スマートフォンで動画視聴する人が急速に増えたことで、動画広告市場も拡大しています。手軽で便利なスマートフォンで画面を録画する際、どのような方法があるのでしょうか。iPhone・Androidそれぞれの動画形式や動画キャプチャーの方法と共にご紹介します。動画とスマートフォンの関係スマートフォンが急速に普及し、多くの人が当たり前に使用するようになった今、スマートフォンで動画を視聴する人が増えています。総務省によると、国内のスマートフォン保有率は20代・30代では90%以上、40代では80%以上に及んでいます。スマートフォンでの動画視聴者が急激に増える中、動画広告を作る側もスマートフォンを活用する機会が増えています。では、スマートフォンで動画を録画する際、どのような方法があるのでしょうか。まずはスマートフォンで動画を録画するために必要な知識として、各OSのファイル形式の特徴を見ていきましょう。出典:スマートフォンの個人保有率の推移|総務省参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142110.htmliPhone日本でのシェア率が高いApple社のiPhoneは、mp4、m4v、mov、qtという4つの動画ファイル形式に対応しています。よく使用される一般的なファイル形式は、mp4です。容量が小さく、WindowsのOSにもMacのOSにも対応し、再生や編集が手軽であることがメリットといえます。一方で、高画質の動画再生には不向きです。これに対して、Apple特有のファイル形式がm4v、mov、qtです。m4vはmp4を拡張して設定されたファイル形式、movとqtはAppleの動画再生プレーヤーQuickTimeで使われるファイル形式です。いずれもAppleが設定したファイル形式ですので、iPhoneやMacではスムーズに使えますが、WindowsのパソコンやAndroidスマートフォンで再生するには変換や再生プレーヤーのインストールなどが必要となります。AndroidAndroidで撮影した動画ファイル形式のほとんどがmp4ですが、Android OSを使ったスマートフォンは様々なメーカーから出ているため、機種によってどのファイル形式が再生可能かが異なります。多くの端末に初めからインストールされているプレーヤーでは、3gp、webm、mkvなどが再生可能です。機種によっては対応していない動画ファイル形式もあり、再生するためにアプリの使用や変換の必要があります。動画キャプチャーとは?動画キャプチャーとは、動画データをスマートフォンやPCに取り込んで保存することです。そもそもキャプチャーとは、画像のスクリーンショットや表示された動画映像をデータにして保存することであり、この中でも動画データの保存を動画キャプチャーと言います。例えば、スマートフォンやPCのモニター上で見ている映像を、音声を含めてそのまま録画することが動画キャプチャーに当たります。それでは、動画キャプチャーはどういったシーンで使われるのでしょうか。使用されるシーン4選動画キャプチャーは説明や紹介、動画の記録などの用途がありますが、ここでは具体的な使い方として4つのシーンをご紹介します。動画キャプチャーを活用すると、短時間でわかりやすく伝えられるようになります。1:アプリの紹介やレビューアプリの紹介やレビューに動画キャプチャーを活用すると、使い方をよりわかりやすく伝えることが可能です。アプリの使い方をブログやコラムだけで伝えようとすると、操作の流れが伝わりにくいことがあります。動画キャプチャーを使えば、まるで目の前で説明しているかのような臨場感があり、アプリの特徴や魅力を存分に伝えることが可能となります。2:スマートフォンを使った操作の説明スマートフォンの操作説明に動画キャプチャーを使えば、短時間で簡単にスムーズな案内が可能となります。スマートフォンの操作方法は時に複雑であり、文字で説明すると長文になってしまうことがあります。動画キャプチャーなら、ボタンの操作方法や入力の仕方などがわかりやすく伝わるので、視聴者はより短時間で理解しやすくなるといえるでしょう。この方法は、スマートフォンの新機種のレビューなどに使われる他、リモートワークでスマートフォンの操作方法の説明などに用いられることもあります。作成した動画をメールなどに添付して送ると、文書による説明や電話での説明よりも容易になります。3:ゲーム実況の録画動画キャプチャーは、YouTubeやニコニコ動画などのゲーム実況の録画にも使われています。ゲーム実況とは、ゲームのプレイ画面を見せながらゲームの攻略方法や感想を伝える動画です。ゲーム中の動画データをそのまま共有するので、まるで共にゲームを楽しんでいるかのような臨場感があります。最近はオンラインゲームやスマートフォンゲームなどゲームを楽しむ方法に変化が見られるようになりました。これに伴って、普段はゲームを利用しない層も視聴するようになり、実況+雑談の動画が増えるなど実況動画のスタイルが多様化しています。4:動画配信とその記録を残す時ライブ配信の記録を残す際にも動画キャプチャーが活用されています。臨場感があり視聴者との距離を縮めるライブ配信は、動画配信の中でも人気のコンテンツです。YouTube、ニコニコ動画、Instagramなど様々なプラットフォームでライブ配信機能が搭載されています。ライブ配信はその場限りの配信ですが、動画キャプチャーにすればライブ内容をデータとして保存し、後で配信することも可能です。スマートフォンで動画キャプチャーをする方法それでは、スマートフォンで動画キャプチャーする方法をiPhoneとAndroidに分けて見ていきましょう。どちらも設定して録画ボタンを押すという点は共通していますが、異なる機能もあります。iPhoneの場合iPhoneでは、コントロールセンターにある「◎」の録音ボタンを押すだけで動画データが作れます。初めてキャプチャーする場合は設定が必要となります。設定アプリでコントロールセンターを選び、コントロールの一覧から「◎画面収録」を選んで「+」ボタンを押しましょう。これでコントロールセンターに、「◎」ボタンが追加されます。録画する場合は、スワイプしてコントロールセンターを出現させ、「◎」の録画ボタンをタップすると3秒間のカウントダウン後、画面録画が始まり、この時、長押しすると外部音声も取り込めます。録画を終了したい場合は、再び「◎」を押しましょう。動画は写真アプリに保存されます。編集画面を押せば、動画の長さや明るさなどを調整可能です。Androidの場合Androidでの動画キャプチャーはiPhoneと同じような手順で録画できますが、画面上のタップ記録まで録画できる点がiPhoneと異なります。Androidでも初めて動画キャプチャーを利用する場合は設定が必要です。画面のスワイプでクイック設定を表示させ、編集ボタンをクリックすると下の方に「スクリーンレコード」があります。これを長押ししてドラッグし、クイック設定に追加しましょう。クイック設定を開いて「スクリーンレコード」をタップすると、「録画を開始しますか?」と表示されるのでタップすると録画がスタートします。この時、録音の有無や画面上のタップ記録の有無を設定できます。クイック設定で「タップして停止」を押せば録画終了です。このように設定して録画ボタンを押すという点はiPhoneと共通していますが、Androidでは設定次第で画面のタップした場所が白丸表示で記録できる点が異なります。スマートフォンで動画キャプチャーができない時に確認したいポイント7つスマートフォンで画面を録画する機能は手軽で便利ですが、設定方法やコンテンツ側の事情で動画キャプチャーを利用できないケースもあります。ここでは、iPhoneとAndroidそれぞれに分けて、その原因と対処法を見ていきましょう。iPhoneの場合iPhoneの画面録画は便利な機能ですが、設定の仕方やコンテンツ提供側の事情で動画キャプチャーを利用できない場合もあります。それではどのような場合に利用できないのでしょうか。1:マナーモードに設定がかかっているマナーモード設定になっていると、録画中のスマートフォン内の音が録音されません。スマートフォン内の音も録音する場合は、マナーモードを解除しておきましょう。通知音や着信音などスマートフォン内の音を録音せずマイクの外部音声だけを録音したい時には、マナーモードに設定すればよいでしょう。2:機能の制限がかかっているiPhoneは設定に機能制限をかけられるため、これにより画面録画できない場合があります。録画する場合は、機能制限を解除しましょう。解除方法はiOS11とiOS12で異なります。iOS11では「設定」を開き、「一般」「機能制限」を開いていくと、パスコードを要求されるので入力し、「機能制限を解除」を選んで再度パスコードを入力すれば解除されます。iOS12では「設定」から「スクリーンタイム」を選択し、「スクリーンタイムをオフにする」を選んでパスコードを入力すれば解除可能です。3:アプリ側が動画キャプチャーに対応していないiPhoneでは基本的にどんな場面でも画面録画できますが、中には動画キャプチャーに対応しないサイトやアプリもあります。例えば、Amazon PrimeやNetflixなどのストリーミング動画サイトには、コピーガード機能があるため録画できません。録画ボタンを押しても真っ黒になります。違法な手段で録画しようとすると規約違反に抵触することもありますので、むやみに録画しないようにしましょう。Androidの場合Androidのスクリーンレコード機能は、iPhone同様、設定の仕方やコンテンツ提供側の事情で動画キャプチャーを利用できない場合があります。原因によっては解消できる場合もありますので、利用できない原因と共に見てきましょう。1:端末がそもそも対応していないAndroidスマートフォンの中には、スクリーンレコードに対応していない端末もありますが、アプリのインストールで動画キャプチャーを利用できる場合もあります。スクリーンレコードはAndroid11に標準搭載された機能です。このため、Android10以前で画面録画に対応している端末は限られています。この場合は、Google Playストアから同様のアプリをインストールすれば、動画キャプチャーできるようになります。2:アプリ側が録画する許可を出していないiPhone同様、アプリ側が録画を許可していない場合は動画キャプチャーは利用できません。映画や音楽などの映像コンテンツや、バーコード決済を使うものなどは動画だけでなく画像のキャプチャーもできない仕様になっている場合があります。3:OSのバージョンが古いままであるAndroidのスクリーンレコードはAndroid11以降に標準搭載された機能ですので、OSのバージョンが古いままだと使えません。OSのバージョンは画面下部の「システム」を開き、「詳細設定」「システム アップデート」を開いていくと確認できます。アップデートできる端末なら使える場合もありますので、通知が届いたらアップデートしておきましょう。4:録画する容量が足りない端末内が容量不足になると、録画できない場合があります。この場合は、不要な写真、音楽、映画、アプリ、ファイルなどを削除することで容量不足を解消できることがあります。不要なデータの削除は、パフォーマンス向上にもなりますので、データ量をチェックしてみましょう。DVDの動画データをスマートフォンに移す3つの手順過去にDVDで保存したものを、スマートフォンで見られるように変換すれば、動画の編集が手軽になります。DVDのデータをスマートフォンで見られるようにするには、PCを使って変換し、スマートフォンに移行するという作業が必要です。ここではその方法を具体的に見ていきましょう。1:DVDを開いて動画の状態をチェックまずはパソコンやDVDレコーダー、テレビなどでDVDが正常に見られるかどうかをチェックしましょう。DVDの劣化で動画が見られなくなった場合や、音ズレ・音割れ・映像の乱れで正常に見られない場合は、スマートフォンでも再生できないことがあります。ただし、軽い傷であれば補修キットなどを使って、自分で補修や復元することも可能です。2:動画ファイルの拡張形式を変換するDVDを動画ファイルとして抽出し、スマートフォンに対応する動画ファイルに変換しましょう。DVDから動画を抽出するためには、リッピングソフトが必要です。この時、著作権で保護されたものを複製すると、法律に抵触することもありますので注意しましょう。会社風景の映像や自分たちで作ったPR動画などであれば問題ありません。ソフトをインストールしたら、各ソフトの使い方に従ってDVDから動画を抽出します。この時、お使いのスマートフォンに合わせたファイル形式に変換しましょう。3:PC上にデータを移してスマートフォンの中に取り込む変換したデータをPCに移し、スマートフォンに転送すれば動画として見られるようになります。スマートフォンに送る前には、変換した動画をPCで再生し、正常に再生されるかチェックしましょう。この時、動画のサイズとスマートフォンの容量も確認しておきます。サイズが大きい動画や長時間の動画は、スマートフォンに転送できないこともあるので注意しましょう。その後、Android 、iPhoneに合わせた方法でスマートフォンに取り込みます。PCに繋いで転送する方法だけでなく、クラウドサービスを使って取り込む方法もあります。クラウドを使った取り込みは、通信料がかかる場合もあるので録画時間の長い動画は注意しましょう。スマートフォンを駆使して魅力的な動画を撮っていこう!スマートフォンで動画を録画する方法や動画キャプチャーの作り方についてお伝えしました。以前はビデオやカメラなど特殊な機材を使って撮影したものを編集して動画を作るのが当たり前でした。しかし、スマートフォンが発達した現在では、スマートフォンを使って動画の録画や編集をおこなうほうが便利で負担が少ないといえます。紹介した内容を参考に、スマートフォンを駆使して魅力的な動画を撮っていきましょう。