ブランドエクイティピラミッドとは一体どういうものなのでしょうか。商品を購入しようとする際に、全く知らないブランドのものを買おうとはなかなか思わないもの。逆に、いつも購入しているブランドから新商品が出たら、ちょっと気になったりしますよね。このようにブランドに対するイメージは、製品やサービスの購入、ひいては売上にまで結びついていると考えられています。ブランドのイメージが消費者からどのようなステップを経て抱かれ、固まっていくのかについて、図に表したものが「ブランドエクイティピラミッド」です。この記事ではブランドエクイティの基本情報や、ブランドエクイティピラミッドの4つの階層、ブランドエクイティが重要な4つの理由などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。ブランドエクイティとは?ブランドエクイティとはブランドが持つさまざまな資産価値を意味する言葉です。ブランドエクイティは経済や金融、不動産などの分野で使われている用語で、直訳すると「ブランド資本」という意味になります。ブランドエクイティは目に見えない企業の持つ価値の集合体です。企業にとってブランドは企業価値を左右するものであるため、ブランド価値を高めるために積極的な投資を行っていくことが重要です。ブランドエクイティピラミッドとは?ブランドエクイティピラミッドとは、ブランド価値を高めるためのルートをピラミッド型に示したものです。ブランドエクイティピラミッドはケラー教授によって提唱されたもので、アンデンティフィケーション、ミーニング、レスポンス、リレーションシップという4階層6要素にわかれたピラミッド構造になっています。また、ブランドエクイティピラミッドでは上位の段階ほど消費者との関係が強いことを示します。ブランドエクイティピラミッドの4つの階層ブランドエクイティピラミッドの4つの階層についてご紹介します。ブランドエクイティピラミッドは、前述のとおりアンデンティフィケーション、ミーニング、レスポンス、リレーションシップという4つの階層にわかれています。ここではブランドエクイティピラミッドの4つの階層についてそれぞれご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。ブランドエクイティピラミッドの階層1:アイデンティフィケーションブランドエクイティピラミッドの1層目のアイデンティフィケーションは認知の階層です。アイデンティフィケーションはブランドエクイティピラミッドの土台とも言える重要な層です。アイデンティフィケーションの要素は「セイリエンス」となっており、日本語では「突出性」と訳すことができます。アイデンティフィケーションはブランドをイメージさせる特徴で、そもそもブランドを知っているかどうかといった意味も含みます。セイリエンス(Salience)セイリエンス(Salience)とはブランドをイメージさせる特徴です。アイデンティフィケーションの要素であるセイリエンスは、消費者に簡単にブランドを想起させるための突起性です。また、消費者にとってどれほどブランドを思い出してもらえるかといった点を測ることができます。ブランドエクイティピラミッドの階層2:ミーニングブランドエクイティピラミッドの2層目のミーニングはブランドについて連想をする階層です。ミーニングはパフォーマンスとイメージという2つの要素で構成されています。パフォーマンスは主に「機能」のことで、顧客のブランドの実利価値に対しての理解度を測ります。イメージは顧客がブランドに対して抱いているイメージを測るものとなっており、この階層ではこの2つの要素によってブランドを連想することになります。パフォーマンス(Performance)パフォーマンス(Performance)は機能や効用を意味します。パフォーマンスは理性に関与する要素で、企業が提供する商品やサービスがもつ機能そのものだけでなく、消費者の機能的ニーズをどれだけ満たしているかを測ります。たとえば非常に多機能で高スペックの商品だとしても、消費者が求めている機能が付いていなければ消費者のニーズを満たしていないため、購入に至ることはありません。イメージ(Imagery)イメージ(Imagery)はブランドイメージを意味します。イメージは感性に関与する要素で、消費者がブランドにどのようなイメージを抱いているのかを測るものです。企業として打ち出しているブランドイメージと、消費者がブランドに対して抱いているイメージが異なっていては意味がありません。そのため、イメージに相違がないことを知ることは非常に重要です。ブランドエクイティピラミッドの階層3:レスポンスブランドエクイティピラミッドの3層目のレスポンスは反応を意味する階層です。レスポンスはジャッジメントとフィーリングという2つの要素で構成されています。ジャッジメントはブランドに対しての顧客の理性的判断を意味し、対してフィーリングは感情的反応を意味します。また、フィーリングではブランドの商品やサービスに対する印象はもちろん、消費者自分自身に対する感情も含まれています。ジャッジメント(Judgments)ジャッジメント(Judgments)は理性的判断を意味します。ジャッジメントは理性に関与する要素で、消費者が商品やサービスの機能や品質などをどのように評価するかを基準としています。ジャッジメントは消費者のブランドへの関心度合いを測ることができ、ある程度消費者とブランドの距離が近づいた段階で行われます。フィーリング(Feelings)フィーリング(Feelings)は感情的判断を意味します。理性的判断であるジャッジメントに対して、フィーリングは感情的判断を意味する感性に関与する要素です。消費者が商品やサービスの機能や品質などを、どのように評価するかを基準としています。安心感や信頼感、さらにブランドの商品を利用する自分を好ましいと思うかなどの感情まで含めている点が特徴です。ブランドエクイティピラミッドの階層4:リレーションシップブランドエクイティピラミッドの4層目のリレーションシップは顧客との関係性の強さを意味する階層です。ブランドエクイティピラミッドの最上位にあるリレーションシップは、レゾナンス(Resonance)という要素で構成されています。レゾナンスは一般的にロイヤルティを意味するものとなっています。レゾナンス(Resonance)レゾナンス(Resonance)は共鳴性、忠誠心などを意味します。レゾナンスは消費者のブランドへの感情移入の度合いなどを測る要素となっています。レゾナンスはブランドを利用している人を好ましく思ったり、他の人に勧めたいと感じるかどうかを基準としています。ブランドエクイティが重要な4つの理由ブランドエクイティが重要な4つの理由をご紹介します。ブランドは企業にとって競争力となる重要な資産の1つです。それではブランドエクイティはなぜ重要だと言えるのでしょうか。ここではブランドエクイティが重要な4つの理由をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。ブランドエクイティが重要な理由1:唯一無二の希少な存在であるからブランドエクイティは企業だけでなく、消費者にとっても唯一無二の希少な存在となります。他のブランドと明確に異なる個性を持ち、高いアイデンティティやパーソナライズされたブランドは、ブランドを認知している消費者にとって価値のあるものです。一般的に消費者が同じ分野で想起できるブランドは多くても7つ程度となっているため、個性を持ったブランドのみが消費者にとって唯一無二の存在になり得ると言えるでしょう。ブランドエクイティが重要な理由2:コア・コンピタンスになる存在であるからブランドエクイティは企業にとってコア・コンピタンスになるため重要です。適切なマネジメントを行うことによって、ブランドエクイティは企業のコア・コンピタンスになり得ます。たとえばスターバックスなどのブランドエクイティが高いブランドは、アルバイトもそのブランドに対する帰属心の高さゆえに応募して働いているため、モチベーションも高いです。そのため、ブランドらしさ自体が競争力になると言えるでしょう。ブランドエクイティが重要な理由3:顧客と企業が共有する存在であるからブランドエクイティは顧客と企業が共有する唯一の存在であるため重要です。企業はさまざまな有形無形の資産を保有していますが、その中で顧客と企業を直接繋いでいるものはブランドのみです。顧客は企業にとって収益の源泉となっているため、非常に重要な要素です。そのため、企業が成長する上で欠かせない顧客という存在を繋ぐブランドエクイティは、もっとも優先されるべき資産だと言えるでしょう。ブランドエクイティが重要な理由4:長期的な存在であるからブランドエクイティは長期的な資産になるため重要です。ブランドとは消費者の認識の中でだんだんと積み上げられていくもので、企業がブランドを適切にマネジメントすることにより、劣化することなく長期にわたって消費者の中に存在することになります。そのため、他の老朽化していく有形の資産と比較して、ブランドは長期間に渡って衰えずに競争力を発揮できる資産になります。ブランドエクイティピラミッドを参考にしようブランドエクイティは顧客との重要な絆になります。ブランドエクイティは企業にとってさまざまな資産がある中でも非常に重要な資産で、企業のコア・コンピタンスになるものです。ぜひこの記事でご紹介したブランドエクイティピラミッドの階層やブランドエクイティが重要な理由などを参考に、ブランドエクイティについて理解を深めてみてはかがでしょうか。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。