ブランドポジショニングとは一体どのようなものなのでしょうか。企業名やロゴ、商品シリーズ名称などのブランド・製品に対して、信頼や共感など一定のイメージを消費者に持たせることにより、市場におけるブランド・製品の価値を高めるマーケティング戦略のひとつがブランディングです。なかでも「ブランドポジショニング」は、製品の一定のイメージを消費者にイメージしてもらうために、大切な手法となります。この記事ではブランドポジショニングの目的やSTP分析の用語、マーケット・シェア戦略の4つのクラスなどをご紹介していきますので、参考にしてみてください。ブランドポジショニングとは?ブランドポジショニングとは、消費者に企業のブランドや製品に対するイメージを持たせることです。ブランドポジショニングによって、消費者はブランドに対して一定の信頼や共感などを覚えることになります。また、ブランドポジショニングによって市場におけるブランドや商品の価値を高めることを「ブランディング」と呼びます。ブランドポジショニングの目的ブランドポジショニングによって消費者からのブランド認知を獲得することを目的としています。ブランドポジショニングによって、市場におけるブランドのポジション(立ち位置)を明確にすることができます。他のブランドにはない属性を訴えることにより、競争の厳しい市場や後発の商品でも、消費者の頭が心の中にしっかりとブランドを置くことができるようになります。STP分析の3つの用語STP分析には代表的な3つの用語があります。STP分析とは「Segmentation」「Targeting」「Positioning」の頭文字を取ったマーケティングの基礎的フレームワークです。日本でも多くの企業が採用しており、マーケティングを行う上で欠かせない分析手法となっています。ここではSTP分析の3つの用語についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。STP分析1:Segmentation(セグメンテーション)セグメンテーションとは市場や顧客をニーズごとのセグメントに分けることです。セグメンテーションでは地理的変数、人口動態変数、心理的変数、行動変数という4つのカテゴリーによってグループ分けを行います。地理的変数は国や地域、人口動態変数は年齢や性別や職業などの因子、心理的変数はライフスタイルやパーソナリティに関わる変数、行動変数は使用率などの行動の型が要素となっています。STP分析2:Targeting(ターゲティング)ターゲティングとはターゲットとする顧客層を決定することです。ターゲティングではセグメンテーションされた中からその顧客層へアプローチし、どのポジションに商品を投入するのかといった点を明らかにします。ターゲットを判断する基準としては、全ての市場に同じ商品を提供する無差別型、セグメントごとに特性や機能を変える分化型、限られた市場に商品を提供する集中型の3つの手法があります。STP分析3:Positioning(ポジショニング)ポジショニングとは市場での立ち位置を決定することです。ポジショニングは商品やサービスカテゴリを設定し、価値軸を創造し、ポジショニングマップを作成し、差別化を見つけるという流れになります。ポジショニングマップとは、保守的なのか革新的なのか、家族主義なのか個人主義なのかといった属性から商品の位置づけを判別するマップです。商品の位置づけを探り、価値があると認識される立ち位置を見つけましょう。マーケット・シェア戦略の4つのクラスマーケット・シェア戦略の4つのクラスをご紹介します。マーケティングでは、競合商品は市場シェアなどの要素によって「マーケット・リーダー」「マーケット・ニッチャー」「マーケット・チャレンジャー」「マーケット・フォロワー」の4つのクラスに分類することができます。ここではマーケット・シェア戦略の4つのクラスをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。マーケット・シェア戦略1:マーケット・リーダーマーケット・リーダーは同一市場の中でシェアがトップの商品です。マーケット・リーダーの商品は消費者から広く認知され、もっともよく売れている商品であるため、性能や価格、内容量などが業界でもスタンダードなものであると認知されています。また、その市場でトップのシェアを誇ることから、市場調査の対象となり、さまざまな分析が行われます。さらに他の競合商品からも目標とされる存在になります。マーケット・シェア戦略2:マーケット・ニッチャーマーケット・ニッチャーは少数でも根強いファンを持つ小規模企業の商品です。「ニッチ」という言葉は「すき間」などを意味する言葉で、そこから来ているニッチャーも「少数でも力強いファンを獲得しているニッチな商品」を意味します。マーケット・ニッチャーはマーケット・リーダーやシェアの拡大を意識することなく、その商品を支持する層に支えられて、長い期間一定のポジションを獲得することになります。マーケット・シェア戦略3:マーケット・チャレンジャーマーケット・チャレンジャーはマーケット・リーダーとは異なる特徴によって支持を得て、将来的に業界標準にすることを狙っている商品です。マーケット・チャレンジャーも言葉のとおり、マーケット・リーダーになり変わるためにリーダー商品とは異なる機能や成分によって挑んでいる商品だと言えます。チャレンジャーが市場でトップのシェアを獲得するには、マーケティング戦略や企業努力が必要になります。マーケット・シェア戦略4:マーケット・フォロワーマーケット・フォロワーはマーケット・リーダーと同じ路線でシェア拡大を目指す商品です。フォロワーも言葉のとおり、業界のトップシェアを誇るリーダーに追随する商品です。チャレンジャーのように商品を差別化することなく、時にはリーダー商品とほぼ同じ特徴を持った商品になります。また、フォロワーは市場でも後発で登場した商品なので、まずはある程度のシェアを獲得することを目指したマーケティングを行います。マインド・シェア戦略マインド・シェア戦略とは未来の市場シェアと言えるものです。マインド・シェアは顧客の心の中でどのようなポジショニングを獲得しているかによって測ることができます。たとえば「○○のブランドと聞いてどの商品を思い浮かべますか」という質問で、現在はトップシェアでなくてもイメージされる割合が高い商品は、今後売り上げが伸びる可能性があります。ブランドポジショニングの3つの成功事例ブランドポジショニングの3つの成功事例をご紹介します。ブランドポジショニングを目指す場合、すでに実践して成功している企業の事例を学ぶことは非常に重要です。ここでは最後に、ブランドポジショニングの3つの成功事例をご紹介しますので、ぜひ自社のブランドポジショニングの参考にしてみてはいかがでしょうか。ブランドポジショニングの成功事例1:ハーゲンダッツ ジャパン株式会社ハーゲンダッツ ジャパン株式会社では品質だけでなく販売ルートをプレミアム化することでブランドポジショニングに成功しました。ハーゲンダッツは「スーパープレミアムアイスクリーム」という明確なポジショニング戦略によって高い品質にこだわり、さらに販売店もデパートや高級スーパーに絞りました。ブランドポジショニングの成功事例2:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社ではブランドメッセージによってブランドポジショニングに成功しました。スターバックスはテレビCMなどを行わず、従業員教育によって利用者に居心地の良い空間を体験してもらうことによってシェアを伸ばしました。また、アルバイトもスターバックスに対する高い帰属心を持っているため、質のいいサービスの提供に繋がっています。ブランドポジショニングの成功事例3:Airbnb Global Services LimitedAirbnb Global Services LimitedはInstagramマーケティングによってブランドポジショニングに成功しました。民泊などの宿泊施設のサイトを運営しているAirbnbは、テレビCMに登場した人種の異なる人々をメッセージ付きでInstagramで紹介することで社会的なポジションを獲得しました。ブランドポジショニングを成功させよう企業がブランドポジショニングを成功させるためには、STP分析やマーケット・シェア戦略などが重要です。ぜひこの記事でご紹介したマーケット・シェア戦略の4つのクラスやブランドポジショニングの成功事例などを参考に、ブランドポジショニングを成功させてみましょう。弊社では、クリエイティブを活用した企業の認知拡大・ブランディングのご支援も行っております。多くの企業でブランディングや認知拡大に成功しています。ぜひ各種クリエイティブ活用したブランディングや認知拡大による売上増加を狙いたい企業様はお気軽にお問い合わせください。マーケティングを中心に、EC・D2Cのブランド成長、クリエイティブ制作、およびビジネスで役に立つ「フレームワーク集」等の資料を「個人情報入力不要」で無料で公開しております。