YouTube動画の制作・編集をフリーランスに外注することは、制作コストを低く抑えることができるなどのメリットがあります。しかし、「急に連絡が取れなくなりチャンネル運営がストップしてしまった」「任せきりにしてしまい、制作や編集のノウハウが溜まらない」といった話を聞くことも少なくありません。本記事では、フリーランスに依頼する場合に注意する点と金額について解説します。フリーランスにYouTubeの動画制作や動画編集を依頼することを考えている方は参考にしてみてください。YouTube動画制作をフリーランスに外注する際の金額感YouTube動画を制作するには様々な労力を必要とするため、自社で制作することが難しい場合もあります。もし自社で動画が作成できない場合には、専門会社や個人クリエイターに依頼する方法があることを知っておきましょう。専門会社に依頼する上で最も心配な点としては、依頼費用が高額になるかもしれないというところではないでしょうか。実際、YouTube動画作成の代行会社に依頼した場合、代行費用は約30万円前後が相場となってきます。(契約内容によって変動あり) 一方個人クリエイターに依頼する場合には、フリーランスとして仕事を受注しているため人件費などを抑えられることができ、安価に依頼できる傾向があります。 そこで今回は、フリーランスにYouTube動画制作を外注した場合の金額感について紹介します。動画の企画出しと構成作成フリーランスに仕事を依頼する際には、企業のコーポレートサイトやオウンドメディアで募集する方法以外に、クラウドソーシングで案件ごとに募集する方法もあります。以下の価格表は、クラウドソーシング形式で実際に募集されていたYouTube動画の企画出しと構成作成の事例です。表のように、各企業で募集価格に差がありますが、これは募集元やプロジェクトの規模、動画の長さ、作業量など依頼したい作業の量に応じて金額が異なるためです。 例えば企業側が大まかな企画を作成したうえでプロットやシナリオなどの構成作成のみを依頼する場合は、A社やB社のような費用感が多い傾向があります。一方、企画出しのみの場合にはさらに安価になり、C社のような単価や1,000円程度の案件も多い傾向になっています。 注意しなければならないのが、各企業で月に投稿する動画の数は大きく異なるため、上記の価格はあくまで動画1本あたりの費用感で表示しており、実際には依頼している企業のほとんどが数件分をまとめて案件募集にかけているということです。価格表にある企業の場合には、1か月あたり30~50件分を依頼する場合が多く、合計9〜38万円程度の予算を割いています。また、動画の内容や作業の複雑さによっては上記よりも単価が高くなる場合があり、必ずしも表のような単価とはならないことに注意しましょう。参考としてYouTube専用動画ではありませんが、ウエディングムービーの絵コンテを依頼している企業の例では、文章ではなく絵コンテで構成を提出することを考慮し、2~5分の動画で単価15,000円となっています。必要な動画の撮影動画の撮影は、依頼内容によって単価が大きく変化するという特徴があります。一口に撮影といっても、素材用の短い動画を撮影してもらう場合もあれば、YouTuberや自社スタッフとしての動画出演込みで撮影してもらう場合もあります。(カメラマン業務のみの依頼も可能) 企画や構成作成と同じく提示価格は1件分で表示していますが、実際に依頼するときは複数件分をまとめて募集にかけるのが一般的となります。それぞれのパターンの撮影依頼費についての目安は、以下のようになります。A社は犬・猫の動画を募集しています。条件が当てはまれば家庭などで簡単に撮影できる素材の場合、1分で110円程度と報酬の単価は低くなる傾向にあります。B社は電車の発着や通過の動画を撮影を募集しています。駅や電車を撮影するスポットへの移動が必要になります。20秒150円程度と報酬の単価は高いように感じますが電車の発着や通過はごく短い時間であるため、実際に撮影している動画の時間は短くなってしまい、一本の動画の報酬としてはそこまで単価が高いとはいえません。C社では運転中の風景を募集しています。このような素材はドライブレコーダーを搭載している方であればわざわざカメラで撮影する労力がないため、10分50円程度と報酬の単価は低くなっています。動画用素材の撮影をしてもらう場合には数秒~数分程度の短いものが多く、スマホ撮影可能としていることも多く、安い単価で依頼できる傾向にあります。また本人に顔出し出演してもらう場合には出演料も加算されるため、価格は以下のように若干高くなるでしょう。A社はタロット占いの撮影となっていますが、顔出しが必要のないこととスマホによる簡単な撮影であるため、60分の動画で2000円程度の単価となっています。B社は動画撮影モデルの募集で顔出しの撮影となっていますが、モデル未経験の素人でも可能となっているため、30分の動画で2000円程度(交通費込み)の単価となっています。C社では会社の広告に使用する写真や動画の撮影モデルの募集ですが、容姿や知名度等を重視している分、5分程度の短時間の動画であっても5000円程度の単価になっています。このように動画への顔出しやモデル経験等の求める条件によって、出演料込みの依頼は変化することに注意しましょう。 撮影費用以外にかかる費用として、シリーズ企画ものに継続して出演してもらう場合は、基本の出演料や撮影日に加えて継続費用や謝礼を上乗せする企業の珍しくありません。クラウドソーシングでは、出演者の手配が済んでおり純粋に撮影スタッフ(カメラマン)としての人材が欲しい場合にも、以下のような費用感で募集することが可能です。A社は動画撮影の経験をそこまで重視しておらず、撮影機材がない場合でも企業側で準備してくれる等、比較的参加難易度が低いため3〜4時間で10,000円程度の単価となっています。B社は動画撮影の経験をそこまで重視していませんが、ディレクションやインサートができる場合には単価が上がります。A者と比較すると1日の25,000円程度と単価が高いように感じますが、1日に何本も動画を撮影する予定であるため時給換算するとA社との単価の差はほとんどありません。C社は動画撮影経験5年以上の指定があり機材も撮影者が準備する必要があります。また、現場をまとめるディレクション能力やクライアントとコミュニケーション能力等も求められているため、動画1件につき40,000円程度と比較的高めの単価となっています。純粋なカメラマン業務のみの費用が案件ごとに大きく異なる理由としては、時間単位で募集しているものや1日に数件分の撮影を日給で募集しているものなど、依頼により作業量が大きく異なることがあるためです。場合によっては撮影のみで10万円程度の費用が必要となることもあるでしょう。上記のように、動画撮影にかかる費用は「フリーランスの人材にどこまで業務を任せるか」で大きく変化するため、まずは依頼する作業の範囲を決めることが大切になります。動画のカット、BGM・字幕設定撮影した動画を見やすくするために、不要な部分のカットやBGM・字幕の設定など編集全般をフリーランスに依頼する場合にも、月にまとめて複数件を依頼する方法が多いです。月額3~8万円程度が相場であり、実際にクラウドソーシングで募集されている動画編集の事例は、1本あたり以下のとおりになります。A社の動画はドッキリやスパーリングが多く、スパーリング等の人が話をしないような動画であれば、字幕の打ち込み作業が少なくなる傾向があります。ただA社では動画編集の経験や実績を重視しており、動画を際立たせるような編集を期待しているため10分6,000円程度の単価となっています。B社の動画はゆっくり実況系となっており、ゆっくりムービーメーカーの使用や字幕の打ち込み作業があるため作業量は多くなっています。しかし、動画編集自体は提供されたマニュアルに沿って行うため、自分でアイデアを考える必要がなく動画編集難易度が低くなるため、15分4,000円程度の単価となっています。C社の動画は一人語り系となっており、出演者が話している言葉の文字テロップを表示する編集業務があります。YouTuberによって異なりますが、原稿を用意していない動画の場合には、話している言葉を聞き取り文字に起こさなければいけないため、10分程度の動画でも作業量は多い傾向にあり10分6,000円程度と比較的高単価となっています。多くの案件が編集に必要な素材(BGMなどの音声データ、セリフを描き起こしたものなど)を提供して編集作業のみを依頼しています。そのため素材収集もあわせて依頼したい場合には、上記の相場よりも若干高額となることもあるでしょう。YouTube動画制作をフリーランスに外注する際の注意点フリーランスに外注する最大のメリットは、月額費用が生じずコストを抑えやすい傾向にあること。クラウドソーシングを利用すると案件ごとにわずかな利用料が生じますが、自社側であらかじめ料金を設定したうえで募集することが可能なため、コストをコントロールしやすくなります。 一方で、フリーランスへの依頼は企業間の委託契約とは異なるリスクがあるため、十分に検討したうえで利用するように注意しましょう。 ここではフリーランスにYouTubeの動画制作を外注する場合、注意すべき3つのポイントについて紹介します。 工程ごとに複数人に依頼すると、テイストが定まらないコストを最小限に抑えるため工程ごとに異なるクリエイターへ依頼する方法もありますが、必ずしもメリットばかりとはいえません。複数人で行う動画の制作においては、各工程に携わる人達の意見をすり合わせていくことが重要になります。しかし募集して集めた全く関わりのない人達を一つの動画制作に関わらせることは、意見のすり合わせが難しいため互いの意図が伝わりづらく、テイストが定まらない動画を作ってしまう原因に繋がるでしょう。また案件1本ごとに依頼する相手を変えた場合にも、それぞれの動画の共通点が見つかりづらくなるため、同じチャンネル内で異なるテイストの動画が乱立する原因となります。動画ごとに印象が変わってしまうとファンは混乱しやすく、チャンネル登録者の減少に繋がりかねません。そのため動画制作において可能な限りテイストを統一するためにも、工程ごとに異なるクリエイターを起用することはあまりお勧めしません。急に連絡が取れなくなることがあるクラウドソーシングで行う依頼は企業間の契約ではないため、ある日突然に音信不通となる可能性も十分にあり得ます。仮に急病などやむを得ない事情があった場合でも、企業間の契約であれば代理のスタッフが業務をカバーしてくれたり、事情を説明してくれたりするでしょう。しかしフリーランスは個人で仕事の実務と管理をこなしているため、突発的な事態が生じたときに連絡が取れず、納品されるのかどうかすら不明瞭なまま待つことになりかねません。各動画の分析を次の動画に反映しづらいYouTubeの動画制作をフリーランスへ外注する場合においても、分析だけは自社で行いたいという場合もあるでしょう。しかし分析する人と作る人が別々の場合、以下の理由によって結果を反映できないこともあるため注意が必要です。スポット依頼なので修正に別途費用がかかる分析した人の意図がきちんと伝わらない納品時の修正依頼とは事情が異なるため、動画の変更を依頼する場合は新たに費用が生じることが多いでしょう。また分析した人が意図したような修正ができるとは限らないため、思うように問題点の改善が進まないということもあります。PDCAを回してチャンネル強化をするなら一気通貫で依頼しようPDCA(計画・実行・評価・改善)のプロセスをスムーズに回して、自社のチャンネルを強化するためには、統一感のある動画制作に適切な修正・改善を行うことが重要です。しかし、コスト重視でフリーランスに一部の作業を外注してしまうと、自社チャンネルの統一性を維持することが難しくなるでしょう。自社にYouTube動画制作のノウハウがない場合は、代行会社のような、分析から編集まで一気通貫でやってくれるところに依頼する方法をお勧めします。全ての工程を通して行ってくれるため、自社のイメージからずれにくくなりスムーズな動画製作が可能となるでしょう。また代行会社では動画制作のための専門知識を有しているため、効果的なチャンネル運営や動画製作のアドバイスをもらうこともできます。弊社でも、YouTubeの動画編集代行を承っております。1本あたり2万円から編集可能なプランがございます。また、YouTubeのチャンネル開設から動画の企画、編集、分析までの代行を一貫して行うことも可能です。また綿密な打ち合わせにより、貴社のイメージに沿った動画を制作致します。その他にもチャンネルの運用方法がわからない、自社の業務と動画制作の並列が難しいなどの困りごとがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。その他、動画編集だけでなく、YouTubeの運用の参考になるお役立ち資料も無料で公開しております。