YouTubeチャンネルを開設するのは無料ですが、動画を作成しアップロードする過程には、企画や撮影、編集など様々な作業工程が存在し、当然労力と費用を必要とします。いきなりチャンネルを開設し運用しようとすると、想像以上の労力や費用で作業停止や予算オーバーとなり、運用が頓挫する可能性もゼロとは言えません。そのためYouTubeチャンネル開設から動画投稿まで、全体の工程や費用感を把握することが大切です。この記事では、企業がYouTubeチャンネルを開設する際の注意点や必要な費用例を紹介しています。まずは、チャンネル開設から動画投稿までの費用感を把握することから始めていきましょう。同時に企業がチャンネル開設するメリットについても紹介します。企業がYouTubeチャンネルを始める際の注意点デジタル産業における市場調査を行っている企業によると、2021年4月時点でデジタル広告の中でも動画広告にかける費用は増加傾向を見せています。2020年度の調査では、「デジタル広告の中で動画広告に割く費用は5割以上」と答えた企業はわずか5.6%でしたが、2021年度には約5倍の22.0%に増えていています。出典:広告主の動画広告出稿、コロナ禍で過半数が予算増https://digitalinfact.com/release210420/ また、2020年度・2021年度のどちらの調査においても、動画広告にかける予算は増額したと答える企業が半数以上となりました。これからも動画広告へ力を入れている企業は増加していくと見込まれ、動画広告の市場は一層拡大していくのは間違いありません。以上のことから、企業が動画広告のプラットフォームとしてYouTubeを選択し、YouTubeチャンネルを開設するのは別段珍しいことではありません。そのため、チャンネルを開設するのであれば、数ある企業のYouTubeチャンネルの中に埋もれないよう、ビジネスのコツを十分に理解することが大切になります。ここでは企業がYouTubeチャンネルを始める際の注意点と費用感について解説していきます。YouTubeチャンネルの方向性はガイドラインを読んで決めようYouTubeチャンネルを作成する際、企業やブランドイメージを損ねないようにするなど、考慮しなければならないポイントは多いです。ですが、まず大前提としてYouTubeが作成しているガイドラインを正しく理解し、遵守することが大切です。YouTubeは世界各国の人種・年齢などが異なる幅広いユーザーに利用されています。国籍や人種が異なるということは、思想や価値観も異なるということ。以下のような、YouTubeが定めた禁止事項に関わる動画やチャンネルの作成には十分注意しなければなりません。スパムと欺瞞行為デリケートなコンテンツ暴力的または危険なコンテンツ規制品たとえガイドラインに違反したとしても、即座にペナルティが生じるとは限りません。ただし、悪質さや常習性などが認められると、場合によってはアカウント停止などの措置が取られてしまうこともありえます。YouTubeチャンネルがペナルティで使用できなくなることは、労力や費用面などのコストはもちろん、企業やブランドイメージへの大きな損失を生じてしまう危険性すらあります。そのため、ガイドラインを遵守した動画・チャンネル作成を意識するようにしましょう。前述した4つのガイドラインはそれぞれ複数の項目に細分化されているため、まずは公式サイトを確認してからYouTubeチャンネルの方向性を決定することがおすすめです。参考:YouTube のコミュニティ ガイドラインhttps://support.google.com/youtube/answer/9288567?hl=jaYouTubeチャンネルを成功させるためには労力と費用が必要YouTubeのチャンネルはブランドチャンネルも含め、無料で作成することができます。しかし、チャンネル運営を成功させるためには、決して少なくない労力と費用が必要になってきます。動画を作成し投稿するまでには、コンテンツ企画や撮影・編集などがあり、作業工程は多岐に渡ります。全てを自ら行うことで費用を抑えることができますが、その作業量は膨大となり現実的ではありません。また動画作成に慣れていなければ、クオリティの低い動画を投稿することになってしまい、視聴者が集まることはないでしょう。視聴者が集まらなければ、YouTubeチャンネルは広告として機能せず、無駄な労力をかけたという結果になりえます。大切なのは各作業工程を把握し、決められた予算の中で自ら行う作業と外部委託する作業を分けること。特にコンテンツのクオリティに関わる作業に関しては、外部委託することをおすすめします。YouTubeの視聴者数やチャンネル登録を増やすためには、とにかく視聴者が観ていて面白い動画を投稿することに尽きます。面白いアイディアがどんどん生まれてくるのであれば良いですが、アイディアに行き詰まるようであれば、企画慣れしている専門家に任せてしまうことを検討しましょう。実写やアニメーションなど、撮影する動画の種類によってかかる費用は異なってきます。実写の場合、まず動画に出演する人への人件費を考慮しなければなりません。もし自分や自社の社員を出演させ動画を撮影することができれば、人件費がかかることはありません。ただ人気YouTuberや俳優など有名人を登用して撮影する場合には、多額の費用がかかることが予想されます。有名人の知名度を利用してチャンネルの認知度を上げるのは1つの手ですが、出演料は出演者によって全く異なるため、予算や見込まれる宣伝効果からよく検討する必要があるでしょう。アニメーション動画を作成する場合には、出演料がかかることはありません。しかし、アニメーション作成には多大な労力がかかるため、動画作成費用が実写と比較して高くなる傾向にあることを理解しておきましょう。視聴者からのコメント対応や費用対効果の分析など、動画をアップロードした後にも人件費が必要になります。特に費用対効果の分析に関しては、効率の良いチャンネル運用や広告宣伝を行うためにも予算を割くことをおすすめします。近年では自社でチャンネル開設をせず、YouTuber(ユーチューバー)に自社の商品・サービスを依頼する場合もあります。これはYouTubeの企業案件と呼ばれるもので、YouTuberへ宣伝を依頼した場合のコスト相場は、1万円〜1,000万円程度と幅広くなっています。費用はチャンネル登録数や再生回数によって決定するパターンもあれば、宣伝を依頼する商品・サービスの提供自体を報酬とするパターンもあります。たとえば再生回数に応じて報酬を支払う条件で依頼した場合、相場は以下の通りになります。5,000回以上~5万回…1万~30万円5万回以上~50万回…11万~100万円50万回以上~500万回…100万~1,000万円おおよそ再生回数1回あたり2〜10円が目安となります。ただし、単なる再生回数による計算では、再生回数を購入して、いわゆる「かさ増し」をされてしまう可能性があります。そのようなリスクを減らすためにも、依頼する動画の再生回数ではなく、既存動画の「過去1ヶ月の平均再生回数」を基準とするのが良いでしょう。それでも企業がYouTubeチャンネルを始めるメリットとは企業が労力や費用をかけてまで自社独自のYouTubeチャンネルを始めるのには、やはりそれ以上のメリットが得られるからです。そのメリットとしては、以下の点が挙げられます。ターゲットを絞り込んだうえでアプローチできる企業・ブランドのファンを育てられる宣伝の機会が失われないYouTuberのファンにも訴求できるテレビCMや該当広告などは、特定の顧客層に絞り込んでアプローチすることは困難です。一方、YouTubeではチャンネル登録してくれた視聴者など、あらかじめ自社を認知したり好意的なイメージを持っていたりする層のみに商品やサービスを訴求することができます。またチャンネル登録してくれた人に対して、定期的に動画を視聴してもらえる機会が得られるため、動画を通して企業・ブランドのファンを育てることができ、より高い訴求力に繋げることができます。YouTubeでは、一度投稿された動画は基本的には削除されないため、宣伝の機会が失われることがありません。テレビCMや該当広告には掲載できる期間が決まっており、継続して掲載するには追加の費用が必要になります。一方YouTubeでは、チャンネル運用が一度軌道に乗ってしまえば、今までに投稿した動画はずっと視聴してもらうことが可能です。もちろん、視聴者を失わないためにも継続的な運用は必要ですが、過去に投稿した動画が無駄になることがないため、積み上げてきたものは大きな財産となります。他にも、自社チャンネルにゲストYouTuberを招いたり、他チャンネルにゲスト出演したりするなど、YouTuberとのコラボ動画を企画することで、自社チャンネルのファンだけでなく、共演したYouTuberのファンに自社の商品やサービスを訴求することも可能です。企業がYouTubeチャンネルを始めるメリット、その他注意点について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。▶︎参考記事:YouTube企業アカウントを作成するメリットと注意点とはまとめ今回の記事では、YouTubeチャンネルを作成する際の注意点を2つ紹介しました。YouTubeチャンネル作成においては、ガイドラインを遵守することチャンネル運用における労力と費用感の把握ガイドラインから逸脱した行為は、最悪の場合アカウント停止などのペナルティを受ける危険性があります。企業やブランドイメージを損ねないためにも、まずはガイドラインを意識した動画・チャンネル作成を心がけましょう。また、チャンネル運用を成功させるためには、チャンネル開設から動画投稿までの各作業工程を把握し、決められた予算の中で、自ら行う作業と外部委託する作業を精査することが大切です。企業が労力と費用をかけてまで自社チャンネルを開設するのには、やはり大きなメリットがあるからです。動画広告の市場が拡大している今、YouTubeへの参入するチャンスではないでしょうか。YouTubeの自社への活用方法やYouTube運用に悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、お役立ち資料も無料で公開していますのでぜひ合わせてお申し込みください。