケティングを実施したいすでにYouTubeを活用しているけどうまくいかずに困っているといったようなお悩みを抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、YouTube活用に参考になるお役立ち資料も無料で公開しています。