企業にとってブランドを構築し、ファン作りをすることは重要な戦略です。「ブランド」という言葉はよく聞きますが、なかなか言葉で説明しにくいものではないでしょうか。「高級商材+ロゴ=ブランド」みたいなイメージを持っている人も多いかと思いますが、実際はそんなことはなくどんな安価な商品でも、小さな企業でも「ブランド」を持つことは可能です。ブランドを構築をするために知る必要がある「ブランドとは」「生活者にブランド価値を共感してもらう5つのポイント」「ブランド価値を共感してもらえた状態」「ブランドが企業にもたらす3つのメリット」について説明しています。ブランド構築に興味のある方は参考にしてみてください。ブランドとは「ブランド」という言葉は普段よく聞き慣れた言葉ですが、ブランドが何かを説明できる人は少ないのではないでしょうか。ブランドという言葉には、幅広い意味が含まれているため、一言で表現することは難しいです。ブランドの意味を簡単に説明すると、「ブランドとは、自社と他社のサービスや商品を差別化、識別化して価値を高め固定したファン作りを目的とするもの」という意味になります。コカコーラを例にしてみると、「赤い飲み物」といえば「コカ・コーラ」と差別化できていると言えるでしょう。ブランドとブランディングの違いブランドと似た言葉に「ブランディング」という言葉があります。この2つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。ブランディングとは、ブランドを生活者(消費者)に伝え、ブランド価値を共感してもらうことで市場において優位なポジションを確立することを目的とした活動のことです。簡単に言えば、「スマホを買うなら絶対に〇〇」「指輪なら〇〇」「服なら〇〇」と言ってもらえるようにブランドを市場に浸透させる活動のことです。ブランディングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。▼参考記事ブランディングってどういう意味?メリット9つと構築方法を解説!ブランドの定義ブランドについて、マーケティング専門家のフィリップ・コトラー教授は「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」と定義しています。ブランドが成立するためには、企業と生活者との間に信頼感や絆が必要であり、生活者は、ブランド名、ロゴマーク、シンボル、デザインなどのどれかに魅力を感じ、購買意欲を駆り立てることになります。こうした顧客ロイヤリティーを獲得することで、競争の優位に立ち安定的かつ長期的な収益基盤ができます。ブランドの語源とは?「ブランド」という言葉の語源には「焼印をつける」という意味があると言われています。また、現代ではブランドは「消費者の心に焼印を押すこと」とも言われることがあります。ブランドの具体例ブランドの具体例として代表的なものは、次のようなものです。名称、ロゴ、デザイン、イメージ、キャッチコピー、機能などがあげられます。ここでは5つをあげましたが、それ以外にもさまざまな要素があり、これらは他社のサービスや製品と差別化するための重要な要素になります。ブランド価値を共感してもらえる5つのポイントブランド価値とは、商品そのものの価値とは別に、ブランドが生活者に与える感動や優越感、満足感などを総称したものを言います。企業側からすれば、ブランド価値をいかに生活者に共感してもらえるかが経営戦略上での重要なポイントになり、共感してもらえなければブランディングは失敗したことになります。ブランド価値を共感してもらえる大切なポイントを5つに絞ってわかりやすくお伝えします。ブランド価値を共感してもらえるポイント1:コミュニケーション力ブランド価値を共感してもらえるポイントの1つ目は、「コミュニケーション力」です。企業は、生活者とコミュニケーションを図りながら、一人ひとりの消費者にブランド価値を理解してもらい、ブランドイメージを形成しない限り、ブランドは確立しません。消費者目線に立ったコミュニケーション(広告、イベントなど)が必要で、一方通行にならず、ニーズやクレームなどの要望を素早くキャッチし改善に反映させることも大切です。ブランド価値を共感してもらえるポイント2:寄り添う力ブランド価値を共感してもらえるポイントの2つ目は、「寄り添う力」です。寄り添う力とは、生活者の幸せの実現に貢献することであり、そのブランドを持つことで、心が豊かになり楽しくなると感じてもらうことが大切だと言えます。ブランド価値を共感してもらえるポイント3:体験するブランド価値を共感してもらえるポイントの3つ目は、「体験する」です。同じような商品であっても、そのブランドと出会ったときに不思議と心が揺さぶられることがあります。また、同じネックレスでもブランド店で買うのとディスカウントショップで買うのとでは、感動に違いが出ます。ブランドを通してどのような体験を創り出せるかがブランド力を高めていく上で重要な要素になります。ブランド価値を共感してもらえるポイント4:信頼力ブランド価値を共感してもらえるポイントの4つ目は、「信頼力」です。どのようなブランドが信頼を得るかと言えば、それは「品質」です。当たり前ですが、生活者は「品質の悪い商品」よりも「品質の良い商品」を購入する傾向が高いです。ECの普及に伴い、品質の約束は通販の大きな要素でありファッションブランドの通販サイトに人気が出るのも同じ理由です。ブランド価値を共感してもらえるポイント5:自己表現力ブランド価値を共感してもらえるポイントの5つ目は、「自己表現力」です。もし、自分らしさに相応しいブランドが存在すれば、自分らしさを表現する手段としてブランドを所有したくなるのではないでしょうか。生活者とブランドとの間に心理的な結びつきが生まれると、ブランドは生活者が自分らしくあることを応援してくれる「応援団」のような存在になります。ここまでくれば、ブランドは他には、かえがたいモノになっているはずです。ブランド価値を共感してもらえた状態とは?ブランド価値を共感してもらえた状態とは、生活者が心からブランドを持つことに喜びと幸せを感じ、ブランドの成功や成長を自分のことのように喜んでくれている状態です。そうなればブランドの活動を応援したくなり、友達や家族、知人にもブランドをおすすめするようになります。こうした状態は、企業側のブランディングが成功し「ブランド価値」が「商品価格」を大きく上回ったときに生まれます。ブランドは企業だけのものではないブランドは企業だけのものではなく、生活者と企業との間にウィンウィンの関係をつくるためのものです。生活者と企業の両者が共に幸福になることにブランドの存在意義があり、企業の利益だけを優先していてはブランド価値は生まれません。ブランドが企業にもたらすメリット3つここまで、ブランド価値を共感してもらえた状態について詳しく見てきました。ここからは、ブランドが企業にもたらすメリット「価格設定」「製品戦略」「流通戦略」をそれぞれご紹介します。「ブランドは企業にメリットがあるのか?」と疑問を抱いている人も少なくないでしょう。ブランドが企業にもたらすメリットとは、いったい何なのでしょうか。ブランドが企業にもたらすメリット1:価格設定ブランドが企業にもたらすメリットの最初に挙げられるものが、「価格設定」です。企業は、売り上げを伸ばすいちばん早い手段として「値引き」をしますが、値引きした場合は利益率が下がり、たくさんの商品を売らなければならなくなります。しかし、ブランド価値があれば、企業が設定した価格で生活者は商品を購入してくれるので価格競争に巻き込まれず高い利益率を確保できます。これは、企業にとって一番のメリットかも知れません。ブランドが企業にもたらすメリット2:製品戦略ブランドが企業にもたらすメリットの2つ目は、「製品戦略」です。ブランド価値が定着しているブランドを利用して、新しい製品を投入すれば低コストで新商品を市場に投入することが可能になります。例えば、楽天カードから楽天ゴールドカード、スプラトゥーンからスプラトゥーン2の発売などがこれにあたります。また、コ・ブランドで新ブランドを立ち上げたり、ライセンス契約でブランド使用料をもらう可能性も高まります。ブランドが企業にもたらすメリット3:流通戦略ブランドが企業にもたらすメリットの3つ目は、「流通戦略」です。利益率が高いブランドは流通業者や小売店を手厚くサポートする余裕が生まれ、総合的な顧客サービスの向上にも貢献します。また、ブランドは生活者が納得して購入するので、購入後の返品も少なくなり流通業者と小売店の効率化にも貢献します。ブランドでファンをつくろうここまでブランドの詳しい説明から、ブランド価値を共感してもらえるポイントや共感してもらえた状態、メリットなどをご紹介してきましたが、いかがでしたか。ブランドの目的とは、「ファン作り」を始めることが重要になってきます。生活者とコミュニケーションを図りながらブランド価値を伝え、共感してもらう必要があります。ブランドにとって「ファン」になってもらうことが最終目的でしょう。ブランドの構築は、難度の高い仕事で手間と時間もかかりますが、成功すればするほど企業に計り知れないメリットを与える打ち出の小槌になります。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。