コンテンツマーケティングは数あるWeb施策の中でも注目度の高い施策ですが、明確な戦略や成果指標を定めずに運用されているケースが多いのも事実です。戦略なしのコンテンツマーケティングは、「コストパフォーマンスに合わない」「成果が出ているのかすら分からない」「ユーザーは増えたが売上アップにつながらない」といった事態を招きかねません。本記事では、コンテンツマーケティングで自社のマーケティング課題を解決したいと考えている担当者に向けて、失敗しないための設計手順や前提知識を解説します。【関連記事】▶︎【2023年最新】コンテンツマーケティング の成功事例10選|成功の共通点を徹底分析▶︎プロが教える!コンテンツマーケティングに本当に強いおすすめの会社10選|失敗しない選び方を解説コンテンツマーケティングの定義コンテンツマーケティングの戦略について見ていく前に、あらためてコンテンツマーケティングの定義をおさらいしましょう。コンテンツマーケティングの定義は、媒体や企業によってさまざまですが、弊社では以下のように定義しています。ユーザーが抱えている「課題」や「悩み」を、企業がユーザーにとって有益なコンテンツを提供することで解決する手段コンテンツマーケティングはあくまでも企業が求めている成果を獲得するために行うものである「ただオウンドメディアの運用をする」「YouTubeやSNSで情報を発信する」といった施策はコンテンツマーケティングとは言えません。コンテンツマーケティングは、企業がコストを投下して行うマーケティングの手段の一つです。そのため、情報を発信するだけでなく、現状の課題をもとに企業が求めている成果を上げなければ意味がありません。コンテンツマーケティングの詳しい定義や、企業が取り組むメリットに関しては、別記事「BtoBコンテンツマーケティングの基礎知識|成功のポイントや実践の手順を徹底解説」で解説していますので、そちらも合わせて参考にしてください。綿密な戦略がなければコンテンツマーケティングは成功しない冒頭で述べた通りコンテンツマーケティングに本格的に取り組もうとしている企業は増えていますが、コンテンツマーケティングは綿密な設計なしでは成功に至らないといっても過言ではありません。そのためコンテンツを制作するのではなく、成果を得るまでの設計を怠ってはいけません。コンテンツマーケティングを正しく運用するにあたり、ざっと挙げただけでも以下のような質問に的確に答えられなければ綿密な設計がなされているとは言えないでしょう。誰に向けたコンテンツを発信するのか(ターゲット)どんなコンテンツを発信するのか(コンテンツの内容)どのようにユーザーを集客するのか(流入経路)成果をどのように設計するか(成果設計)集客したユーザーをどのように成果に繋げるのか(成果設計)どのように成果を計測するのか(計測環境)意外にも設計なしでコンテンツマーケティングに取り組んでしまう企業が多いContent Marketing Academyが2021年が行った調査では、BtoBコンテンツマーケティングを実施している企業のうち38.2%が「戦略は持っていないが、直近12ヶ月以内に持ちたい」もしくは「戦略は持っていないし、持つ計画もない」と回答しています。また、BtoCコンテンツマーケティングを実施している企業のうち57.9%が同様の回答をしています。出典:Content Marketing Academy 実施 CONTENT MARKETING SURVEY 2021 - 2022加えて、「コンテンツの成果を計測するための指標を設定してますか?」という質問に対して、約3割を超える企業が「いいえ」と回答しています。出典:Content Marketing Academy 実施 CONTENT MARKETING SURVEY 2021 - 2022この調査からも分かるように、多くの企業が戦略設計や成果指標を定めずにコンテンツマーケティングを始めてしまっていることが伺えます。コンテンツマーケティングの設計手順STEP1:何のためにコンテンツマーケティング施策を実施するのかを明確にする(課題の整理と目的の明確化)本記事を読んでくださっている担当者の方の多くは、コンテンツマーケティング施策の導入を本格的に検討していると思います。しかし、「何のために予算をコンテンツマーケティングに投下し、どのようなマーケティング課題を解決したいか」が明確になっている方はそう多くはないのではないでしょうか。リスティング広告やSNS広告・動画広告やメールマガジンなど、あらゆるWeb施策の中でコンテンツマーケティングを実施する目的が明確でなければなりません。企業がコンテンツマーケティングを実施する「よくある目的」として以下のようなものが挙げられます。商材のリード獲得数を最大化する商材の顧客数を最大化する商材やブランドの認知度をあげる商材やブランドイメージを変えるLTV(顧客生涯価値)を最大化する売上を最大化する優秀な人材を獲得する(※採用でコンテンツマーケティングを実施する場合)STEP2:誰に向けてコンテンツを発信するのかを明確にする(ターゲットの選定)目的に沿ってコンテンツを発信するターゲットを明確にします。目的がリード数の最大化であれば、自社の商品やブランドに興味や関心を持っている新規顧客がメインのターゲットとなります。また、ブランドの認知度アップやブランドイメージの植え付けであれば、まだ自社の商品やブランドを知らない「非認知層」にも積極的にアプローチする必要があるでしょう。同様に、「LTVの最大化」であれば既存顧客へのアプローチ、売上の最大化であれば新規顧客と既存顧客の両面でのアプローチが必要となるケースがあります。STEP3:ターゲットにどのようにコンテンツを届けるのかを明確にする(タッチポイントの設計)タッチポイントとは、ユーザーとの接点をあらわします。特定のキーワードで検索するユーザーにコンテンツを読んでもらいたいのであれば、SEO(検索エンジン最適化)がユーザーとのタッチポイントになります。コンテンツマーケティングといえば、SEOを接点にするコンテンツSEOを思い浮かべる方も多いと思いますが、目的やターゲットによって最適なタッチポイントを選定する必要があります。SEO(検索流入)SNS直接流入外部サイトからの流入動画メールマガジンタッチポイントを選定するポイントとしては、ニーズや悩みが顕在化している「顕在層」にアプローチを行うか、まだユーザー自身がニーズや悩みに気がついていない「潜在層」にアプローチするのかを理解することが重要です。例えば、SEOであれば「東京 マンション 賃貸」「案件管理ツール おすすめ」など、検索の目的がはっきりしているユーザーに対してコンテンツを届けることができます。一方でSNSであればタイムライン上で興味や関心を高め、サイトに誘導することが可能です。STEP4:どの数値を達成したら施策が成功といえるのかを明確にする(成果指標の設計)コンテンツマーケティングでよくある誤りが、PVやUUといったトラフィック基準で施策の成否を判断してしまうことです。コンテンツを量産しトラフィックが増えたとしても、本来の目的が達成できていないというケースは多く見られます。そのためSTEP1で明確にした目的に沿って、成果指標を定める必要があります。例えば、リード件数であれば、「施策開始前の200%にあたる月間50件のお問合せ獲得」といったものが成果指標にあたります。STEP4:成果を正しく計測する環境を整える(計測環境の整備)成果指標を定めても、正しく計測できなければ誤った施策を招いてしまいます。コンテンツ内にコンバージョンのポイントがあるのであれば、クリック率やその先の資料請求数やパーセンテージ、商談率や成約率まで追っていく必要があります。コンテンツマーケティングの戦略設計に迷ったらプロに相談しよう本記事では、コンテンツマーケティングの戦略設計について解説しました。コンテンツマーケティングは、「コンテンツを制作すること」「なんとなく長く運用すること」が目的になりがちですが、現状の課題から運用目的を定め、成果指標に沿って運用していく必要があります。弊社では、コンテンツマーケティングの企画や戦略設計・実際の運用のご支援も行っています。無料のオンライン相談を実施していますので、コンテンツマーケティングに課題を抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。