2018年からGoogleのChromeがHTTPサイトに警告を表示するなど、SSL化とはなりすましなどの被害の防止を目的としセキュリティを強化するための全ページ暗号化通信の導入は、今やWebサイトの標準となりつつあります。訪問者やサイト管理者にとって安全で信頼度の高いサイト運用をGoogleが積極的に推奨している事も大きな要因です。そこで今回の記事では、SSL化のSEO的効果2つと導入方法や注意点を解説します。SSL化について知りたい方は参考にしてみてください。SSL化とはSSL化とは、インターネット上のデータの通信を暗号化して、安全に送受信させる仕組みを言い、SSLを利用するには、SSLサーバー証明書を導入する必要があります。インターネット上で、ログインに必要なID・パスワード情報や個人情報、クレジットカード情報などが常に狙われています。そのため、Webサイトを常時SSL化することで、Webサイトのなりすましや盗聴を防止し、アクセス解析の精度向上などに効果があります。https化とはhttps化とは、データの通信を暗号化した、安全な通信方式の名称を言い、情報流出のリスクが低くサイバー攻撃から守ることができます。https化(通信の暗号化)をすることで、訪問者が安心してWebサイトの利用ができ、第三者が盗聴しようとしても、データの内容を解読することができないようになっています。https化されたブラウザには、URLの先頭が『https://』となり、先頭に『鍵(南京錠)マーク』が表示されます。SSL化のSEO的効果は?SSLするメリット2つGoogleでは、さまざまなWebサイトを独自の基準で検索エンジンの順位に反映させ、SEOの効果基準としています。中でもSSL化されたWebサイトは、盗聴やなりすましを防止するセキュリティ性能や安心して閲覧する信頼性なども、評価基準の1要素としての取り組みとなっています。SSL化した際のSEO的メリット1:ランキングシグナルとしての効果SSL化によってSEOに与えるメリットは、SSL化に対応していないWebサイトに比べてランキングシグナル(順位付けの要素)が優遇されます。2014年8月にGoogleがWebサイトのランキングシグナルにSSL化の導入に対応していることを公表しています。SSL化した際のSEO的メリット2:ユーザーの離脱を防ぐ効果SSL化がされていないHPにアクセスした際、警告表示によって訪問者の離脱の頻度が高いため、SSL化によって訪問者の離脱を防ぐ効果があります。SSL化されていないWebサイトは、アドレスバーの目立つ場所に「保護されていない」との警告が表示され、SEOの効果で上位Webサイトに位置していても、セキュリティを心配して離脱する傾向にあります。訪問者の離脱を防ぐためにもSSL化の導入をおすすめします。【結論】SSL化するべきかどうか結論として、SSL化はランキングシグナルの効果やユーザーの離脱を防ぐ効果を高め、アクセス数を伸ばすことができる可能性が高まります。2020年現在では、Googleの検索結果に表示されるWebサイトの95%がSSL化している現状と、Googleもサービス全体で100%の暗号化を実現するという目標を掲げています。SSL化を導入する事によって、今後、SEO評価の効果が上がる可能性は十分にありえるでしょう。SSL化までの流れSSL化を行う上で、最初に利用しているサーバーをチェック(レンタルサーバーか自社サーバー)し、サーバーがSSLサーバー証明書に対応可能かどうか判断しましょう。確認後は、サーバー証明書発行の際に必要となる、 CSR(証明書署名要求)を作成、サーバー証明書を申請・取得します。SSL化までの流れSTEP1:3種類あるSSL証明書の購入についてSSL サーバー証明書はサイト運営者(組織)の認証内容によりレベル分けされた3種類があります。認証タイプ別、SSL導入状況は、個人のサイト運営向けのドメイン認証型 DV(83.7%) 、企業認証型OV(14.4%) 、認証が厳しく行われる実在証明拡張型EV(1.9%)と言う結果が確認されています。また、3種類の認証タイプは、活用シーンや認証レベルでの違いがあるので、よく検討をしてから購入しましょう。ドメイン認証ドメイン認証は、組織の実体化などは確認しないため、登記簿謄本などの提出は不要で個人事業主の方でも証明書の申請ができます。Web上で承認手続きが行え、証明書の発行スピードがとても早く、他の認証レベルの証明書と比較すると価格が安いのが特徴です。証明書を確認するには、キーマークもしくは、アドレスバーの横に「保護された通信」をクリックするとSSL証明書の詳細を確認することができます。実在認証実在認証は、Webサイトのドメインの利用権や会社名も証明し、この企業が法的に実在することを認証する、信頼性の高さをアピールができます。企業情報の審査や、実在性を確認するもっとも厳格な審査が行われSSL証明書が発行されます。証明書を取得することは、ホームページへ訪れるユーザーのセキュリティとホームページそのものへの信頼度が上がり、また詳細なURLの運営組織を知ることができます。EV認証EV認証は、SSL証明書の中で身元承認の手続きが厳しく、世界最高水準の安全性と信頼性に沿って審査が行われ、ドメインの組織認証に加え、サイト運営主体情報と登記簿との一致を確認する、最高レベルのSSL証明書です。EV認証は主に、ECサイトや金融機関の導入が多く、口座番号や重要な個人情報のデータをやり取りしているため、犯罪防止のために厳重な認証が求められています。また、EV証明書の年間費用は、信頼度が高い分やはり高価です。SSL化までの流れSTEP2:内部リンク、Canonical先の変更SSL化のみのアクセスに完全移行する前に、内部リンクやCanonicalなどで指定しているURLを全てhttpsに書き換えが必要です。SEOの施策で、URLを正規化する「canonicalタグ」を使用している場合、SSL化(https://~)に変更がされていなければ、httpsのURLをインデックスしてくれません。正式な修正は、例)修正前<link rel="canonical" href="(常時SSL化前のhttpURL)">となっていますが、SSL化後の修正は<link rel="canonical" href="(常時SSL化後のhttpsのURL)">となります。SSL化までの流れSTEP3:https://へ301リダイレクト設定SSL化によって、URLがhttp://(非SSL)の記述を全てhttps://(SSL)に恒久的に転送する301リダイレクトの設定が必要です。301リダイレクトはSEOにも影響する大切な要素のひとつなので、正しく設定することが大切です。簡単にページのURLを変更しただけでは、今までの被リンクやインデックスされた情報が無駄になり、SEO対策を考慮するならしっかり設定する事をおすすめします。SSL化までの流れSTEP4:Fetch As Googleで確認301リダイレクトの設定後は、正しく動作をしているか、SEO対策に必須のサーチコンソールで確認する事が大切です。2019年3月28日をもって、Fetch As Google機能の一部が変更され、今後は追加された機能「URL検査」を利用します。また、インデックスされていない場合は、URL検査画面から「インデックス登録をリクエスト」をクリックし、GoogleBotのクロールを促しインデックスされているかを確認します。SSL化までの流れSTEP5:Web解析ツールの再登録SSL導入後は、Webサイトのアクセス解析ツール、サイト運営におけるトラフィック状況が数値やグラフで簡単に確認でき、SEOにも役立つツールの変更も必要です。Google アナリティクスの変更は、管理画面から変更ができ、サーチコンソールは設定の変更ができないのでサイトを新規登録します。ソースコードのレベルでは、タグの修正が必要です。SSL化するに当たっての注意点2つSSL化によって、全ページに暗号化通信の導入が推進され、今やWebサイトの標準となりつつあります。SSL化の主な目的は訪問者とウェブサイトの間でやり取りされる情報漏洩のセキュリティ、SEOの面でもSSL化はGoogleのランキングシグナルの一部でもあり、数多くのメリットがあります。SSL化するに当たっての注意点2つを下記にて紹介いたします。SSL化の際の注意点1:コストがかかるSSL化導入の際には、証明書費用に加え、設定代行費用、転送設定やパスの修正などサイト内改修の諸コストがかかる可能性があります。証明書費用は、ドメイン認証型・企業認証型・実在証明拡張型の3種類の選択によって、年間費用が変わり、年間数千円〜十数万円程度の費用がかかります。また、管理画面での操作に自信がない場合は、専門の業者に依頼することで、設定代行費用などが必要になる場合があります。SSL化の際の注意点2:ソーシャルカウントを引き継げないSSL化導入後は、Twitter、Facebook、LINE、Google+など、ソーシャルボタンのカウント数が引き継げません。httpとhttpsは、異なるURLとして扱われるため、http://のカウント数が、https://ページでは「0」と表示されます。しかし、訪問者や管理者にとってSSL化から受けるメリットの方が大きく、Webサイトの利便性を高めるためと割り切って考えましょう。SSL化はWebサイトの常識になりつつある!今すぐSSL化しようSSL化の導入が常識になりつつある現在、セキュリティリスクの盗聴、パケット改ざん、なりすましの防止に対抗し、訪問者やサイト管理者に安全性の高いWebサイトが実現できます。訪問者にとってセキュリティが高いということは、サイトの信頼度向上につながり、サイト管理者にとって、閲覧数のアップやSEOのランキングシグナルの一部でもある事がご理解いただけたでしょうか。本記事を参考にしていただき、SSL化の導入を検討してみましょう。弊社では、SEO対策の企画や設計・実際の運用のご支援も行っています。無料のオンライン相談を実施していますので、SEO対策に課題を抱えている企業様がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。