企業がYouTube運営に成功するためには、他企業の成功事例を参考にすることが非常に重要です。この記事では業界別のYouTube企業の成功事例を紹介しています。様々な観点から成功事例を参考にすることで、自社チャンネルをより良いものにしていきましょう。近年、YouTubeの視聴者人口は大きく増加し、市場規模は拡大し続けています。それに伴い様々な企業がYouTubeへ参入し、マーケティングへの活用を始めました。 YouTube企業アカウントを開設し運用することは、自社のブランディングや見込み顧客の獲得に大きな効果が見込まれます。しかし、YouTubeを運用するには決して少なくない費用がかかるのも事実。闇雲に運用するだけでは成果が目標に届かないどころか、かけた費用が全くの無駄となる可能性もあるでしょう。そのようなリスクを避けるために、まずはYouTube活用に成功している企業のチャンネル運用を知り、成功するためのポイントを研究することが大切です。 そこで今回は、YouTube企業チャンネルの成功事例を業界別に6つ紹介します。合わせてYouTubeを運用する上で欠かしてはならない注意点も紹介しますので、YouTube運用の参考にしてください。YouTubeの企業アカウントで注意すべき点は3つYouTubeは世界中の人々が利用しており、視聴者は気に入った動画を見つけたら、手軽に共有ボタンからSNSへと動画を拡散することができます。 動画やアカウント情報が世界中へ拡散されやすいことは、自社PRを行う上で大きなメリットになります。しかしながら、誤った方法でYouTubeを運用してしまうことにより、企業イメージを著しくダウンさせてしまう危険性を孕んでいるともいえるのです。そのような重大なミスを犯さないために、YouTubeの企業アカウントを作成・使用する上で、担当者が注意すべき3つのポイントを紹介します。ユーザーに有益な動画を投稿するYouTubeでは収益化された動画や掲載広告動画など、全てのコンテンツにおいてユーザーの有益性を重視しています。そのため、常にユーザーファーストなコンテンツ作成を意識しなければなりません。企業のアカウントでよくある失敗として、一方的に商品を紹介する動画や視聴者にとって何の参考にもならない動画を投稿してしまうことが挙げられます。これはYouTubeの性質から考えると適切ではなく、YouTubeおよび視聴者のどちらからも評価されません。再生回数やチャンネル登録数を増やすためは、やはりユーザーファーストなコンテンツ作成を行うべきです。そのために大切なのは、ユーザー目線でコンテンツを作成するということ。 動画の内容自体はもちろん、サムネイルやタイトルなどもユーザーが即座に「自分が求めている動画かどうか」を判断できるように工夫していきましょう。サムネイルやタイトルは動画だけでなく、企業の看板にもなりえます。キャッチーなサムネイルやタイトルを作成することは、企業のイメージアップに繋がるでしょう。否定コメントに適切に対処する否定コメントに適切に対処することはとても重要です。どのようなコンテンツにも、低評価をつける人や否定コメントをする人は現れます。視聴者がコンテンツを見て感じることは人それぞれであるため、低評価や否定コメントが存在することはさほど問題にはなりません。 大切なのは否定コメントに対する反応の仕方。企業アカウントの場合、否定コメントに対する反応の仕方もイメージダウンに繋がる恐れがあるため、注意しなければなりません。そこで企業アカウントがYouTubeの否定コメントに対してできる、おすすめの対処方法は以下の通りになります。削除機能を活用するYouTubeに報告・対処してもらうユーザーをブロックするデフォルトの設定でコメントを確認制にするこれはYouTubeの公式でも紹介されている方法になります。YouTube Creator Academy「人を傷つけるコメントや不適切なコメントに対応する」https://creatoracademy.youtube.com/page/lesson/connect-with-comments_handle-inappropriate-comments_list?hl=ja削除機能を活用しコメントを削除すると、そのコメントは他のユーザーには読めなくなります。その上、コメントをした本人のアカウント上では表示されたままの状態となるため、コメントを削除したこと自体に気づかれません。ユーザーをブロックすると、ブロックされたユーザーにはチャンネル登録をしていても通知が届かなくなります。また、YouTubeの設定から「コミュニティ」タブを開き、「デフォルト」の設定を変更することで、投稿されたコメントを確認・許可するまで表示されないようにすることができます。これにより否定的なコメントだけ無効にして、その他のコメントの表示を許可することも可能です。苦労して作成した動画に低評価や否定コメントがついて、つい熱くなってしまうこともあるでしょう。そんな時には「こんな人もいるよね。」くらいの気持ちで一呼吸入れ、冷静に対処することが大切です。やりすぎ・ステマ(ステルスマーケティング)は絶対NGYouTubeの企業アカウントを運営する上で、企業の規模によっては特定の担当者に管理を一任することもあるでしょう。しかし、担当者を固定すると業務に一貫性が生まれる反面、客観的な判断が鈍くなりトラブルのリスクが高くなりかねません。YouTubeやSNSでは、運営している担当者の個性にファンがつくこともありますが、やりすぎて炎上・謝罪に発展しアカウント削除に追い込まれるケースは意外と多いのです。仮に炎上はしなくても、担当者が個性を出しすぎることに嫌悪感を持つ人もいます。また、ステマ(ステルスマーケティング)をすることは絶対に避けましょう。人気YouTuberに依頼して自社商品やサービスを紹介してもらうことは珍しくありません。しかし、依頼していることを隠して宣伝してもらうステマ行為は景品表示法の以下に該当する可能性があります。優良誤認(他社商品や実物よりも優れていると誤認させる)有利誤認(他社商品や実物よりも有利であると誤認させる)上記はいずれも、「他社よりも便利」「他社よりも安い」など、実際よりも優良あるいは有利であると誤認させる不当な表示であると判断されます。以前、ステマによって世界的な大企業がイメージダウンを起こした事例もあります。そのような自体を避けるためにも、あらかじめ動画の提供元として自社名を入れてもらうなどの対策を施すことが重要です。参考:YouTube企業案件でのステマ、炎上を避けるにはhttps://www.ye-connect.com/post/youtube-stealth-marketing企業のYouTubeチャンネルの注意点について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。▶︎参考記事:企業がYouTubeチャンネルを開設する際の注意点とは? | メリットや費用例も解説業界別にYouTube企業チャンネルの成功事例を紹介最後にYouTube企業チャンネルの成功事例を業界別に6社紹介していきます。YouTube運営を行う際、どの施策が自社のチャンネルにも当てはめられるか考えながら見ると参考になるでしょう。 【葬儀】有限会社佐藤葬祭の成功事例まず紹介するのは「有限会社佐藤葬祭」の社長が運営しているチャンネル、葬儀葬式ch有限会社佐藤葬祭です。このチャンネルでは暗い雰囲気になりがちな「葬儀」というジャンルで成功を収めており、ニッチなジャンルながらチャンネル登録者数が9万人を超えています。 動画では人に聞きづらい葬儀のマナーや葬儀屋だからこそ聞ける話など、他では聞けないような内容がわかりやすくまとめられています。またQ&Aや時事ネタなども扱っており、視聴者の不幸についての質問やニュースで流れた間違った葬儀マナーなどに対して、率直な意見を熱く述べている人気のコンテンツとなっています。 内容は決して明るくないはずですが、明るく楽しくわかりやすくをモットーに掲げた社長の独特なキャラクター性が、全く暗いイメージを感じさせません。これまでに投稿された動画は1000本を超え、圧倒的なコンテンツ量となっています。また動画は毎日投稿されており、競合他社が参入する隙も与えないほどの安定したポジションを築いているといえるでしょう。https://www.youtube.com/channel/UCuLJbkrnVw6_a35M0rk8Emw 【雑貨】北欧、暮らしの道具店の成功事例次に紹介するのは「北欧、暮らしの道具店」が運営しているYouTubeチャンネルです。このチャンネルは、自社のECサイトやSNS上で人気のあったコンテンツがYouTubeでは思うように再生にされなかったというきっかけから、YouTubeに特化した対策を打ち出し成功した事例になります。 2019年頃からYouTubeを見ている世代が30〜40代になる3年後を見据え、「30〜40代の女性が忙しさの合間を縫って気軽に視聴できる」をコンセプトに、ドラマやドキュメンタリーなど多彩なジャンルの動画をあえて1つのチャンネルで見られるようにまとめました。 その際、ジャンルが異なる動画でもマナーやトーンを徹底して統一することで、自社チャンネルのブランドを好む視聴者を大切にする徹底したこだわりがあります。こうした視聴者への細やかな心配りも、熱狂的なファンを生みだす要因といえるでしょう。https://www.youtube.com/user/infohokuohkurashi【ハウスクリーニング】片付けトントンの成功事例次に紹介するのは「片付けトントン」が運営しているYouTubeチャンネルです。このチャンネルでは、TV等でも取り上げられるゴミ屋敷の片付けや、視聴者でも実践・真似することのできるアイテムや方法を取り入れて紹介しています。 ゴミ屋敷というと暗い・汚いという印象があり、どうしても暗いイメージを抱きがちですが、ゴミで溢れた衝撃的なシーンでも明るいテンションやポップなBGM等により、ネガティブなイメージが払拭されています。また、ゴミ屋敷の片付けとは明らかにミスマッチな明るい動画タイトルに、思わず動画をクリックしたくなるでしょう。一見ふざけたような印象ですが、片付けや掃除の腕だけでなく依頼者への気配りなどもわかる内容となっているため、自社の実力や魅力もしっかり伝わる動画となっています。https://www.youtube.com/channel/UCx9u_-L46feayiuj7wb7-bQ【不動産】楽待チャンネルの成功事例次に紹介するのは「株式会社ファーストロジック」が運営しているチャンネル、不動産投資の楽待[RAKUMACHI]です。このチャンネルでは、不動産投資に必要な知識や投資を行う上で起こりうるトラブル事例などを、多くの専門家達による解説付きで紹介しています。不動産投資の内容やトラブル事例などは、文字で読むだけでは難しく理解しづらいため固いイメージがありますが、動画を用いて解説することでとてもわかりやすくなっています。また、投資を知らない人でも気軽に視聴できるネタ動画も投稿していますが、そこにも専門家による解説を入れることで役立つコンテンツに仕上げています。 出演する専門家達はキャラクター性の強い人が多く、1つのチャンネル内でも飽きずに視聴することができるのも魅力の一つでしょう。 https://www.youtube.com/user/RAKUMACHI【サロン】耳そうじサロン earissの成功事例次に紹介するのは「耳そうじサロンeariss」が運営するYouTubeチャンネルです。このチャンネルでは、耳掃除専門のエステサロンearissで行われている実際の耳掃除の様子を、耳の中を拡大した動画として投稿しています。 すでに200本以上の動画が投稿されていますが、どの動画でも耳垢が詰まった耳の穴を見るという閲覧注意な汚い内容といえるかもしれません。しかし耳垢掃除というニッチなジャンルでありながら、大量にあった耳垢を綺麗に掃除していく爽快感のある映像を提供することで、一定数のファンを獲得することに成功しました。チャンネル登録者数は9万人に迫る勢いで安定した視聴数を誇っており、中には視聴数が100万回を超える動画も存在します。耳垢掃除の専門店というマイナーな業種ですが、動画を利用して実際の耳垢掃除の施術内容を見せることで、どのような内容のサービスを行なっているかのアピールに成功しています。https://www.youtube.com/channel/UCNQXTb77BWoddzFD8XZA2_A【学習塾】武田塾の成功事例次に紹介するのは学習塾の「武田塾」が運営するYouTubeチャンネルです。このチャンネルは企業紹介のような企業ファーストな動画ではなく、おすすめの参考書の使い方や効率的な勉強方法など、受験生が知りたい情報に特化したユーザーファーストなコンテンツで動画を投稿し続けてきました。また月2〜3回複数本の動画撮影を行うことで、毎日2本ずつ動画をアップロードし続けており、現在5万本を超える動画が投稿されています。動画内では数秒に1回効果音を入れるなど動画作成のルールをもうけ、視聴者を飽きさせないような工夫をしています。 武田塾では2013年に開設されたこのYouTubeチャンネルの成功により、武田塾は当初の2校から全国380校を開校するまでに至りました。https://www.youtube.com/user/takedajukuまとめ記事の前半ではYouTubeで注意すべき点を3つ紹介しました。重要なのは、 常にユーザーの有益性を重視してコンテンツを作成する否定コメントには冷静に対処し、反応の仕方に気をつける個性の出し過ぎやステマは炎上の原因になるため避ける 一度企業イメージがダウンしてしまうと、信用を取り戻すのはなかなか難しくなります。上記の内容に注意しながらコンテンツを作成していきましょう。 また後半ではYouTubeの企業チャンネルの成功事例について業界別で紹介しました。各チャンネルで様々な施策を打ち出していますが、大切なのは施策が自社の業界にあっていること。全ての施策が自社のチャンネルに当てはまるとは限りません。 どのような施策が自社のチャンネルにあっているのかは、ターゲットユーザーの属性や自社チャンネルの特性など、様々な要因を考慮して戦略を立てる必要があるでしょう。自社のチャンネルや業界にどのようなYouTube戦略があっているのか気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。その他、YouTubeに役立つ資料も無料公開中です。